2017年7月26日(水)の15時より、さっぽろテレビ塔の2Fホールで開催された「北海道IoTビジネス共創ラボ 設立キックオフ&第1回勉強会」に行ってきました!
本日のイベントの開催会場はなんと、さっぽろテレビ塔!!
ちょうど取材時期はテレビ塔ダイブのイベントが開催されていました。
さっぽろテレビ塔の2Fは下記の青い四角で囲んだところ。2Fはイベントスペースとして利用可能です。2Fに行きます。
北海道IoTビジネス共創ラボ、キックオフスタート!
イベント会場の2Fに上がると、すでに参加者がたくさんいます。この日の参加者は151名!注目度の高さを感じます!
北海道IoTビジネス共創ラボの趣旨説明
IoTビジネス共創ラボの幹事会社、東京エレクトロンデバイス株式会社 IoTカンパニー バイスプレジデントの福田良平さんからはIoTビジネス共創ラボの趣旨説明があります。
2016年2月9日にIoTビジネス共創ラボが発足。目的はIoTのエキスパートにより、プロジェクトを共同検証、ノウハウを共有して、IoTの導入促進を図っていくことです。
「IoT、IoTと言われていますが、IoTは課題、適応範囲が広い。一社でIoTを行うのは難しい」
IoTの導入課題はセキュリティや、そもそもIoTで何ができるのか、ということから始まり、適応範囲が広い。幅広いスキルや知識が必要となってきます。
例えば、東京エレクトロンデバイス株式会社はデバイス系は強いが、それ以外の知識がまだまだ弱いと話します。一方、大手SI屋はデバイスやセンサー関連が弱いようです。
「IoTは適応範囲が広いので、各社協力しあって補完していきましょうというのがIoTビジネス共創ラボの趣旨です」と説明。
現状、IoTビジネス共創ラボは13社で行っており、幹事が東京エレクトロンデバイス、事務局が日本マイクロソフト。それ以外にもSI屋や、コンサルティングファーム、分析に特化した会社が参加しています。
東京では設立当初は5つだったワーキンググループが、昨年はPepperワーキンググループ、今年の5月にドローンワーキンググループが立ち上がり、今、7つのワーキンググループで活動しています。
「地方のIoTビジネス競争ラボを立ち上げようという動きが加速する中で、6/1に福島、7/5に北海道のIoT共創ビジネスラボが立ち上がりました。今後は川崎、中部の立ち上がりを予定しています」
「登録メンバーは一般会員は392社、528名、Compassメンバー1772名、Faceboookは655名が参加しています。今は一般会員を広く募集していますので、ぜひご参加ください!」と一般会員募集し、お話を終えました。
北海道IoTビジネス共創ラボを通じたリアルビジネスの創造
続いては北海道IoTビジネス共創ラボの発起人であり、エコモット株式会社代表取締役の入澤拓也さんからの北海道IoTビジネス共創ラボでどのようにビジネスを作っていくか、というプレゼンです。
「北海道IoTビジネス共創ラボ幹事会社として、北海道でIoTを広めようとして、せっかくであれば、札幌の中心で行いたいと思いまして、このテレビ塔でやることにしました。札幌の中心でIoTを叫ぼうと書いたのですが、誰も突っ込んでくれませんでした(笑)」
続いて、エコモットの紹介から、北海道IoTビジネス共創ラボ設立のきっかけについて説明です。
「きっかけは2017年2月23日、東京のマイクロソフト本社で開催されたIoTビジネス共創ラボEXPOです。エコモットもブースを出したり、登壇させてもらいました。ものすごい賑わいで、さすがマイクロソフトさんだと思いました。懇親会のときに、北海道でも同じことやらせてくださいよ、という話をマイクロソフトさんにしました」
入澤さんは続けて「マイクロソフトさんという旗印の元で行いたい」と話し、北海道IoTビジネス共創ラボの設立には、3つの目的があると話します。
1つ目は民間主導で早く、リアルビジネスの創造に繋がること。
2つ目は地域の課題を解決できる組織体にしたいということ。札幌で起きている問題について、東京の会社が問題解決するのではなく、地域の会社でタッグを組んで解決する組織体を作りたい。
3つ目はIoTを通じたクラウドの普及。札幌の会社はオンプレの会社が多く、そのためまだまだクラウド化されていないところが多い。クラウドコンピューティングという世の中の潮流の中で、クラウドで早くビジネスを立ち上げる体制になってほしい。
「今回のコミッティメンバーは僕と会う度に”入澤さん、IoTで何かやろうよ“ということを言ってくださいました。社交辞令で言っていたと思うんですけど、だったら、社交辞令で終わらさないよ、と(笑)。ということで北海道IoTビジネス共創ラボコミッティメンバーに入っていただきました」
