本日は、全国に先駆けてオープンデータに取り組んでいらっしゃる室蘭市役所のお話を聞いてきました!
- オープンデータとは
- 室蘭市がオープンデータを始めたきっかけ
- オープンデータ後の効果
- オープンデータにすることのメリット
- 全国のオープンデータ事情
- オープンデータの成功事例
- これまでと今後のオープンデータ
まずは行ってみよう!
室蘭市役所への訪問。外観はこのような感じ。
入り口を抜けて
中に侵入
エレベータを抜けて
オープンデータを扱っている企画財政部企画課ICT推進課に突入。
オープンデータを担当していらっしゃる丸田さんにお話を伺いました。
オープンデータとは
まずは基本的なことからお聞きしたいのですが、オープンデータとはそもそもどのような取り組みですか?
今注目されているオープンデータとは、政府や公的機関が所有する様々なデータを誰でも使える形で公開していく取り組みを指しています。2013年6月のG8サミットで先進国の間でオープンデータ憲章が宣言されたことをきっかけに普及が進んでいます。
室蘭市がオープンデータを始めたきっかけ
室蘭市はまさにそのG8サミット後の2013年8月からオープンデータの提供を始めていますね。非常に素早い取り組みだと思いますが、始めたきっかけは何かありましたか?
G8サミットと重なったのは全くの偶然で、元々オープンデータという言葉を意識せずに取り組んでいたんです。丁度2012年に市内のGIS(地理情報)データを市役所内部で使うために整備を行ったのですが、市民に公開したほうが良いのでは、という意見がありまして。それに応える形で公開準備していたのですが、たまたまタイミングが重なったという経緯です。
そしてそれがきっかけとなってその他のデータを公開する流れになりました。今ではAED設置場所や防災区域情報や広報紙など全部で31種類のデータを公開しています(2015年7月13日現在)。
なるほど、今ではとてもたくさんのデータを公開していますね!
オープンデータ後の効果
そのようなデータを公開したあとに、何か実感できる効果は得られましたか?
まずこのような今までアクセスできなかったデータがオープンになるので、そのデータを活用して何か活動をしようとするエンジニアの方が少しずつ出てきました。ボランティアや趣味で活動し始める方も多くいて、自分の役に立つシステムをセルフ開発する方もいらっしゃるようです。
また、オープンデータの活用促進をするためのイベントもよく開いておりまして、ワークショップやアイディアソンのようなものもあります。代表的なものだとアーバンデータチャレンジというものがあります。
これは全国規模で開催されているオープンデータのアイディアソンですが、北海道ブロックのイベントは室蘭市で行われました。
北海道ブロックの代表都市が室蘭なんですね!それはすごい。
また、室蘭発の3作品中2作品が最終的に賞を受賞するに至りました。
そのようなイベントの副次的効果として、開発者同士が一つのテーマを起点にして繋がるきっかけになっています。事例としては、この時の参加者同士で立ち上げたlocal wiki 室蘭というものがあり、これは既に500名を超える参加者がおります。他にも Code for muroranというエンジニアのコミュニティが発足するに至りました。
なるほど、エンジニア同士が横に繋がるネットワーキングの役割も果たしているんですね。
オープンデータにすることのメリット
現在オープンデータにしているデータの中には、元々すでに市民に流通していたものもあるかと思います。例えば広報誌など。これを改めてオープンデータにすることの意味はどのようなものがありますか?
例えば地図情報などはGoogleマップを使えば無料で見れるわけですが、印刷して人に渡すことはライセンス違反になります。それとは違ってオープンデータの取り組みには自由なライセンスになるという意味合いが強くあります。オープンデータは改変や2次利用や商用利用も全て自由なので、どのような形にでも利用できます。今まではいちいち役所にやデータ所有者に許可をとったり金額や条件交渉したりしていた手間が省けるというのが大きなメリットになりますね。
なるほど!それは確かに大きなメリットですね。
全国のオープンデータ事情
室蘭市以外のオープンデータはどのような状況ですか?
全国でオープンデータに取り組んでいるのは大体150〜160自治体くらいだと思います。全国には約1700の自治体があるので大体9%くらいですかね。北海道でも室蘭市と森町、八雲町、函館市、あとは北海道庁くらいじゃないかと思います。
なんと、以外に少ないのですね。
そうですね、国が主導でなんとなくムーブメントが起きていますが強制力があるわけでもないので、あくまで各自治体の裁量で実施の有無は決まっているのが現状です。
たくさんのオープンデータを横断的に閲覧しようと思っても、網羅しているサイトが公式にはあまり見つけられませんでしたが、そういう事情も関係しているのですね。
横断検索サイトとしては、今後国が全国を網羅するサイトを構築してくれることを期待しています。やはり各自治体が自由に実施している現状だと完全に全てを網羅するのは難しいのが現状だと思います。
オープンデータの成功事例
オープンデータを使った代表的なシステムは何かありますか?
色々あるのですが、よく話題になるアプリで5374.jpというものがあります。これは元々Code for Kanagawaという団体が開発したWebアプリで、その地域のゴミ出しの日ががわかるという簡単なものです。地域のゴミの日がデータで取得できれば作れますね。引越などで新しい地域に住むことになった人向けに作られており、元々金沢市から始まったのですが、今では全国に広がっています。
ゴミ出しアプリですか!それは意外です。かなり生活密着アプリですね。
シンプルですが、それが故にユーザの皆さんにも受け入れられているのかもしれません。
丸田さん、インタビューありがとうございました!
これまでと今後のオープンデータ
オープンデータは今まで各自治体の裁量に委ねられていましたが、最近の地方創生の文脈の中でも大きな機運となっています。代表的なものでResasという地域経済分析システムが内閣官房と経産省により公開されています。室蘭市のオープンデータの取り組みはその中でも非常に先進的なものといえそうです。
始まってまだ2年目のオープンデータですが、データを公開してそれを活用する企業がでてきて初めてその効果が現れます。その担い手となる IT企業の準備がやっと今整ってきたタイミングなのかもしれません。ビッグデータやBIなどの分析技術が発展してITの準備が整った今後は、これらをビジネスアイディアに結びつけて実行に移す企業が多数現れてくることでしょう。
室蘭市役所
北海道室蘭市幸町1番2号
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