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ファームノートサミットレポート③ オープニング「Farmnoteの挑戦 〜What is Color ?〜」

ファームノートサミットレポート第3弾!
今回は、オープニング「Farmnoteの挑戦 〜What is Color ?〜」を取り上げます!

これまでの記事

農家と共に歩んできたファームノート

セッションは、ファームノートがどのようにして農家の方々と共に歩んできたのかの紹介からスタート。今回のイベントはIT関連の方だけでなく、農家の方々も多くいらっしゃったこともあり、要所要所に小林社長の気遣いが感じられます。ファームノートは2015年11月29に創立2周年を迎え、そして最近ファームノートのサービスを利用している農家が1000件を突破。「これは全て、弊社を応援してくれる全ての方々、日々ファームノートをご利用いただいている方々のおかげだと思っております。この場を借りて改めて御礼申し上げます」と小林社長、感慨深い様子。

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ファームノートの事業の概略の説明。ファームノートは、牛群管理システムファームノートを作成し販売、運用してきており、2015年の3月には最新版2.0をリリース。一般的に酪農に触れ合っていない方からすると「牛群管理」と言われても想像がつきにくいかもしれませんが、農家の方々が管理している牛全ての様々なデータを同時に管理すること(らしい)です。ファームノートはこの分野にクラウドスマートデバイスを用いて、既存のサービスよりも安価でより使いやすいサービスを提供。そして小林社長曰く、「農家の方々の経営の効率化を図る」というのがファームノートが目指していること。

常に、ファームノートには農家の方々にとってより便利なサービスを作るために、新機能が追加されているとの紹介がありました。
以下は、直近で追加された機能のリスト。

  • ファームノートトゥデイ:1日の予定が管理できる機能
  • 大規模農家向けの予定カレンダー機能
  • 1日の予定をスマホに通知する機能
  • 未来の牛の頭数を予測する機能
  • 牧場の経営状況を見える化を数値で行う機能
  • 月次レポート機能(以前は年次のレポートのみでした)
  • 疾病レポート
  • 乳房炎レポート:原因が何でどれくらい出ているのかを3カ年の比較が可能

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これらの機能の本来的な目的は、「牛の管理を簡単にする、農業の作業を簡単にする」ということだけにとどまらず、「様々な情報を見える化し、次に何をすべきなのかを示し、農家の経営の効率化を図る」というところまで目指しているとのこと。そして、今後も農家の方々のニーズに応え新しい以下のような機能をどんどん追加していく予定と小林社長は宣言。

  • 農家の英語サポート機能
  • 農家の方々のデータを自動で吸い上げていく仕組み作り
  • サポート体制面の変化
  • ファームノートサポート人員の拡充
  • 100頭までという制限→制限なしのフリーミアムモデルに変化

これらの新機能の追加に加えて、今後の方針にも言及「これまでは農家の方々に自らデータ入力していただいて、経営の数値を見える化することができるサービスでしたが、今後は自動で牛などのデータを取得し、簡単にデータがスマートデバイスで確認でき、次の経営に生かしていくというサイクルを作り経営を効率化を支援するサービスを目指していきます。」

インダストリー4.0

次にセッションの話は「インダストリー4.0」という概念の紹介に移ります。インダストリー4.0(参考)とはドイツ政府が進める国家プロジェクトのことを指します。一言でいうと、「自ら考える工場」を作るということ。ドイツは現在高い労働コストが問題となっていますが、「自ら考える工場」を作ることによって工場の効率化を図り、生産コストを下げ他国に対する優位性築くのが狙いだ。

小林社長から、この「インダストリー4.0」には何がキーとなるのか説明がなされました。一つ目が、「データとその量」二つ目が、「人工知能」。工場の場合であれば各ラインからデータが自動で吸い上げられ、そのデータを人工知能が処理を行い、次の工場の行動へと落とし込むということを行います。小林社長自身は、このインダストリー4.0の実現によって将来的に誰でも同じ品質でも物が作れてしまう時代が、すぐではないが確実に来ると予想しているとのこと。

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小林社長はこの「インダストリー4.0」が農業にも適用でき、「天候のデータによると次には〇〇なことが起こるので、作物に対して△△なことを行うべきである」という判断が自動で行えるようになると考えています。自動で農業が行える時代がやってくるということです。それでは、農業でのインダストリー4.0に備え、ファームノートは何を行い、農家は何を行っていくべきなのでしょうか。まずは、現状の日本の農業の分析に入ります。

農業の現状

現状の農業には以下のような問題点が存在する。

  • データが様々な場所にバラバラに存在する
  • データが統合されていない
  • デザインがダサい
  • デバイスが外国産で高く、修理ができない

現状の農業では様々なデータがあるが、様々な企業の製品が存在しており、データが統合されていない。またデータも様々な場所にバラバラに格納されている。「本当にこれは農家のための仕組みなんでしょうか?」と小林社長は疑問を呈す。

