2016年3月25日(金)、わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)の第1会議室で開催した株式会社インフィニットループ、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、ジグソー株式会社、クラスメソッド株式会社の4社合同勉強会「【合同勉強会】インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッド」に取材&参加してきました。
この合同勉強会、2回目の開催です。前回の2015年12月2日(水)から数えて、約四ヶ月ぶりの開催です。前回の様子は下記の記事をご覧ください!
【合同勉強会】インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッドに行ってみた
インタビュアー・構成・撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2016年3月25日
今回もわくわくホリデーホールでの開催です。
今回もほぼ満員!
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— にしあぷ (@24appnet) 2016年3月25日
【合同勉強会】インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッドとは?
「【合同勉強会】インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッド」とは株式会社インフィニットループ、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、ジグソー株式会社、クラスメソッド株式会社という札幌にオフィスを構える4社の若手エンジニアが登壇する勉強会です。
前回の冒頭挨拶ではクラスメソッド株式会社の小室啓(こむろひらく)さんによると、
「札幌にいる若手技術者の交流の場にしたい。技術の異種格闘技戦になるような勉強会となると思います。今回だけではなく、継続して開催していきたい」 【合同勉強会】インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッドに行ってみた
とのことであり、宣言通り、第二回目が開催されました。
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、林さんインタビュー
前回に引き続き、今回もクリプトン・フューチャー・メディア株式会社、システムチーム統括リーダーの林禎康(はやしよしやす)さんに合同勉強会についてお聞きしました。
ーー今回から新しく合同勉強会にジグゾーさんが加わりました。ジグゾーさんが加わったのはどのような経緯があったのでしょうか。
林 : 東京で開催された札幌移住計画のイベントで、クラスメソッドの佐々木さんとジグゾーの菅井さんとの交流がスタートしたようです。イベント内で前回の勉強会の話になり「では一緒にやろうと」いう話になり、今回より加わっていただけることになりました。
ーー前回の懇親会の中で印象に残った話などはありましたか?
林 : 前回、クラスメソッドの小室さんと前回登壇した弊社の渡部がIOS/Androidの開発あるあるの技術的な話をしている光景が印象に残りました。同じ会社のエンジニアだけではわかりあえないのだけど、他の会社で同じことをやっている人がいて、「そこで悩んだことがある」ということを共感して語り合っていたのが印象に残りました。また、違う環境のエンジニア同士、情報共有し合える事はいいなぁと思いました。
ーー前回が合同勉強会の一回目でした。勉強会後での反響やそれ以降の動きはいかがでしょうか?
林 : 「札幌でIT企業が3社集まって、若いメンバーや入社したてのメンバーの勉強会は新鮮だね」という声がありました。この勉強会は有志であり、登壇される方はじめ、参加されているみなさんも技術に意識の高い方が集まっています。ゆくゆくは札幌で、この勉強会に集まるようなみなさんでハッカソンやアイデアソンを行ったら面白いんだろうなと思いもございます。
