2018年1月23日(火)18時より、エルプラザ(札幌市男女共同参画センター)の三階ホールにて開催した「第3回札幌地域クラウド交流会」と関連イベントの「クラウド勉強会」に行ってきました!
昨年6月、札幌証券取引所のアンビシャスに上場したエコモット株式会社の代表取締役、入澤社長が登壇するということを聞き、エルプラザの三階大ホールにて開催した「クラウド勉強会」とその後開催された「札幌地域クラウド交流会」に行ってきました!
クラウド勉強会
18時からの「クラウド勉強会」は「地域クラウド交流会」の前に開催されるイベントです。特別講師はエコモット株式会社代表取締役の入澤拓也さん。
講演は自己紹介から始まり、代表取締役を務めるエコモット株式会社の会社紹介後、エコモットの起業ストーリーが語られました。
起業ストーリー
入澤さんは初音ミクで有名なクリプトン・フューチャー・メディアに在籍。かなりの売上を上げる営業マンとして活躍し、会社の売上に貢献する大ヒット企画も手がけます。順風満帆に思えましたが、度重なる競合会社との重度の競争から、次第に「もっと感謝される仕事がしたい」と思うようになります。
そして時はiPhone発売間近。着信メロディを手がけていたこともあり、モバイルに詳しかった入澤さんは当時から「ガラケーの頃からモバイル技術はもっともっと発展する」と確信していました。
今後はモバイル技術を活用した仕事を行いたいと思いますが、クリプトン・フューチャー・メディアは音楽中心の会社。モバイルシステムの受託開発を行わない方針もあり、自分の力で行おうと決意し、退職。2007年2月にエコモットを設立します。
起業当初の資本金は10万円。
「Dellのマイケル・デルが1,000ドルで会社を作った話を気にいり、10万円で会社を作りました。パソコン一台10万円ですから、パソコンが資本。それ以外は何もなし。そこからのスタートです」
起業には祖父の影響も強く受けたと話します。「私はおじいちゃん子なんですけど、祖父の背中を見て育ちました。祖父が会社を経営していましたので、どこかでいつか自分も会社を立ち上げようと思っていました」
創業事業として始めたのは今もサービス提供しているロードヒーティングの遠隔監視。ホームページには『灯油をエコ ガソリンをエコ 紙をエコ』と、ITでエコの推進を宣言。営業を開始します。
第一のターニングポイント メディア掲載
第一のターニングポイントは2007年10月。日本経済新聞の北海道経済面にエコモットのサービスが絵付きで紹介されます。「当時、会社は僕一人でした。日本経済新聞はよく取り上げてくれたなと思いました」
この効果は絶大でした。サービスについての問い合わせは増え、販売代行を申し出る会社からの問い合わせも増えます。2007年11月には北海道新聞の一面に掲載。さらに問い合わせが増加。テレビ出演もありました。
建設現場との出会い
次に目をつけたのは農業。農業の展示会にカメラの遠隔管理システムを出展。しかし農業関係者からは、良い反応は得られませんでした。ただ、それを見た建設現場のコンサルタントに「建設現場でこれを使えるのではないか」とのアドバイスを受けたことにより、建設現場へのサービス導入という道が開けます。
入澤さん自らが作業服を着て、建設現場に行きます。「建設現場では水位計を使って、水の安全管理を行いました」
時代を味方に
チーム・マイナス6%の京都議定書が話題の時代、2008年7月に洞爺湖サミットが北海道で開催。前年に起業していたエコモットは『環境ベンチャー』として、脚光を浴びます。次に来たのは2008年9月のリーマンショック。
「リーマンショックの何が凄かったかと言うと、原油の価格がかなり上がったんですよ。150ドルぐらいまで原油価格が上がりました。結果的に灯油代も上がります。すると、マンションやアパートに使ってるロードヒーティングの燃料代が上がります。そうなると私たちのサービスを使って、少しでも燃料代を下げたいとなりました」
こうして追い風を得たエコモット。順調に業務を拡大していきます。
第二のターニングポイント 事業領域を社会インフラの整備へ拡大
第二のターニングポイントは3.11の大震災です。現在は3人の子供がいる入澤さん。震災の様子を見て、深く胸にくるものがありました。
「第二のターニングポイントはエコだけじゃなくて、安心・安全・防災に寄与し、社会のインフラになるような仕事をしていこうと決断したことです。震災あたりから自分の考え方を変えるようになりました。もっともっと何かできたのではないかなと。究極には人の命を救う仕事がしたいと思っています」