農業のインダストリー4.0への挑戦

ではこういった問題にどのようにファームノートは取り組み、インダストリー4.0の実現を目指していくのか。
上記の問題を一つ一つ解決していくことで、実現を図っていく模様。

  • 他社の製品も含めた、データの統合
  • 牛から自動的にデータが吸い上げることの実現
  • 人工知能ので自動で判断するデバイスの提供

これらを行うだけで、農家はデータに基づいて自動的に経営指標を出すことができ、また流産、疾病などを予測することが可能になります。また、データの入力の必要もなくなり、農家はより効率的に作業を行えます。また、データが統合されるので、各農家のデータが集合知になってより効率は上がるという。

そして小林社長、「農家の皆さんお力を貸していただけませんか?」

農業関連の製品は、ダサい

また、農業関連データを取るためのデバイスなどは、非常に高価。それにもかかわらず修理ができないものが多いのだそう。高価で修理が可能、もしくは非常に安価で大量生産で使い捨ててきに利用ができるというのであれば理解ができますが、現状では非常に高価で修理ができないという理にかなわない状況になっています。これでは農家の方々は安心してこのようなデバイスを利用することができないと小林社長は問題を提起します。「しかも、こういった農業用のデバイスは、総じてダサい「〇〇くん」「〇〇さん」といったネーミングが非常に多く、次世代を担う人々が誇りを持って働くことができるようなデザインではない。」と現状の農業デバイスを、少し怒られるかもしれませがという前置きを入れつつも、一蹴。

この点についてはクラウドワークスでも取り上げられているが、一つの戦略の模様
参考:意外!農業機械に人名ネーミングが多い理由

小林社長、「もっとブランドイメージを高められるものを作っていく必要がある。そしてこのデバイス達は国産ではなくて、だいたいが外国産になっている。結果として高くなるのも必然であり、修理もしにくくなっていく。農業先進国として、純国産の技術が和牛しかないのは寂しい!だから自分たちで作らないといけない。」

ここで、何か新しいものをファームノートが作ったということを匂わせ、会場は少しどよめきます。

Farmnote Color登場!

特別に会場の参加者の方にだけ、公式発表前に発表がありました。(もう正式発表がなされています!)ファームノートは日本初の人工知能を用いた牛向けのWearableデバイスを発明!牛の首に取り付けて使用するIoA(Internet of Animal)のプロダクトで、製品名は「Farmnote Color」それぞれの個体にそれぞれの特徴「」があるということからカラーというのと、首につけるということで英語のCollarから。

Farmnote Color
Farmnote Colorを発表する小林代表取締役

牛の状態、個体差をリアルタイムに把握し、個体別の閾値を学習しスマホに通知します。これまでのサービスだと、何か牛に異変があったりしてもオフィスに戻って確認をしなければなりませんでしたが、Farmnote Colorでは、スマホでいつでもどこでも通知が来るので迅速な対応が可能になります。また、情報はファームノートのアプリと統合可能。

またデバイスをつけている牛の近くにスマホを近づけると牛の情報を検索して出すこともできます。
個々の牛から取ったデータをまとめて、人工知能で情報を集約し、それを統合して次の判断に生かすことができる。まさにインダストリー4.0!しかもバッテリーも3年間持続、電池交換可能でデバイスも修理可能。

実際に会場でデバイスを見てみましたが、デザインも非常に現代的で非常に「かっこいい」と思わされるようなものでした。Appleの製品の様な雰囲気、農家の方がこれを使っていると考えると、確かに今後の農家のイメージも変わらざるをえないと感じました。

color_relation_01Farmnote Colorフローについて

加えてFarmnote Air Gatewayも発表。このデバイスでFarmnote Colorがインターネット通信可能になり、クラウド上にデータを上げることができます。こう言ったデバイスにSORACOM Airの様なSIMカードが使われるわけですね。Farmnote Air Gatewayによってデータをクラウドに送信し、このデータを様々な機能と接続。二つの製品について価格を下げられるように今後努力を行っていきたいとのこと。また「テストユーザーも随時これから募集していくので興味がある方はブースまでどうぞ」としっかりと農家の方へのアピールも。

クラウド、日本初の牛の最適管理ができるWearableデバイス
Farmnote Color詳細

まとめ

以上が、オープニング「Farmnoteの挑戦 〜What is Color ?〜」の内容でした。
Farmnote Colorを使って、農業版インダストリー4.0を目指す小林社長の姿が非常にカッコイイよく見えました。

次回は、パネルディスカッション「逆境を超える、農業の挑戦。」の記事です!!