2016年10月20日にミライストカフェで開催された『さぶみっと!ヨクスル in 札幌。2016年10月20日(木)開催』に行ってきました!
イベントページ : さぶみっと!ヨクスル in 札幌【2016年10月20日(木)開催】 | さぶみっと!JAPAN
取材・構成・撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2016年10月20日
10月20日、この日は札幌に初雪が降った日でした。
挨拶
司会は株式会社イー・エージェンシーの五十嵐知之さん、甲斐大樹さんです。
そして地元、札幌開催枠として、札幌のWeb制作会社、株式会社アーキテクチャーウェブシステムの北御門仁美(キタミカドヒトミ)さんも特別に司会を勤めます。
ヨクスルの第1回は2016年6月に札幌で開催。全国、6都市で開催。
札幌では2回目の開催です。1回目は以前、キタゴエでもレポートしました!
(前回開催記事)さぶみっと!ヨクスル in 札幌「Webのチカラで札幌の課題を解決しようぜ!」に行ってきた!
さぶみっと!ヨクスルとは?
甲斐さんより「さぶみっと!ヨクスル」の説明があります。「こんなチャレンジを知っていますか?」と鎌倉の事例を問いかけました。
「鎌倉には由比ヶ浜というビーチがあります。しかし、若者と大人たちがはしゃぎすぎて、荒れていました。そんな中、鎌倉の人たちは小さな子供たちも楽しめるビーチを作りたい。と思います。平和の心を持って楽しむことができれば、悪い人たちも心を落ち着けるのではないか。そうだ!砂浜にその夏限りの仏様を作って、みんなの心を平和に。ということを思いつきます」
それらを手がけているのは鎌倉の地域イベント、カマコンバレー。カマコンバレーは鎌倉のいろんなアイデア、やりたいことを叶えるプロジェクトです。「僕たちはカマコンバレーに出会い、これを全国でやろう!と思い、ヨクスルを始めました。何かを実現したいと思う人と熱意を持った人々が絡む人によって、ヨクスルは地域を元気にできるのではないか、と思っています」と甲斐さんは熱を込めて話します。
「種を見つけてみんなで育て、木は森になり、やがて鳥が宿る豊かな大地を作ります」と北御門さんは話した後、五十嵐さんが続いて話します。「各地域を回って、種を見つけていきたいという想いがあります。全国を回って種を探しています。今、全国の都市を毎月一回、六ヶ月間で回っています。今、各地の開催の後で、メッセージを書いてもらっています。前回の沖縄の開催のときに札幌開催へのメッセージを書いていただきました」
沖縄からの札幌へのメッセージが追加して書かれた旗です。
続いて、「ヨクスルin札幌を支えてくれている札幌のみなさま」として、札幌におけるヨクスルのサポートメンバーの紹介がありました。
「全国でヨクスルを行っていますが、ここでヨクスルの事例を紹介します」と五十嵐さんが話し、仙台のプロジェクト事例を紹介します。
「ヨクスルのアイデアとして、仙台発のGODJに関連した事例があります。ビーチでドローンを飛ばして、DJ大会を実施しよう!というアイデアが出ました。ドローンにDJをつけて、どんな場所でもDJができるのではないか。いろいろ形を変えて、仙台の2017年事業に提案中で、選定中です」
さぶみっとヨクスルの4つの流れ
北御門さんより、さぶみっとヨクスル、4つの流れの説明があります。
「1つ目はプレゼン。地域を盛り上げるためにこんなことをやりたい、というのを発表します。2つ目はヨクスル(アイデア出し)。グループに別れて、アイデアを出していく。目標は100個。過去最高は80個。3つ目はアイデア発表です。このアイデアをみんなで実現させよう、というアイデアを発表します。4つ目は飲みましょう。最後は美味しいお酒とお料理で飲みながら、食べながら交流しましょう。という流れになります」
北御門さんより流れの説明があり、いよいよプレゼンターによるプレゼンが始まります。
地域のゴミを資源にしよう!