災害が多い日本列島。2014年には御嶽山の噴火、広島で起きた土砂災害がありました。
「広島の土砂災害はもっとセンサーで検知できていれば、みんな逃げることができて、救えた命があります。これはエコモットとして、やらなければいけないと思いました」
センサーを作っているのはエコモットだけではありません。他の会社も作っています。しかし入澤さんによると、従来の仕組みではセンサーを1個つけるのにも1,000万くらいかかってしまうようです。この仕組みではセンサーをたくさん設置することは難しい。
「僕らは数十万円という安い金額で、たくさんのセンサーを設置して、とにかく危険を見える化していくことをやっていきたいと思っています」と、エコを中心とした事業で培った低価格化のノウハウを活かしつつ、今後は安心・安全・防災へ貢献できる社会インフラの整備へ事業領域を拡大したいと強く語り、起業ストーリーの話を終えました。
その後は「これから起業する方へ」として、事業計画書作成のポイント、ベンチャー起業が陥る罠、ベンチャー企業が後から後悔すること、私がこれまで聞いた金言など、会社経営によって経験された貴重な経験を話され、講演を終えました。
第3回札幌地域クラウド交流会
19時からは第3回札幌地域クラウド交流会が始まります。開会挨拶後はアイスブレイクとして恒例の「大人の本気の」ラジオ体操第1 。
清田区の公式マスコット、きよっち。きよっちも「大人の本気の」ラジオ体操第1を行います。
プレゼンタイム
プレゼンタイムでは5人の方が熱い想いを語ります。
日本で最年少の研修講師として、全国各地の学校や企業を巡り、「弁論講座」を開催。高松さん自身は学生ながら、企業向けの「社内弁論大会」や新人研修などの社会人向けの弁論を開催。札幌でも弁論大会を開催したいと考え、第一回は3月21日に実施予定。
20年勤めていた会社を辞めて、少人数制にこだわったグッドタイムスポーツクラブを創設。水泳のコーチの経験を生かしてスイム式体幹ストレッチを考案。肩甲骨周りの可動域を広げる手助けをし、水泳の動きを陸上で教えます。
過去に母子家庭という状況から、長い引きこもりを経験し、自身が感じた辛い思いをしてもらいたくないと考え、シングルマザーの支援をする市民団体Mothers北海道を立ち上げます。生きづらさを抱えている女性を支援したいと考え、現在、サポーターを募集。目標は虐待と貧困なき社会を作ること。
JR札幌駅徒歩5分の場所に作る飲食店「穂と葉」という飲食店を運営。自身が大学を留年した経験から、何度でもやり直せる社会を作りることが目標。社会に出てからの留年をともに考えたり、留学で悩んでいる学生を救いたいと考えています。
元SEから独立し、大工へ。一緒に働いてくれる大工を募集。経験者はもちろん歓迎、未経験者、新しくチャレンジしたいという方を大歓迎。理念は「住みよい社会を作りたい」
クラウド交流タイム
プレゼン後はクラウド交流タイム。自分がもっとも共感したプレゼンに投票したり、地域クラウド交流カードや参加者名刺コーナーから気になった方とお話したり、参加した方と名刺交換などができる時間です。
結果発表
それでは結果発表です。
優勝はシングルマザーの支援をする市民団体Mothers北海道のYUKIさんでした!優勝のYUKIさんには、kintone使用権利1年分が贈られます。
すべての方で集まり記念写真!
そして記念写真後は札幌地域クラウド交流会、3回の開催を成功させた株式会社インセンブルの代表取締役、濱内さんがプラチナオーガナイザーに認定されました。
次回の開催、第4回は5月23日(水)。気になった方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか!
さいごに
第3回の開催となった札幌地域クラウド交流会。北海道の地域クラウド交流会はすでに開催している釧路市、東川町に加えて、さらに帯広市、千歳市、真狩村でも開催予定です。
ひとつのイベントがまた別のイベントに派生する。地域クラウド交流会でのキャッチコピーは「つながる。広がる。うまれる。起業家の応援を通じて地域活性化。」
まさに繋がっていき、北海道の各地に広がっていく地域クラウド交流会。広がっていく起点として定着しつつある札幌地域クラウド交流会は239名の参加者でした。これからどんな広がりがあるか今後も注目です。
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