2019年7月18日、19日に札幌コンベンションセンターで開催された”デジタル革命の最前線を体感できる唯一の全国ツアーイベント”、「デジタルイノベーション2019 札幌」に行ってきました!
さまざまな出展やセミナーがあった中、本記事では7月19日16時より行われた特別企画、「筧美和子のAI学習塾~人工知能は我々の生活をどう変えるのか?!」の内容を一部紹介します。
取材 : 赤沼俊幸 取材日: 2019年7月19日(金)
200名を大きく超える参加者
「筧美和子のAI学習塾~人工知能は我々の生活をどう変えるのか?!」は当初、先着順100名までの参加枠でしたが、100名分はすぐ埋まり、会場枠を拡大。参加枠は200名に。当日は私が確認したところ、200名を大きく超える人数が参加していました。
イベント開始後、大拍手の中、筧美和子さん登場。「IT系のイベントに参加するのは初めてです。デジタル的なものに対しては疎いほうなので……」とデジタルに弱い筧美和子さんに対して、野村総合研究所の鈴木良介さんがAIに詳しい講師として、レクチャーするAI学習塾が始まりました。
身近なところにAI・人工知能はある
「身近なところに人工知能があります」鈴木さんが最初に紹介したのはAppleのアシスタントのSiri。「Siriは使ったことはありますか?」との質問に、iPhoneユーザーである筧美和子さんは「音楽を掛けてほしい時に、『◯◯の曲を掛けて』と言ったり、調べてほしい時に『◯◯って何?』と話しかけたり、検索でもSiriを使います」と答えます。「Siriは身近なところにある人工知能ですね」と鈴木さんは説明。
続いて紹介したのはiPhoneの写真フォルダ「iPhoneの写真機能で、自動で写真を分類されていることはありませんか?」と。鈴木さんが問いかけると、「家族や友達のフォルダができています。自動で作られていて不思議だな、という気持ちになります」と筧美和子さんは答えます。
iPhoneの写真フォルダは顔認識技術によって、自動で家族や友達を判別し、分類。これも人工知能。その他にも最近はよく見かけるようになったペーパーくんも人工知能。人工知能は手の届かないところにある印象ですが、実際はすでに私たちの身近に存在しています。
1杯700円のラーメン屋が開発費1兆円のAIを活用してる!?
ラーメン屋に行く頻度について聞かれると「月に何回かはラーメン屋に行きます」と意外にもラーメン屋に足を運ぶ筧美和子さん。続いての事例は汐留にあるラーメン屋。
汐留にある1杯700円のラーメン屋の券売機の横にロボットが設置されています。お客さんが来店すると、お客さんによってメッセージを変えます。例えば、筧美和子さんが来店すると、ロボットは「あ、筧美和子さん。今月3回目です。いつもこってりしたラーメン食べるので、今日は夏のさっぱりしたラーメンどうですか?」のようなことを聞きます。顔認識技術によって、筧美和子さんを見分けて、その人に合わせたメッセージを発します。
実はこの顔認識ロボット。かかった開発費は約1兆円。
「え!?1兆円!!一杯700円のラーメンを何杯売れば、1兆円を……」と驚き、困惑する筧美和子さん。
もちろん、ラーメン1杯700円の利益から、1兆円の開発費を捻出したわけではありません。今日の人工知能は、実にさまざまな人や組織が積み重なった技術。過去をさかのぼった総額の人工知能開発費、すべてをトータルして、約1兆円というわけです。今回紹介した顔認識ロボットは、過去の人工知能技術の結集。今は1杯700円のラーメンを売るために、1兆円以上かけて研究された人工知能を安く使える時代になりました。
猫用トイレの人工知能
「猫は好きですか?」と聞かれると、「猫は大好きで、猫を飼っています。名前はポンズといいます。鍋が好きで、ポン酢という響きが好きでつけました」と猫の多頭飼育をしている筧美和子さん。
次に紹介するのはtolettaという猫用IoTヘルスケアサービス。猫は犬と比べて、腎臓病にかかりやすいようですが、その徴候を猫の尿によって検知しようとするサービスです。tolettaは猫のトイレの回数や量を測ることが可能。トイレの回数自体を測ることはセンサーをつければ簡単そうですが、問題は猫の多頭飼育時。どの猫が何回トイレをしたか、どの猫のトレイか、どのようにわかるのでしょうか。
