2014年3月21日15時30分より、有限責任監査法人トーマツ札幌事務所会議室で開催されたDirector’s Night vol.5に参加してきました。
Director’s Night vol.5 – connpass
今回のDirector’s Nightは新趣向! あらかじめ決まった登壇者が話すのではなく、参加者同士で悩みを語るイベントのでした。Web制作の仕事を行っている方を中心に参加者は18名!
そこで、今回は、スピーカーは立てず、特にテーマも決めず、Web制作について今みんなが何に悩んでいるかを2時間たっぷりみんなで話し合い、意見交換する会とします。Director’s Night vol.5 – connpass
まずは付箋に悩みを書く
まずは各参加者に付箋が配られます。この付箋に今日話し合いたいテーマを名前入りで記入していきます。付箋は何枚書いてもOK。Web制作に関する悩みを書きます。ルールは1付箋に1テーマまで
私もいくつかのテーマを書きました。
この付箋に書いた悩みが後に、今日のテーマになります。
ホワイトボードに付箋を貼り、付箋を悩みのジャンル毎にカテゴライズ
参加者の方々がそれぞれホワイトボードに付箋を貼ります。ホワイトボードにはWeb制作に関するさまざまな悩みが書かれた付箋が貼り付けられました。司会者が各ジャンル毎に付箋をカテゴライズします。カテゴライズしたまとまりを元にして、話し合いを開始します。
主催で最初の司会を務めた@komomoaichiさん
いったいどういう悩みが出て、どういう話し合いが行われたのでしょうか。本記事ではその話し合いの中のほんの一部を紹介します。
「プロジェクトツール管理ツールは何を使っていますか?」
「使いやすいプロジェクト管理ツールを知りたいです。どのプロジェクト管理ツールが使いやすいんだろうかと思っていて、皆さんに聞いてみたいです」付箋にプロジェクト管理ツールについてのテーマを書いた方がそのように話しました。
司会の方が「プロジェクト管理ツールを使っていますか?」と参加者に問いかけます。ほぼ全ての参加者が手を挙げました。Web制作の世界ではプロジェクト管理ツールは必須のようです。
続いて、司会者の方が「ではどのプロジェクト管理ツールを使っているか聞いてみましょう」と投げかけます。「一度でも使ったことのあるプロジェクトツールに手を挙げてください」
以上のような結果になりました (複数回答可)
使用回数としてはRedmineが頭一つ抜けています。さらにその中で使用頻度について議論を進めると、「Backlogに統一して使っている」という声が何人から出てきます。
Backlogの優位性が語られる中、セキュリティの状況からRedmineなどのオープンソースによるプロジェクト管理ツールを上げる声もありました。
「たまにBacklogが使えない会社があります。理由としては別の会社にデータが置けないため(※)自前のサーバーにデータを置く必要がある場合はRedmineみたいなオープンソースを使うのが有効だと思います」
※BacklogはBacklogの運営会社が管理しているサーバーにデータが置かれるため
使用料金の違いの話も出てきます。「どっちか迷っている場合はお金が払えるかどうかも考える材料になります。Backlogは有料でRedmineは無料」
今回の最終的な結論としてはこのようにまとまりました。「お金が払えるならBacklog。セキュリティの心配があり、サーバー管理できる人がいるなら、Redmine」
そこから話はプロジェクト管理ツールを導入させる方法にも及びました。
「プロジェクト管理ツールを導入したいが、嫌がる人やめんどくさがる人がいるけど、どうやれば導入してくれますか?」
プロジェクト管理ツールの重要性を強く意識している方がメールとの違いを語ります。「メールだと、どっちが返信したかわからない場合があります。プロジェクト管理ツールの場合、プロジェクト単位で誰がボールを持っているのかわかりやすくなります」
続いて、プロジェクト管理ツールを導入できる組織と、導入できない組織の違いに話が及びます。
「どっちがタスクを持っているか、という考え方が浸透していないのでしょうか」と、意識の違いについて話します。「メールだと一つにたくさんのタスクが入っていることがありますけど、プロジェクト(タスク)管理ツールでは、タスクを細切れにすることができる」
話がひと通り回ったと司会者が判断、次のテーマに行きます。
「代理店に最も望むことはなんですか?」
代理店に所属し、Web制作を依頼する方が多い方が「代理店に最も望むことはなんですか?」と投げかけます。「普段、依頼される制作者の方がどのような気持ちで代理店と仕事をしているか知りたいんです」
すると、代理店に対して辛辣な意見が続きます。
「素材がないのに、早く作ってほしいと言われる」
「制作者に対して、代理店からの無茶ぶりが多い。どうやったって無理でしょう、という無茶ぶりがくる」
「印刷物をWebにしたい、という話は多く来ます。そうすると、紙の校了期間ギリギリにできあがったのものが素材として来ます。Web用の素材と、紙の素材は違うので、困ってしまうことがあります」
「プレビューの日を勝手に決めないでほしいです。相談してほしい。スケジュールを組み替えることを覚えてほしい」
代理店の方は「これからは気をつけて仕事を依頼するようにします。貴重な意見をありがとうございました」と話し、次のテーマに移ります。
