大のラーメン好きが作るアプリ「毎日がラーメン」。札幌ラーメンが盛り上がっている理由

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大のラーメン好きが作るアプリ「毎日がラーメン」。札幌ラーメンが盛り上がっている理由

株式会社クリアのオフィス訪問取材時、「最近、力を入れている開発は何ですか?」との質問に「受託開発も行っているので、受託にも力を入れていますが、気持ちとしてはやっぱり毎日がラーメンですね」と元気の良い答えが返ってきました。

訪問取材記事は下記のリンクよりご覧ください。

株式会社クリアに行ってみた−ラーメン大好きな社長がつくる「毎日がラーメン」に注目! | キタゴエ

毎日がラーメン かんたん写真整理&人気店検索 App
カテゴリ: フード/ドリンク
価格: 無料

大のラーメン好きの二人がラーメンアプリを開発

株式会社クリアは2012年1月4日、北海道札幌市中央区で設立。「モバイル生活が楽しくなるソリューションを提供いたします」をキャッチコピーとして、「ClearLife」「MyLikes(現在、サービス停止中)」というFacebookを活用するアプリの開発や、政治家の活動がわかる「前衆議院議員 おおさか誠二(公式)」などさまざまiPhoneアプリをリリースしています。企画・営業・広報などは代表取締役の土門亨さん、開発は廣部雄太さんが担当しています。

企画・営業・広報などは代表取締役の土門亨さん、開発は廣部雄太さん写真左は土門亨さん。写真右は廣部雄太さん

今では「毎日がラーメン」の印象が強い株式会社クリアですが、最初から「毎日がラーメン」を制作していたわけではありません。ある日、土門さんと廣部さんが話したとき、二人とも大のラーメン好きということが判明します。「ラーメン大好きの二人だから、ラーメンアプリを作るべきだよね」とラーメンアプリの開発を決定。

最初は「らの声」というラーメン店の生の声を集めるアプリを提供します。その後さらに、本当のラーメン好きの期待に応えるアプリを作るべく、「毎日がラーメン」を開発し、リリースします。

本当のラーメン好き。コアユーザーを狙った「毎日がラーメン」

「ラーメンアプリは競合がすでにいます」と土門さんは競合アプリとのターゲットの違いを説明します。

「他の競合ラーメンアプリは週に一回、月に一回食べるユーザーをターゲットにしている。マス層なんです。おそらくアクティブユーザー率は高くない。うちらはコアでニッチなところを狙おうと思いました。週に何回もラーメンを食べる人はアクティブユーザー率は高くなるはず」

「毎日がラーメン」ユーザーランキング上記画面は「今月のユーザーランキングページ」。4月14日取材時点のランキング。ランキング上位は1日1杯以上食べているコアユーザーが多いのが「毎日がラーメン」の魅力。

「コアなラーメン好きが惹かれる機能ってなんだろう、ということを二人で一生懸命考えた。ラーメン好きな自分たちを振り返ってみました。ラーメンを食べにいくとき、iPhoneでラーメンの写真を撮っている。だけど、その写真はカメラロールに散在している。散在しているのは面白くない。これをアプリの中で整理させましょうということを考えた。どこのラーメン屋でいつ食べたラーメンか、というのがわかるんです」

この狙いは当たります。コアなラーメン好きは足を運んで食べたラーメンを撮影記録を残すアプリになっています。

「毎日がラーメン」マイページ上記画面のマイページでは店舗別に食べたラーメンの記録を残すことができます。

「他の競合アプリの店舗情報は既存にあるラーメンデータベースを使っているんです。当初は自分たちも既存のラーメンデータベースを使うことを考えました。しかし、問い合わせたところ、簡単には使えないことがわかりました。同時に、使っても他の競合アプリと差別化できないだろう、と考えて独自のデータベースを作ることにしました」

独自なデータベースとはどういうものでしょうか。

「コアなラーメン好きは毎日のようにラーメンを食べて、どんどん記録してくれるんでする。ユーザーがラーメン店を記録できる機能もあるので、ユーザーが店舗のデータベースを作ってくれるんです」

既存にあるデータベースを利用するのではなく、ユーザーと共に成長していくデータベース。それが「毎日がラーメン」の強みになっています。

「ネットで調べると、全国には35,330件のラーメン店があるらしいんですよね。今、16,382件なので、まもなく50%を越える。この35,330件の中にはほとんど行かないようなところがあるので、そういうところは記録しなくてもいいかもしれない。メジャーどころが集まればいいと思っています」

「このままデータが集まると、既存のデータベースと遜色がなくなり、UI次第ではマスユーザーにも使ってくれるアプリになることができる」と土門さんは胸を張って語ってくれました。

コンセプトは「一番食べられているラーメン店が一番美味しいはず!」

飲食店を探すアプリとして最も有名なのは「食べログ」でしょう。「食べログ」でもラーメン店を探すことは可能です。誰もが気になる「ラーメンを食べたいと思ったとき、食べログで探すのと、毎日がラーメンで探すのはどう違いますか?」という質問をぶつけてみました。

「私自身も食べログは参考にします。だけど、食べログでレビューって当てにならないなと思っていて。特にラーメンに関しては、庶民の食べ物であり、身近な食べ物すぎて、逆にレビューがあてにならないなって思っています。ラーメンは好みが千差万別で、あの人が美味しいと言ったから、自分の口に合うわけではない。ラーメンに関してはみんな何回も食べるのを経験しているので、自分の好みは確立しているのではと思います」

