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「小・中学校の同級生だった」登壇者未定で満席になったインフィニットループ×クラスメソッド×クリプトンの合同勉強会に行ってみた!

合同勉強会
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2015年12月2日(水)、わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)第2会議室で開催した株式会社インフィニットループ、クラスメソッド株式会社、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社の3社合同勉強会に取材&参加してきました。

合同勉強会の日、大通駅周辺ではイルミネーションの点灯が始まっていました。
大通駅のイルミネーション

インタビュアー・構成・撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2015年12月2日

【合同勉強会】インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトンとは?

【合同勉強会】インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン
【合同勉強会】インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン」とは株式会社インフィニットループクラスメソッド株式会社クリプトン・フューチャー・メディア株式会社という札幌にオフィスを構える3社の若手エンジニアが登壇する勉強会です。

クラスメソッド株式会社の小室啓(こむろひらく)さん

クラスメソッド株式会社の小室啓(こむろひらく)さん

今回、司会を務めたクラスメソッド株式会社の小室啓(こむろひらく)さんの話によると、「札幌にいる若手技術者の交流の場にしたい。技術の異種格闘技戦になるような勉強会となると思います。今回だけではなく、継続して開催していきたい」とのことでした。

(クラスメソッド株式会社の小室さんはキタゴエの会社訪問にも登場いただいています。こちらも合わせてご覧ください)

合同勉強会、開催のきっかけ・経緯とは?

各会社の名前を冠とし、会社間の垣根を越えて開催される合同勉強会。札幌ではビックネームでもあるクリプトン・フューチャー・メディア株式会社、クラスメソッド株式会社、株式会社インフィニットループの合同勉強会。どのようにして、この珍しい合同勉強会が実現したのでしょうか? この勉強会が始まった経緯とは何でしょうか?

今回、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、システムチーム統括リーダーの林禎康(はやしよしやす)さんに合同勉強会、開催の経緯を聞きました。

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、システムチームリーダーの林禎康(はやしよしやす)さん

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、システムチーム統括リーダーの林禎康(はやしよしやす)さん

ーー今回、この勉強会に至るまでにはどのような経緯、きっかけがあったのでしょうか?

: 実はクラスメソッドの佐々木大輔さんとは小・中学校の同級生だったのです。佐々木さんとは7年ぐらい前のOSC北海道 (オープンソースカンファレンス)で偶然、再会し、そこからたまに連絡を取るようになりました。最近になって、佐々木さんがクラスメソッドさんに入社後、クラスメソッドさんはAWSサポートや、リセラー割引が効くこともあり、インフラについての相談をする機会があり、実際、仕事を頼むことになったのです。

2人ともお酒を飲むのが好きで、最近仕事で関わったこともあって飲みに行ったんですね。飲みの席で「お互いの会社で勉強会をやりたいよね」という話になりました。最近の勉強会については会社名で開催すると、どうしてもプロダクトの話になりがちです。そうではなくて、「ガチの技術」についてメインとし、それも「若手」を前に出した勉強会がやりたいよね、という話になりました。実際には登壇者は「若手」?ってこともありましたが……(入社して間もない人が多かったが、前職で開発案件熟していたり、特任助教の方がいたり。。)

「それならばインフィニットループさんにも声を掛けるのがいいんじゃないのかな」という話にもなりました。インフィニットループさんは「地元の開発者がプログラムを書いて、スキルを磨き、人を楽しませることができる」という姿勢が良いと、常々思っていました。飲んだ次の日には佐々木さんから、インフィニットループ松井さんへのメッセージがあり、承諾いただき、その日にconpassでイベント案内が立ち上がっていました。

そのような経緯で、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社、クラスメソッド株式会社と、株式会社インフィニットループの3社で勉強会を行うこととなりました。

最初はクリプトン・フューチャー・メディアの会議室で行う予定でした。30名程度のキャパシティでしたが、それぐらいの規模だと思っていました。ただ、告知を開始すると、登壇者未定なのですが、すぐ満席になったんです。そこでミライストカフェで開催しようと思いましたが、それもすぐ満席。それより大きいインフィニットループさんの会議室で行おうと思いましたが、それもすぐ満席。

どうしようかと思っていたのですが、佐々木さんと相談し、札幌市民ホールがいいんじゃないと話になりました。札幌市民ホールは直接受付に行かないと予約できない仕組みだったので、その日のうちにクラスメソッドさんの社員さんが札幌市民ホールに行き、直接予約してくれたんです。そのスピーディーさにも感激しました。