北海道IoTビジネス共創ラボの進め方として、北海道独自のワーキンググループを作ります。北海道に特化した地域性のあるキーワードのワーキンググループを立ち上げ、参画する企業を集めます。ワーキンググループの中で、ビジネスメイキングを行います。自治体が入ると、ビジネス性を排除されがちな傾向があるので、民間主導で行いたいことを強調していました。
ワーキンググループのアウトプットとして、勉強会における事例発表を考えています。「そのことで新しいムーブメントを起こしたい」と話しました。
立ち上げるワーキンググループは3つ。食、観光、防災です。
食のワーキンググループ
今想定しているのは、お惣菜のジャストインタイム方式。欠品している惣菜をすぐ補充して、機会ロスを防ぎたい。
揚げたてのものをIoTでジャストインタイムで持っていくことをウリにするスーパーを行っていきたい。食のワーキンググループは現在、エコモットとフュージョンで行い、道内のスーパーに利活用する事例を作っていきたいと考えているようです。
他にも北海道は食品製造会社が多く、食品の品質チェックの行程や、クリーンルームの空気の見える化をIoTで行うことを考えているそうです。
観光のワーキンググループ
観光のワーキンググループでは、観光場所のVRのストリーミングを行い、4Kの映像での配信を考えています。サーバーはAzureを使います。「雲海を観に行ったのに、雲海が観れなかったときの残念感、失望感があります」その時にせめて、「VRの4Kの映像で雲海を見せたい。見せるだけでも全然違う」と話します。
他にも、富良野に冬に来た方に対して、「春、夏に来たら、こんな素敵な景色が観れますよ」という景色を疑似体験させることを考えています。現在、WMエンタテインメントの方が北海道内を回り、今しか撮れない映像を撮影。
富良野にあるJEROPの運営する施設には多くの外国人観光客が来ますが、冬に来た観光客には「もう一回夏に来てほしい」。夏に来た観光客には「もう一回冬に来てほしい」と考えているようです。そのような要望を叶えるためのコンテンツを作るべく、撮影はWMエンタテインメント、ストリーミングで配信するのはキロル、配信を使用する会社としてはJEROP。そのような布陣として、観光のワーキンググループを進めています。
防災のワーキンググループ
防災のワーキンググループでは自治体との結びつきが強いHBAと一緒に、自治体のクラウドとして、HBAのプライベートクラウドにAzureを入れ、エコモットのクラウドロガーとセキュアに繋ぎ、実際に分析したいと考えているそうです。
Microsoft Inspire Japan 2017 Sapporoで発表
10月11日にニューオータニイン札幌でMicrosoft Inspire Japan 2017 Sapporoが開催されます。北海道IoTビジネス共創ラボとして、講演の枠が1枠あり、そのイベントでの成果発表が1つの目標だと話しました。
「ぜひワーキンググループ一緒にやりましょう。リソースをコミットしてくれる方、持ち込みの企画がある方、大歓迎です。Facebookページで書いていきますので、ぜひ注目していただければと思います」と締め、お話を終えました。
コミッティメンバー企業の自社紹介とWGについて
このセッションでは先ほど、入澤さんが紹介した北海道IoTビジネス共創ラボの各コミッティ(運営)企業が、自社の紹介と所属するワーキンググループについての説明を行いました。
- 株式会社HBA 経営管理本部 経営企画室 参与 渋谷功さん(左上)
- 株式会社HDC取締役 常務執行役員 管理統括本部長 船越利人さん(真ん中上)
- SCSK北海道株式会社 代表取締役社長 石丸清文さん(右上)
- 株式会社テクノフェイス 代表取締役 石田崇さん(左下)
- フュージョン株式会社専務取締役 安田真さん(真ん中下)
マイクロソフトIoTビジョン
日本マイクロソフト株式会社の菖蒲谷雄さんからは、今後、マイクロソフトがIoTに対して、どのようなビジョンを描いているのか、という内容をテーマにお話いただきました。
230兆円とも言われているIoTマーケット、IoTは進化を続け、最終的には意識しないでも繋がるユビキタスIoTになっていく。その中でマイクロソフトがどのようにパートナーをサポートしてくか。具体的にはAzureで行えること・・・などなど、マイクロソフト描くIoTの未来との関わりが伝わる濃い話が展開されました。
「ドローン+IoT+Azureで新たなビジネスチャンスを!」