利尻町の地域おこし協力隊の大関太一さんからは「地域のゴミを資源にしよう!」というタイトルから、自身が利尻町に引っ越した経験談からプレゼンが始まります。
「私は3万円で利尻町に引っ越すことができました」と大関さんは離島である利尻島にわずか3万円で引っ越せたという驚きの話から始まります。離島のため、通常の引っ越しよりも費用がかるとされ、一般的には利尻島への引っ越しは3万円の10倍ぐらいの金額がかかります。大関さんはどのようにして3万円で引っ越すことができたのでしょうか?
「利尻島で初めてのフリーマーケットを開催しました」島での家具、家電の調達は限られます。大型電気店はありません。家電の輸送費だけでもかなりの金額がかかります。そこで大関さんは、まだ使えるものたちを必要な誰かへ渡せるようにフリーマーケットを開催し、自らの引っ越しに必要な物を調達することしました。
「自分が出品したものが売れるとすごく嬉しい。島民からもそのような声を聞きました。地域の不要物を再利用できたと思います。そして次に、ものすごい大きいゴミが発生しました」大関さんが語るものすごい大きいゴミがこちら。
「利尻島で廃校がでました。利尻島には耐震の関係で維持できなくなり、廃校になった2つ中学校があります。なんとか片方でも再利用したいと考えています。地域の一番大きいゴミとなってしまう廃校を再利用できないか。廃校、フリマ、リサイクルショップをかけ合わせて、廃校で月に一度、リサイクルショップ・フリーマーケットが開催できればと考えました」
「メリットの1つ目は不法投棄対策。不法投棄されるものがフリーマーケットで販売できれば、不法投棄は減ります。メリットの2つ目は島外からの引越し費用削減。私は3万円で引っ越しすることができました。メリットの3つ目は島民の収入向上。捨ててしまうものが収入になれば、収入は向上します。そして、住民同士のコミュニケーションが増えます」
「任期終了まで650日(※注・イベント日)。実現は平成30年3月末までに行いたい。1000人ぐらいに来てほしい。魅力的なリサイクルショップにするにはどうすればいいのか? 皆さんで考えていきたいと考えています」
人が育てる大地の恵み、人が伝える町のほこり”ものがたりは最高の調味料”
株式会社本間松藏商店の本間浩規さんのプレゼンは産者減少についての話から始まります。北海道全体では2000年に6万3千件いた生産者が、2016年には4万4千件。倶知安町は2000年には350件いた生産者が、2016年には180件に減少しています。
「生産者にとっての課題は、情報先行の買い手市場、収入が不安定、閉鎖的な現場というイメージです。ものづくりの素晴らしさを継承するはずが、将来への不安があります」
「消費者にとっての問題は、情報の整理が難しいという点です。情報はたくさんあるけど、どれが一番良い情報かという整理ができない。顔が見えても想いがわからない。高いか安いかだけの判断になってしまいます」
「農業とは、地域のアイデンティティだと思います。時代や環境の変化に左右されるものではない。誇りを感じてもらうためには、正しい情報発信が必要だと思っています。生産者との協力。なんのために情報発信するのか。買い支える仕組みが必要ではないでしょうか」
「今回、皆さんと考えたいのは、生産者と消費者をつなぐ方法です。具体的にはイベントの開催や参加、フードツーリズムなどの産地体験型を考えています。食べる人も作る人もみんなにとって楽しい。と思ってもらえるようなイベントをしたい。2017年7月までに実現可能なアイデアを実施したい」と話し、プレゼンを終えました。
車イスバスケをもっともっとメジャーにしたい!