今後も勉強会をはじめ、ハッカソン・アイディアソンの開催にも力を入れたいと考えています。例えば、地域オープンデータを活用したアプリケーション開発など。勉強会も良いですが、みんなで集まってアイディアを出しあい問題解決に向けて考える、そして実現するためにアプリケーションを開発する。札幌から新しいサービスやコンテンツを発信することを取組み、後には情報改革に向けて、みんなが参加できれば素敵ですね。

また、札幌は観光の街でもあります、国内外問わず旅行者に向けたサービス、ハッカソンを通じたIT教育の強化、データ整理(5スターオープンデータに向けた取組)など行いたいですね。クリエイティブな活動によって、また新しいビジネスモデルを形成できればと思います。

ーー林さん、ありがとうございました!林さんと佐々木さんが小・中学生の同級生だったことに驚きました。登壇者未定で満席というのもすごいと思いました。わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)第2会議室は70名の募集ですが、この70名も満席となっています。

定員70名がほぼ満員の合同勉強会会場

定員70名がほぼ満員の合同勉強会会場

続いては各登壇者のお話となります。

fabric導入 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 渡部陽太さん

fabric導入 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 渡部陽太さん
アプリのクラッシュレポートのお話です。渡部さんによると、通常、iOSアプリのクラッシュレポートはAppleから提供しているAppアナリティクスというアプリしかなく、クラッシュし、Appデベロッパとの共有ボタンを押したクラッシュしか(約30%ぐらい)しか報告されません。

そこで導入したのがTwitter社の提供しているfabric(ファブリック)です。fabricにはさまざまな機能があるのですが、その中のクラッシュレポート機能であるCrashlyticsの使い方、導入方法をお話いただきました。

「ポイントは全て無料と、導入が簡単だったということです」導入の簡単さを伝えていただきました。

この中に1人、素人がいる!~素人が現場に投入されるとやらかすこと~インフィニットループ 桶矢秀人さん

この中に1人、素人がいる!~素人が現場に投入されるとやらかすこと~インフィニットループ 桶矢秀人(おけやひでとさん)さん
「現場にはまさかのミスをする人がいます。そういう人に出会ったときのための心構えをしましょう」

桶矢さんは自身の失敗例を元にして、”まさかのミス”をするような人と一緒に仕事をするときにどういう心構えをしたほうが良いかというお話を自身の事例を元に話していただきました。

先輩からは「わからないことがあれば聞いてくださいね」と言われているが、そもそも質問ができない。しようとしている質問が「PCの電源のつけ方がわかりません」レベルの質問なのかと思い、こういう質問をしてもいいのかと恐ろしいと思ってします。

ここから考えられることは「あまり質問してこない人には質問する側が溜め込んでいる可能性がある」ということ。教える側の意識として、できるだけ手を差し伸べてあげよう、というお話がありました。

最後の「まとめ」で語っていただきましたが、現場にいる以上、「まさかのミス」をするような方とも一緒に仕事しなければいけないときがあります。そのような人にもきっと良いところがあるので、なんとか使ってあげてほしい、という温かいメッセージも込められていました。

その他にも6の事例が紹介されています。スライドが公開されていますので、ぜひスライドも合わせてご覧ください。

※参考記事 【スライド有り】技術の異種格闘技戦!インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン合同勉強会レポート #ilcmcr|株式会社インフィニットループ技術ブログ

AWS Lambdaで”ソンナコ”を実装してみた – クラスメソッド 横山文人さん

AWS Lambdaで”ソンナコ”を実装してみた - クラスメソッド 横山文人さん
サーモンが大好きな横山さんによる1クリックで毎日スナップショットを自動取得できるソンナコトモアロウカト(通称”ソンナコ”)をAWS Lambdaで実装した話です。

インスタンスを作成しなくてもよく、bashからPythonで書けるのがメリットのようです。終盤では10分置きにスナップショットを撮り、30分経ったスナップショットを消すデモを披露いただきました。

インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン合同勉強会で「AWS Lambdaで ”ソンナコ”を実装してみた」について発表しました #ilcmcr|クラスメソッドブログ

社会人1年目のAndroidアプリ開発 – クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 江良太郎さん

社会人1年目のAndroidアプリ開発 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 江良太郎さん
入社前の短い期間にドットインストールや書籍でプログラム開発を勉強した江良さん。プログラムの経験はありますが、スマートフォンのアプリ開発は未知の世界だったようです。