「筧さんは、飼っている猫を見分けることはできますか?」と質問には「もちろんですよ!」と力強く回答。ただ、自身の飼っている猫についての区別は一目瞭然ですが、他人が見分けるは難しい。
tolettaの類似サービスでは首輪にセンサーをつけ、首輪でどの猫かを判別するようですが、犬と違い、猫には首輪をつけないことが多いよう。そのため、tolettaでは顔認証でどの猫かを見分けます。
筧美和子さんは「猫に優しいトイレなんですね。トイレから体調がわかるので、どの子が体調悪いかわかるのがいいですよね」と感想を述べました。
Netflix ストレンジャー・シングスのサムネイルは自動生成
「筧さん、Netflixは観てますか?」との質問に対して、「ストレンジャー・シングスを観てます!」と答える筧美和子さん。
Netflixで配信中のストレンジャー・シングス。なんとサムネイルは人工知能で生成しています。人工知能は映像を観て、主役の画像をチェック。登場人物が瞬きをしていない画像をサムネイルとして提供しています。
筧美和子さんは「すごいセンスですね!」と驚きました。
Netfrixは人によって、サムネイルを変えます。例えばおすすめ映画に「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」が出たとして、ラブロマンスを多く観ている人に対してはラブロマンス調のサムネイルを表示。コメディを多く観ている人に対してはロビン・ウィリアムズが出ているサムネイルを表示します。
「確かに!見るたびにサムネイルが違うんですよね。……そういえば!」と何か思い出した筧美和子さん。「私が脇役で出演していた作品をNetfrixを観ようとした時に、私がメインのサムネイルに出てきたので、ラッキーと思ったんですよ!でも皆さんのNetfrixにメインサムネイルとして出たわけではなくて、私のNetfrixだから出てくれたんだなーと今になってわかりましたよ……(笑)」と自身の人工知能体験談を語りました。
このように人間のセンスを代行する人工知能。おすすめの方法も変え、人間が大変な作業を人工知能が代行してくれます。
実在しない顔を作る人工知能
続いて紹介した事例は外国人の顔の写真。
こちらはなんと実在しない人の顔。筧美和子さんは「え!?どういうことですか?」と困惑。
こちらの顔の写真は「人間の顔ってこういうものだよね?」というように人工知能が考えて生成したありもしない顔。なぜ実在しない人の顔を作る必要があるのでしょうか。
この顔写真は実在しない人なので、肖像権がないのが特徴。例えばWebサイトなどで人の顔の写真に使うことができます。人工知能は実在しない人なのに、実在するような正確さで顔の写真を作ります。気になった方は下記のページをご覧ください。自動で顔が生成されます。他の顔を見たい場合はリロードしてください。
https://thispersondoesnotexist.com/
猫バージョンもあります。
https://thiscatdoesnotexist.com/
最後に、感想を求められた筧美和子さんは「私があまりAIに詳しくなかったので、始まる前はドキドキしていました。ただ、始まってみると、わかりやすく楽しくお話しいただいて、日常にAIが馴染み、生活にAlがあることを実感しました。未来が明るくなるようなAIと関わり方をしたいと思いました」と語り、最後は拍手で「筧美和子のAI学習塾」が終了しました。
取材を終えて。おわりに
IT業界にいると、毎日のように目にするAI・人工知能ですが、一般の方はそうではないもの。それが筧美和子さんを媒介として、非ITの方が人工知能に対して、どういう考えを持っているかを知ることができました。イベント前半は易しい例でしたが、後半で語られたNetfrixやThis Person Does Not Existは初めて知り、こんなAIの活用があるのかと私自身も驚きました。
イベントでも述べられていましたが、すでに身近にたくさんの人工知能があり、生活には密接に結びついています。Netfrixのように人工知能だと気づかない例もたくさんあるでしょう。筧美和子さんが最後に話していたように、私たちの未来が明るくなるようなAIの関わりあいをしていきたいものです。
デジタルイノベーション2019 札幌については他記事も今後掲載予定。楽しみにお待ちください!
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