本セッションでは前半、後半違う方がお話になります。
前半はドローンワークス株式会社代表取締役、今村博宣さんです。落ちても安全なドローンの開発と販売を行っているドローンワークス株式会社の今村さん。札幌ドームで行った日本ハムのオープン戦でもドローンを飛ばした実績があります。
日経BPによる予測では日本のドローン市場は2030年で965億円に達します。しかし、売上のほとんどはサービスで、ハードウェアはほとんどありません。「ドローンのビジネスは100%はサービスです。ものを売るのは愚の骨頂です。ありえません」と力強く断言。ではどのようなドローンサービスが盛んになるか、というお話となりました。
経済産業省が2017年に発行した「新産業構造ビジョン」を引用しながら、陸から空にわたる多様な輸送手段をシームレスにつなげる高度な物流サービスが必要だと話しました。
後半はウイングアーク1st株式会社の武市真拓さんです。「IoTデータには4つの課題があります」と話します。
1.データをどのように集めるか
2.データをどのように貯めるか
3.データをどのように意味づけするのか
4.データをどのように見える化するか
これらの課題の中で”見える化”を支援するサービスのMotionBoard Cloudを紹介します。
ウイングアーク1st株式会社、執行役員の島澤さんの家をMotionBoardのデモとして使用。ダッシュボードの画面を見せていただき、デモを行っていただきました。
共創がもたらすIoT活用の最前線~エコシステムによるビジネスの創り方~
ユニアデックス株式会社の山平哲也さんからはIoTを「インターネット・オブ・トイレ」として、トイレのIoT事例を元に、IoTに関わる現実的な問題と解決方法について紹介しました。
「IoTを行うには根回しが必要です。根回しに4ヶ月。システム作るのは1週間です」
自社で借りているビル一棟のトイレでIoTを行います。自社でビル一棟借りているとはいえ、トイレは共用部分。「借りてないところで勝手なことをするな」となるので、IoTには根回しが必要となります。会社で行うために、会社の誰を味方につけるか。
会社の人事は従業員が何をやっているかを掴みたいというニーズがあるので、まず人事を味方につけ、そこから経営企画に話を繋げたようです。
男性の場合、4〜9分の利用時間が全体の50%という結果になりました。この事例を元に「海の家」に実証実験を行います。仮説トイレを実際に海の家に実装し、データの集計を行いました。この実験は日経MJの記事にも取り上げられました。
業務改善できた点は「トイレの利用回数」。トイレの利用回数で清掃のタイミングで決めれば業務効率をあげられます。
防災分野シナリオにおける日本ユニシスのIoT取り組み
日本ユニシス株式会社の新井康治さんからは、災害、防災でIoTは何ができるか、という防災分野の取り組みを紹介。事例としては熊本県西原村での録画状態モニタリングを紹介。地震があったところにセンサーをつけて斜面のモニタリングしています。
防災分野でのIoTシナリオを紹介し、「センサーをモニタリングし、いち早く通知することによって、災害を予測したい」という最終目標をお話しました。
懇親会
IoT勉強会後は懇親会が行われました。懇親会には61名が参加。当初参加予定でない方が、急遽10名参加。勉強会を通して関心が高まっての参加という関心の高さを感じます。
参加した感想
「まずは集まりましょう」というキックオフイベントがあります。具体的にやることは決まっていませんが、まずは集まることによって、何かを生み出そうというキックオフイベントです。その後、何かが生み出されるかどうかはそのイベントの盛り上がりによります。本イベントは違いました。
北海道IoTビジネス共創ラボ設立キックオフは、参画メンバー、方針、やることが具体的に決まっており、「これからこの体制でIoTをやっていくぞ」という強い決意表明を私たちに披露してくれたキックオフイベントでした。まさに「キックオフ」という言葉の響きに相応しいキックオフイベントは、平日の日中に151名が集まるというかなり関心の高い中、その期待に応えるようなイベントだったと思います。
今回発表された「食」「観光」「防災」というワーキンググループ。世界的に事例も少ない中で、困難の連続かと思いますが、いつか北海道発のIoTサービスを生み出してくれると思います。北海道のIoTサービスの誕生と発展を強く予感させるイベントでした。
札幌市中央区大通西一丁目 さっぽろテレビ塔
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