最近、オープンデータを使ったハッカソン、アイデアソンが行う機会が多くなっています。また、勉強会だと各社代表が登壇して話しますが、参加者もみんな混ざり、勉強会の延長戦上でアイデアを出して、開発することによって、新しいサービスやコンテンツが生まれるきっかけになるのではないのでしょうか。そこで新産業が生まれるとおもしろい。開発者同士でサービスを作るのもよし、ハードルは高いですが新会社設立なんてできたら素敵、そういうきっかけを牽引できるほんのちょっとの何かであれば。
ジグゾーさんが今回から合同勉強会にご参加頂ける、ということで札幌移住計画がいいきっかけだったのではと思っています。クラスメソッドさんもインフィニットループさんも札幌移住計画にしていまして、そこで、札幌のIT企業同士が繋がる事で、より開発基盤を強化できるのではと感じました。。弊社もそうですが、1社では難しい問題も、数社が集まる事によって技術情報を共有したり、その企業の長けている分野をお願い分担する事で、新しい開発基盤を生み出すことができるのではと思っています。
また、企業間の繋がりを円滑にすることによって、単に「仕事を分け合う」のではなく、、今まで対応出来なかった案件に積極的に参加できるのではと期待しています。それが新産業の開拓に発展できれば札幌、いや北海道らしい。更には、雇用の受け皿としても強化しICTといえば「札幌」。札幌のIT企業で働きたい、札幌のIT企業に依頼しよう、というような札幌IT企業モデルを形成したいですね。
ーー合同勉強会についての今後を聞かせてください。
林 : このような勉強会に興味頂けたら、ぜひいろんな方に参加していただきたいと思っています。登壇頂ける会社さんも募集中です! 今後もテーマとしては「若手」または会社に入ったばかりの方で限定にしたいと思っています。若い方は登壇する機会が少ないのですが、合同勉強会で登壇することによって、若手の憩の場になれればいいと思っています。っと内容が終始「弊社製品のご紹介」だったら辛いかも(笑)でも「弊社製品に取り組んでいるホゲホゲ」のお話!のホゲホゲとかは聞いてみたいですね。
ーー林さん、ありがとうございました! 続いては各登壇者の発表となります。
「時系列データをPythonでお手軽に分析できるようにした話」ジグソー株式会社:千葉さん
1つ目のセッションはジグソー株式会社の千葉さんです。今回は1人あたり20〜25分のセッション時間でした。千葉さんからはサーバーのログデータをPythonで分析する発表です。
「課題監視対象機器から来る大量のログデータ(1日250万件以上)を深掘りして分析したい」というデータをより活用したいという課題と、「グラフを長い期間でも確認したい」という要望が社内であります。長い期間のグラフを読もうとすると、データ量か膨大なため、クエリが返ってこなくなる現象が発生するようです。
それを実現するためには「時系列データを高速で読み込み、書き込みができるDBがほしい」「蓄積したデータを分析したい」ことを行う必要があります。
「時系列データを高速で読み込み、書き込みができるDBがほしい」ためには時系列データに特化したDBであるOpenTSDBと、速い・高い・楽という特徴のあるNoSQLのBigTableを採用。結果として、OpenTSDB導入前は1ヶ月以上の期間のデータはまとめて取得できませんでしたが、OpenTSDB導入後は3ヶ月でも6秒程度で取得できるようになりました。
「蓄積したデータを分析したい」ためには、PythonのiPython Notebookを使用。時系列データの予測として、「ARMAを使った回帰」「RandomForestを使った回帰」「ニューラルネットを使った回帰」という分析手法について紹介いただきました。
今回のプロジェクトはPythonを採用した理由も語られました。ジグソーの社内システムがほとんどPythonでできているためと、データ分析には有用なパッケージが多いということが採用の理由のようです。
「IL、VR始めるってよ」株式会社インフィニットループ:VR部
続いては2つ目のセッションです。株式会社インフィニットループからは今話題のVR事業部ができたことについて発表があります。そしてなんと驚くことに、株式会社インフィニットループは7人が発表です。各担当箇所を発表するスタイルでした。