「保守、どこまでやっていますか?」
「サイトを新しく作ってリリースをしてすぐ終わり、ではなくて、その後も仕事が続く・・・いわゆる保守の場合の契約の形態はどうしていますか?・・・ということが気になって、参加者の皆さんにお聞きしたいです。月額で保守料金をいただいていますか? その月額で保守料金をいただいている場合の作業量のバランスはどうしていますか?」
司会者の方が「会社で保守の仕事をやっている方はどれくらいいますか?」と聞くと、半分くらいの方が手をあげました。
「例えば、私の会社では保守を時間契約して、月額でいくらとして受けている案件があります」手を挙げた保守を行っている方から先ほどの質問の回答があります。「およそどれくらいの時間を保守で費やすので、いくらください、というようにやっています。当然、時間は越える月と超えない月があります。どれくらいの時間がかかっているかという業務量をログとして細かくとっていて、そのログを元に3ヶ月ごとに交渉しています」
その発言から話は作業時間を細かくつけるべき、という話になります。
「作業者は時間を細かくつけるべきです」と言います。「作業者は意外と時間を把握できていないんです。メール書くのに実は一日使っていた、ということがあります。自分の作業がどこに時間がかかるかを把握してほしい。意外とできた、意外とできない、というのを把握したほうがいいと思います。そういうのがわからないと保守の運用できない。私はディレクターの仕事が多いですが、ディレクターとしては作業者の時間を出してくれないと、案件の採算が取れているかどうかわからないんです」
他にはディレクターと作業者が時間のズレをなくすための方法として、このような意見もありました。
「自分が作業者に依頼するときは、まずは時間の見積もりを自分でします。その上で作業者に想定の見積もり時間を伝えます」
時間の話が出たので、近い話題に移ります。
「体調管理はどうしていますか?」
「激務の会社にいたとき、生きていけるのかどうかということを考えたことがあります。皆さん、体調管理はどうしていますか?」
IT業界は他業界よりも労働時間が長い業界です。私の周りにも働き過ぎで身体を壊した方が多くいます。体調管理は誰にとっても気になるテーマのようで、多くの意見が出ました。
議論が深まるにつれ、「体調の管理は大事だけど、そもそもの仕事を減らして残業時間を減らしたり、ちゃんと休まないと誰でも身体を壊してしまう」という話になりました。
では残業時間を壊して減らしたり、しっかり休むためにはどうすればいいのでしょうか。会社員として過ごすときに周囲に自分の仕事量や残業時間を分からせるテクニックとして以下のような意見が出ていました。
「メールで日報や作業報告を送ることによって、出勤時間や残業時間のログが残る」「私、詰まっていますという報告をできるだけ言うようにする。Googleカレンダーを作って記録する」「案件ごとに時間の目安をたてて仕事を引き受ける」
チームで仕事量を共有するために、朝礼も有効だという話が出ました。「朝礼で自分のスケジュールを言う。自己報告する」「朝礼で何時間、残業します、と宣言する」ということを行い、状況を共有することにより、チームで残業時間を減らせる組織にすることが可能という話になりました。
一方、残業が生まれてしまうのは組織だけのせいではなく、個人にも責任があるという声もあり、「ダラダラ仕事することによる、罪悪感を持ったほうがいい」「決められた時間の中で濃密に仕事すればいいのにと思います」という厳しい意見も聞かれました。
参加者みんなで付箋を貼りあう様子
Director’s Night vol.5に参加してみて
いかがでしたか。Director’s Night vol.5の様子が伝わりましたでしょうか。本イベントは新趣向となり、特定の登壇者を決めずにみんなで話し合うというイベントでした。これをアンカンファレンス形式というようです。
当初の狙い通り、今回参加の18名、全ての方が発言していました。通常の登壇者形式のイベントでは「発表」という形式で、発表に適したように整形された綺麗な話が語られることが多いでしょう。一方、Director’s Nightはアンカンファレンス形式のため、参加者各々の、整形していない、よりリアルな生々しい声や悩みを聞くことができました。このリアル感はアンカンファレンス形式ならではのものでしょう。
「わくわくWWWさっぽろ」と名前を変えて
今回、「Director’s Night」名義でのイベントはVol.5で終了する発表がありました。今後は「わくわくWWWさっぽろ」という名前に変更し、引き続き、アンカンファレンス形式のイベントが開催されます。アンカンファレンス形式を体験したい方は今後、開催される「わくわくWWWさっぽろ」にご参加ください。
直近では6月3日(水)19時より、わくわくWWWさっぽろ vol.3が開催されるようです。気になった方はぜひ参加してみてくださいね!
「わくわくWWWさっぽろ」第1回議事録
「わくわくWWWさっぽろ」名義では4月15日に開催された第1回、「わくわくWWWさっぽろ vol.1」の議事録が掲載されたようです!
有限責任監査法人トーマツ 札幌事務所 会議室
北海道札幌市中央区北5条西6丁目2-2(札幌センタービル24階)
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