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JR北海道、北海道新幹線トンネル内では携帯が使えない?

トップ画像:北海道新幹線のページ(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/skt/)より。

北海道新幹線区間の7割で圏外となる可能性が浮上

年が明け、2016年3月に開業が迫る、北海道新幹線の新青森-新函館間で区間の7割、乗車時間の5割で携帯電話が圏外となる可能性が浮上した。先日、新青森-新函館北斗間を結ぶ新幹線は1日13往復(うち10往復が東京-新函館北斗)と発表された。利用者層はビジネス客が多く想定されるが、乗車中に圏外になってしまうとこの層の利用満足度は低下するのではないかと言う関係者からの懸念もあるとのこと。

こういった問題は、一般的に総務省移動通信基盤整備協会(携帯電話会社などで組織される)、JRで共同で負担して解決されることが多い。総務省が1/3の費用を負担し、残りを移動通信基盤整備協会とJRが負担する形だ。

当のJR北海道はどう考えているのか?圏外には問題がないとの見解

開業前から、ことあるごとに不要説を含めた問題点がささやかれる北海道新幹線。実際に運用に当たるJR北海道はどう考えているのか、キタゴエ編集部では実際にJR北海道広報部の職員の方に聞いてみた。

キタゴエ編集部 (以下キタゴエ):北海道新幹線、トンネル内で携帯電話が通じないということを伺いました。総務省と移動通信基盤整備協会と費用を分担して、通信環境を整備できるらしいのですが、実際に費用としては、どれくらいなのでしょうか?

JR北海道:明確な金額は出ていませんが、数十億というのを聞いております。

キタゴエ:北海道新幹線、ビジネスマンの方が多く利用されて、実際に新幹線内で携帯が繋がらないと不満が出ると思いますが、何か対策はあるのでしょうか?

JR北海道:現在弊社の中で、いろいろと勉強中です。ただ、海底百数十メートルのところで携帯が通じるのが、当然だと乗客の方々は期待なさるのでしょうか?

キタゴエ:そうですね、電車に乗る感覚ですと、期待してしまいます。

JR北海道:はい、期待ですよね。現実問題として、海底で携帯電話が使えることが当然だと乗客の方は想定されていますでしょうか?

キタゴエ:はい、今ですと、飛行機でもネットが使えたりしますので、私としてはやはり同じように通じることを期待してしまいます。

JR北海道:しかし、やはり期待に過ぎないのかなと考えております。弊社だけで行えることではなく、また基本的には携帯電話キャリアの企業にやっていただくことなのかなと考えております。

キタゴエ:乗客がこの問題で減るみたいな懸念はありますか?

JR北海道:ありません。

キタゴエ:東海道・山陽新幹線ではトンネル内携帯が使えるが、事例に従って対応ということはないですか?

JR北海道:ただいま、勉強中です。

キタゴエ:他の外部とのコミュニケーションのための代替手段なども特にはないですか?

JR北海道:特段用意しておりません。

キタゴエ:本日はありがとうございました。

インタビューは以上。上記より基本的に、JR北海道としては海底では電波が飛んでいないのは致し方ないという姿勢であった。また、費用を折半できるという点については、キャリア任せの姿勢が見て取れる。

海底では、繋がらないのが当たり前なのか

今回、JR北海道は海底で電話が通じないのは当たり前という姿勢を崩さなかった。しかし、それは本当に当たり前のことだろうか。そこで編集部では海外の他の事例について調査を行った。青函トンネルのような場所を考えた時にすぐに筆者の頭に浮かんだのは、ドーバー海峡を結ぶ英仏海峡トンネルだ

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画像:4Rail.netより(http://www.4rail.net/ref_services_eurotunnel.php)

実は、この英仏海峡トンネルでは携帯電話が利用可能である。フランスからイギリスに向かう南トンネルではロンドンオリンピック開催前に、2Gと3Gが利用可能になり、2014年5月には上下両線で同様のサービスが提供されるようになった。将来的には4Gの提供も目指している

実はこのトンネル、青函トンネルよりも「海底部分」が長い。英仏海峡トンネルの海底部分の長さは37.9km、これに対し青函トンネルの海底部分の長さは23.3kmと15km弱英仏海峡トンネルの方が長い。こうしてみると、「海底で電波は飛んでいない」というのは決して当たり前ではないようだ。

参考:国境をまたぐ海底トンネルの通信事情

つながる世の中を目指して

しかし実は、これは北海道新幹線に限った問題ではない。現状、日本の新幹線で電波を利用することができるのは半分程度。新幹線のトンネルで携帯が利用できるのは、日本国内で半分程度。北陸新幹線でも、二時間半程度の移動時間の中で一時間程度圏外になるとも言われる。

日本では頻繁に海外観光客からのWifi環境への不満を耳にする。Wifiだけでなく生活の様々な面で「つながる」世の中を作るべく一歩として、今後のJR北海道の動向に注目したい。