最初の本田さんからはVR事業部設立の経緯について語られます。元々はVR部という部活動からスタートしましたが、2016年4月からは正式にVR事業部になることができました。VRコンテンツとしては、360°VR動画配信、録画、販売プラットフォーム、VRゲーム、Kinectコンテンツ、360°VRライブ大規模ストリーミング配信システムなどを考えられているようです。
齊藤さんからはインフィニットループのマスコットキャラクターあいえるたんについてのお話です。2014年に企業のマスコットキャラクターをMMDモデルデータにするのが流行り、その流れであいえるたんのMMDモデルデータを作ろうという話になります。
MMDモデルデータ公開前に、ハンドトラッキングセンサーのLeapMotionのSDKがアップデートし、精度が向上したという話を齊藤さんは聞き、さっそく購入。家で試したところ良い感触を得て、作ったのが一部で話題になった、髪の毛に触ることができるあいえるたんさわさわでした。
MMDのデータの公開に先駆けて、会社のブログに紹介。再生回数が多くなり、動画のアクセス解析見たら、海外がとても多く、Youtubeでも外国人からのコメントが多い。なんとredditで紹介されていたようです。
好評の声を受け、あいえるたんがチョコプレッツェルを行うバレンタイン企画も行いました。
続いてはインフィニットループにインターンをしているクーンさん。「そこにあるKinectで面白いコンテンツを作ってほしい」と言われて作った、「KinectとUnityで実現した人間ジョイスティック」を紹介しました。「手を上げると弾が出る。謎の吹き出しがでてきてクッキーを壊します」と説明すると、会場を笑いに包まれました。
撮影を担当している山口さんからはopenFrameworksで加工して映像をサーバーに送る発表、人柱担当の山岸さんは映像をストリーミングして視聴者に配信していくサーバーサイドを作る発表、財布担当の鈴木さんはUnityを使い、GearVR上視聴できるアプリを作る発表が行われます。
雑用担当の萩原さんからはVR事業部を進めていく上の考えとして、「なるべく早く価値を提供する。情熱を元に進めていく。自分たちが良い、面白いと思うものを作る。詳しい人にお願いする。社内ナレッジベースに蓄える。ランチミーティングでVR談義をして、記録に残す。収益化を念頭に置いて議論する」と話します。「毎年、VR元年と言われています。課題はマネタイズです」
「マネタイズのことが後になってしまいます。どうやってお金にするか。顧客を探しだして、価値を生み出したい。”会社だと触っているだけじゃん”という遊んでいるように思われてしまうので、それを払拭する技術にし、会社のイメージアップに貢献したい」と話します。最後に力を込めてこう語ります。「情熱を持って仕事をするのは楽しい!」
(※4/28追加)スライドが以下のURLに公開されています。本記事と合わせてご覧ください。
インフィニットループ×クリプトン×ジグソー×クラスメソッドの合同勉強会に行ってみた!
「ソフト屋が挑戦した電子工作〜力ずくの10か月〜」クラスメソッド株式会社:平内真一さん
3つ目のセッションはクラスメソッド株式会社の平内さんです。平内さんは年齢として若手ではないのですが、「今、新入社員2ヶ月です」と話すように、まだクラスメソッドに入って日が浅く、合同勉強会の登壇者ではこのような入社したての方も対象です。
平内さんは今までのエンジニアとしてのキャリアをソフトウェアエンジニアとして歩んできました。冒頭で「今まで私はソフトウェアエンジニアなので、というのを逃げ口上にして、電子工作からは逃げていましたが、10ヶ月間電子工作に挑戦し、ド素人の私でもこれぐらいならできる、ということをお伝えしたいと思います」と語り、「ソフト屋が挑戦した電子工作〜力ずくの10か月〜」の発表がスタートします。
まずは電子工作を始めたきっかけのお話として、「ブリッジ整流回路」を紹介。電源コードをばらし、中身を見てみます。そして電圧を調査。「12ボルト用の電源コードだと思ったのに、13ボルトだった。なんでだろう?」この疑問から電子工作に興味が出ます。
「部品が欲しい。とにかく色々試してみたい」と部品集めにハマっていくことを話します。「はまってみたい人は切ってください」と話すと会場が笑いに包まれます。「何か作りたいときはそれに近いものを買ってきて、バラすのが良い」とコツを語ります。オーディオタイマー、モデムカード、マウス、タイマー、液晶などをバラします。バラして集めた部品箱を公開。