研修ではiOS、Androidにて電卓アプリを作り、Androidアプリの開発基礎として、Activityのライフサイクル、オブジェクト指向などを学びます。特にAndroidアプリ開発ではオブジェクト指向をしっかりと理解してなかったので、実践的なコードを書くことができず、困ったことが多かったようです。

江良さんは研修の2週間で、Androidのアプリを開発します。スマートフォンの傾きによって音量が変わるアプリです。音楽の再生、停止、端末の傾きによって左右のゲインを調整可能。端末の各センサーが取得する値(SensorManager、SensorEventListener)を数値化しました。

特に江良さんが強調されていたことは「共通化」と「コピペ厳禁」ということ。同じ処理を書いていないかを強く意識し、共通化できるところを共通化する。コードをググッてコピペすると、動くことは動きますが、冗長になったり、改良するべきところが出ます。自分で理解して書くことが重要という話をされていました。

職場で使用してるOSSの開発に参加してみた! – インフィニットループ 名古屋勇さん

職場で使用してるOSSの開発に参加してみた! - インフィニットループ 名古屋勇さん
名古屋さんがKnowledgeというオープンソースソフトウェア(OSS)のセルフホスト型の純国産情報共有サービスの開発に参加した話です。

以前は社内全体に情報を共有する文化が少なかったインフィニットループ。しかし、名古屋さんは全社で技術共有する文化を作りたいと思い、要望を満たすKnowledgeの導入を進めようと考えました。

ただ、試用してみたところ、あまりいい反応がありません。そこで「社内の改善要望を聞いて、自分でプルリクエストを送る」ということを始めます。

いくつかのプルリクエストがマージされ、その後、名古屋さんは「開発に参加させてください」と直接メールでKnowledgeの開発者の方に伝えます。

その後、インフィニットループ社内にもKnowledgeを全社導入。導入初日から情報の共有が進みます。導入して2ヶ月弱。記事数は800越え、社内勉強会のスライド、レポート置き場としても活用できているようです。

「OSSの開発に参加し、勇気と熱意があれば誰でも貢献できます。貢献するのってすごく良いこと。チャンスがあれば皆さんもぜひ貢献してみてください。ぜひKnowledgeをお使いください」

スライドが公開されていますので、ぜひスライドも合わせてご覧ください。

※参考記事 【スライド有り】技術の異種格闘技戦!インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン合同勉強会レポート #ilcmcr|株式会社インフィニットループ技術ブログ

TensorFlow で遊んでみよう! – クラスメソッド 平田圭さん

TensorFlow で遊んでみよう! - クラスメソッド 平田圭さん
クラスメソッド入社前は特任助教やSE、IT講師を行た異色の経歴を持っているデータ分析チームの平田さんからはTensorFlow(テンサーフロー)の紹介です。

TensorFlowとは機械学習ライブラリです。オープンソースであり、Googleが主導で開発。Python2.7、CUDA7.0に対応しています。

TensorFlowにおける計算処理、TensorやSessionについて、Chainerとの違い、TensorFlowのチュートリアルについて説明いただきました。

スライドが公開されていますので、詳しくはスライドをご確認ください。

※参考記事 インフィニットループ×クラスメソッド×クリプトン合同勉強会で「TensorFlowで遊んでみよう!」について発表しました #ilcmcr|クラスメソッドブログ

最後に(参加した個人的感想)

一般的な技術の発表会では、会社の中でも技術を代表する方や、社歴が長い方が発表するケースが多いと思います。そうなると、若手の技術者や、社歴の短い方が発表する機会は稀です。しかし、本当に困っているのは若手や社歴が短い方かもしれません。

大量採用によって、同じ職種の同期がいるケースでは社内の同期と悩みを共有したり、励ましあったりができますが、同じ職種の同期がいない場合はそのようなことが難しいと思います。札幌のIT会社では大量採用はあまりないので、同じ職種の同期がいない、というケースのほうが多いでしょう。悩みを共有できる人がいないと孤立してしまうこともあると思います。

その時は会社の垣根を越えて、若手が交流することで孤立感を和らげることができるはずです。今回は若手勉強会ということで、発表のハードルが下がり、通常の勉強会よりも等身大に近い内容での発表が多かったと思います。この内容によって、どのような若手がいるかというのがわかり、若手がどのようなことで困っているかというのもわかります。会社間を越えての技術者の交流に寄与する貴重なイベントになったように感じました。ぜひ次回の開催も期待しています!

参考サイト・記事

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