車椅子バスケットボールチームの札幌ノースウィンドの岩崎圭介さんからは「車イスバスケをもっともっとメジャーにしたい!」というタイトルでプレゼンが始まります。
「車椅子バスケを見た方はいますか?」と会場と問いかけると、手を挙げたのは1人でした。「車椅子バスケを生で見ると、ものすごい迫力、スピードは想像を越えるものがあります」
「障害がある方が多いので、その中でいかに力を発揮していくか、ハンデがありながら、やっていくと伝えられるものがあると思っています」
「北海道の現状を説明します。最大9チームありましたが、今は5チームまで減少しています。全国では75チームあります。健常者のプレーヤーも各チームにいて、最近では健常者のプレーヤーも入れる大会もあります。若い選手がいないチームはモチベーションが下がってしまう。女性の選手は道内では4選手しかいません」
「課題としては、選手が増えない原因として、きっかけがない。平日の夜に練習があるので、仕事があると練習や大会に参加できない。個人の経済負担が大きい。車椅子の操作からバスケットまで学ばなければいけない」
「観客の増加に関しては、観戦に行くきっかけがない。観ても解説がないとわからない。行っていいものかどうかもわからない」
「みなさんと考えたいことは、どうしたら選手が増加するか。どうしたら車椅子バスケの観客が増えるのか。多くの人に車椅子バスケットを始めてほしいため、やったことない人に車椅子バスケを始めるきっかけを作りたい」
「これが実現できると、どうなるか。札幌の車椅子バスケプレーヤーから、東京パラリンピックに日本代表選手として出場することでしょう。障害を持つ子どもたちや家族に夢や目標を与えることができます。自分たちの目標にどんどん挑戦する市民が増え、誰もが住みよく、活力あふれる札幌になります」
「私自身、障がいになり、歩けないことが障害になっているわけではなく、自分が無理だろう、と思ってしまうことが障害ではないか、ということに気づきました。車椅子バスケを初めて、挑戦する気持ちが出てきました。この挑戦する気持ちを皆さんにも届けたいと思っています」と力強いメッセージを残し、岩崎さんはプレゼンを終えました。
ヨクスル(ブレスト)
3人のプレゼンが終わったあとはブレインストーミング、ヨクスルの時間です。ブレインストーミングの4原則として「批判厳禁」「自由奔放」「質より量」「便乗歓迎」という点を上げ、「ぜひ他人のアイデアに乗っかってください」と説明があり、5分間、プレゼンターに質問が行われ、次に20分のブレストが行われました。今回はどんなアイデアが飛び出すのでしょうか。
交流会・乾杯
ブレスト後は、乾杯です。ミライストカフェの食事が提供。前回のプレゼンターでもある株式会社アーキテクチャーウェブシステムの重久さんより、乾杯が行われます。
サプライズゲスト、やべーべや登場
「サプライズゲストが登場します」と五十嵐さんから予告があり、会場に北海道のゆるキャラ、やべーべやが登場しました。動画でご覧ください!
発表
ブレストで出たアイデアをプレゼンターが発表します。
利尻島の大関さんが選んだのは「わらしべチェンジ」。わらしべ長者的に欲しいものを交換して、辿り着けるよう探していきます。司会の五十嵐さんより「ほしいものはなんですか?」と聞かれると、大関さんは「お酒・・・高級なお酒とか」(笑)と話し、会場が沸きました
本間さんが選んだのは「農家のいもレシピ公開」。本間さんは「意外だったのは皆さん、じゃがいも料理を知らないんですよね。美味しいじゃがいもの調理方法を知っている農家のレシピを公開するのが良いと思いました。ドイツでは200種類の料理を知らないとお嫁にいけないと言われています。じゃがいもの新しいレシピを作っていきたい」とお話されていました。
岩崎さんが選んだのは「ゲリラ動画」。車椅子バスケのゲリラ的なイベントを街中で行い、動画を撮影してもらう。撮影した動画はソーシャルメディアにアップしてもらい、認知度を広めていきます。
発表が終わると、各プレゼンのFacebookグループが運営より作成され、公開されました。FacebookグループのQRコードがイベント会場に展開されます。
プロジェクトの続きの議論や進捗報告はFacebookグループより行われます。グループに参加申請すると、グループに参加できるようですので、興味のある方はメンバーとしてご参加してみてはいかがでしょうか。
この日、ヨクスルに3つの種が見つかりました。見つかった種が花になるには水をあげる人、育てる人、いろんな人が必要です。世の中のほとんどのプロジェクトはさまざまな人との関わりによって、進められています。アイデアは行動がなければ、単なる思いつきにしかなりません。アイデアを育てることによって、世の中をヨクスルプロジェクトになっていくでしょう。この日、偶然集まった人たちによる生まれたアイデアの種が今後、どのように育っていくかがとても楽しみと感じるイベントでした。
関連記事
この記事をシェアする
同じカテゴリの新着記事
北海道ITまとめ
-
IT企業まとめ
-
スペースまとめ
ジョブボード
- 社名
- 募集職種
- 内容
- 給与・待遇
- 詳細
- 掲載終了日
ジョブボードに掲載したい企業募集中!詳しくはこちらより