ただバラすだけではありません。バラして集めた部品から作ったものを紹介します。「電話機をヘッドセット」「擬似電話機」「疑似交換機」「電池HUB」「試験用安定化電源」「ロジックテスター」「Wi-Fi付きArduinoモジュール」「回線減速機」などなど。
最後に、8ヶ月で集中してハマったことや結論を紹介します(本記事では一部を紹介)。
燃える。「素人の結論ですが、電子工作は部品が燃える。煙が出ます」「LEDは短絡。抵抗がないと繋いじゃダメです。+と−の間には抵抗がある。抵抗がないと燃えます。」
オシロスコープが必要ですか?→ためらわず購入「テスターはprintf。オシロスコープはIDE&デバッガです。ためらわず購入しましょう」
本合同勉強会では平内さんと同じソフトウェアエンジニアが多い中、電子工作の興味が惹かれた発表でした。スライドが以下のURLに公開されています。本記事と合わせてご覧ください。
[4社合同勉強会] ソフト屋が挑戦した電子工作 〜力ずくの10か月〜 | Developers.IO
ラズパイ×スマホ×お弁当おばちゃん(仮) クリプトン・フューチャー・メディア株式会社:富永健太さん
最後のセッションは前職で洋菓子を焼いたり、食品を作ったり…モンブランを数百個作っていたこともあったという異色の経歴を持つクリプトン・フューチャー・メディアの富永さんです。富永さんからは会社で実際にある課題を元にサービスを作った発表が行われました。
クリプトン・フューチャー・メディア社には昼にお弁当屋のおばちゃんが事務所にきます。しかし「来ましたよ」というが、隣の事務所にいる人や席をはずしている人には伝わりません。その問題点を解決するために、「お弁当おばちゃん来訪システム」を作ります。
Raspberry Piを使った「お弁当ボタン」「ヤクルトボタン」を作ります。ボタンを押すと、押されたかどうかを検知して、サーバーに送ります。Google Cloud Messagingを使い、サーバーからはプッシュ通知を送ります。プッシュ通知を受け取るためにAndroidアプリを作成。サーバー側はPHPで作成。データベースはMySQLを利用。フレームワークはcodeIgniterを使用。
お弁当おばちゃんが会社に来て、おばあちゃんがボタンを押します。サーバーのほうに通信されて、フラグがたつ。それぞれのスマホにプッシュ通知を届ける。さらにスピーカーでも「お弁当やさんがきましたよ」というのが鳴ります。
このシステムによって、お弁当おばちゃんがボタンを押すと、「お弁当やさんがきました」というメッセージが流れてきます。他にヤクルト販売の方も来ますので、ヤクルトのボタンを押すと、「ヤクルトの販売が行われます」という音声がスピーカーから流れます。通知と音声が同時に流れます。
プロトタイプのレビューでは「現状は1つのボタンが押すと、他のボタンが押しても反応しない。お弁当ボタンが押されて、ヤクルトボタンが押されたら、反応がない」という指摘事項があります。今後の課題としてはプロトタイプから製品として完成させることを目指します。レビューで洗いだした問題点に対応、スピーカーラズパイを二台に増設、各ラズパイをWi-Fi通信に対応、Androidアプリをブラッシュアップしたいと話します。
開発を行ってみて良かった点としては、「Androidアプリの開発を経験できた」「一人でプロジェクトを進めるということを経験できた」という点として紹介。反省点としては「プロトタイプの作成に時間がかかりすぎている」「作業の優先順位がうまくできていない。受け身になって作業していることが多すぎる」という点を上げていました。
「メッセージ送信用のWebシステムを作って、ラズパイからの機能拡張をしてGoogle Cloud Messagingからプッシュ通知ができるシステムを作れたら面白いのかなと考えています」最後に今後の野望を語り、セッションを締めました。
終わりに
司会を務めたクラスメソッドの小室さんは「今後の勉強会もやっていきたい。発表してみたいという方がいましたら、関係者に声がければと思います。ぜひ第三回を開催したいと思います。本日はありがとうございました」と第三回の予告を行い、合同勉強会を締めました。合同勉強会で発表、参加したい会社の方は、関係各社の方に声を掛けてみてはいかがでしょうか。
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