ラーメンの好みはとても難しい。友達やテレビがおすすめしてくれたラーメン屋に行っても、そこまで美味しいと思わなかった経験が多くあります。この記事を読んでいる皆さんにも同じような経験があるのではないでしょうか。また、生まれ育った土地でポピュラーな味は違います。各々が子供の頃、何ラーメンで育ってきたか、というのも好みに大きな影響を与えると思います。

「毎日がラーメンでは、自分にしか見えないコメントが書けます。オープンにするコメントと、自分だけのコメントがあって、星の評価は自分だけしか見れない。毎日がラーメンでは、人のレビューの点数はない。毎日がラーメンでは食べられた杯数。コンセプトは一番食べられているラーメン店が一番美味しいはず!だ。そこが違いですね」
「毎日がラーメン」のコンセプトについて語る土門さん「毎日がラーメン」のコンセプトについて語る土門さん

札幌のラーメンが盛り上がっている理由

「製麺会社さんの話によると、今、全国的にはラーメンって下火なんですよ

土門さんにそう切りだされ、驚きました。テレビや雑誌でもラーメンは定期的に特集され、ラーメンは変わらない人気があるイメージがあります。

10年前ぐらいがラーメンブームがあって、それ以降は下火なんです。少子高齢化もあって、人口が減っているのが理由としてはあります。でも唯一、札幌では横ばいらしいんですよ。今、札幌のラーメンが盛り上がっている理由を知っていますか?」

取材チームが首をかしげると、土門さんは札幌のラーメンの現状を熱く語ります。

「札幌のラーメン店の人気トップクラスの店長は20代後半から、40代前半の年齢なんです。その店長たちが従来の札幌のラーメンをベースに、新しいラーメンとしてこだわりを持ったラーメンを出していて、それが受け入れられているんです。

その中でも、いったん決まった味をずっと出しているわけじゃなくて、さらに新たなラーメンを開発しながら、他のラーメン店とコラボしたり限定メニューを出したりという努力しているんです。その努力の結果、札幌のラーメン業界が横ばいになれている。札幌だけ新しい流れが起きているんですね。

もちろん、東京にも新しい流れはあるんですけど、札幌は狭いエリアに1000軒のラーメン店がある。東京は首都圏まで入れると、広いエリアにラーメン店があるので、東京とはラーメン店の密度が違う。その分、競争の密度も違うのではと思っています」

話を聞いて思い出したのは中島公園にある狼スープというラーメン屋がコラボ企画のときに私が一時間半並んだことでした。平日の昼間に一時間半以上も並ぶ人たちを見ると、ラーメン人気を感じます。
並ぶラーメン雑誌クリアのオフィスには常に最新のラーメン雑誌が並んでいます。ラーメン店の情報収集には時間を惜しみません

限定ラーメンや残りの杯数情報も届けたい

札幌ラーメン界に対する熱い思いを聞いた後、毎日がラーメンの今後の新機能について話を伺いました。

「例えば、ラーメン屋が限定メニューをやるという情報は、TwitterやFacebookで告知してある程度は伝播します。しかし、伝わりには限界があります。その情報を簡単に流せる仕組みを作りたい。残り杯数情報も提供したい。フォローしている店から今日はあと残り5杯だよーとか。その他にも外待ち何分だよーとか、ユーザーが書き込めればいい。リアルタイムなコミュニケーションができれば、他とのラーメンアプリとの差別化ができると思っています」

展望とマネタイズ

毎日がラーメンの展望と気になるマネタイズについて話を伺いました。

「ラーメンアプリのトップになろうと思っています。競合のアプリはラーメンデータベースを元にした検索しかできないので、ラーメン店舗の情報さえカバーさえできれば、ラーメンアプリのトップになれると思っています」

毎日がラーメンの強みはコアユーザーを味方につけていることです。コアユーザーがいるアプリは大変魅力的でしょう。

「マネタイズとしてはラーメンに関する広告を載せていきたい。おそらくラーメンアプリの中ではMAU(※)は圧倒的だと思っています。毎日がラーメンには、かなりのラーメン好きだけいる。例えば、インスタントラーメンの新製品やラーメンの新店の情報は確実にラーメン好きに届きます。他の広告手段よりも費用対効果がいいはず。それでマネタイズしていこうと思っています。新しいラーメン情報がくるので、ユーザーにとって嬉しい。広告主も売れたら、嬉しい。アプリを使ってくれるラーメン好きがWIN-WINになればいいと思っています」

※MAU = マンスリーアクティブユーザー。月にどれくらいユーザーが利用しているかの指標

土門さんはどれくらいラーメンを食べているの?

ちなみに土門さんはどれくらいのペースでラーメンを食べているんですか?と私は最後に聞いてみました。

ラーメンの杯数について語る土門さん「俺はまだ少ないよ。今月はまだ7杯だから…今日が14日2日に1杯かな。先月は10杯だよ。去年の夏は1ヶ月に20杯ぐらいかな」

少ない、土門さん答えつつも、取材チームからしてみると、かなり多いラーメンの量と感じます。株式会社クリアのお二人は本当のラーメン好きなんだと思い、オフィスを後にしました。

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価格: 無料

※本記事に記載している数値は取材日の2015年4月14日現在のものです。

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マーケティスト代表。札幌を中心にWebマーケティングコンサルティング・サポートのサービスを提供しているフリーランス。キタゴエでは北海道IT業界の最前線をお伝えします!プライベートでは今熱中している趣味を話すドハマリや、赤沼俊幸の写真都市というイベントを行っています。最近はnoteも書いています。

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