北大発ベンチャーがデジタルサイネージを管理するTechno Vision Controllerをリリース

カテゴリ:
北大発ベンチャーがデジタルサイネージを管理するTechno Vision Controllerをリリース

「札幌にはデジタルサイネージ系の製品を開発しているベンチャー企業がいる!」という話を聞き、Techno Vision Controller(テクノビジョン・コントローラー)を運営している株式会社テクノフェイスに行ってきました!

株式会社テクノフェイスがある敷島北一条ビル。味の時計台の隣のビルです

株式会社テクノフェイスがある敷島北一条ビル。味の時計台の隣のビルです

株式会社テクノフェイス
〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西3丁目3番地 敷島北一条ビル6階

北海道札幌市中央区北1条西3丁目3番地 敷島北一条ビル6階

取材・構成・撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2017年5月1日

テクノフェイスとは?

Techno Vision Controllerを運営している株式会社テクノフェイスとはどのような会社なのでしょうか。

株式会社テクノフェイスは2002年に設立された北海道大学発R&Dベンチャー企業です。北大発の技術者集団として、受託開発を中心に様々なシステムを開発。もともとの母体がAIやロボットの研究を行っていた研究室ということから、最近ではAI分野のシステム開発も手がけています。エコモット株式会社のサービス「ゆりもっと」のAIシステムはテクノフェイスが技術提供しています。

Techno Vision Controllerとは?

インタビューに応じてくださった株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(左)

インタビューに応じてくださった株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(写真右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(写真左)

今回、お話を聞くのは株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さんです。

Techno Vision Controllerとはデジタルサイネージに放映する映像を管理・制作できるソフトウェアです。主な利用用途としては、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングがあります。リリース日は2017年3月28日。

Techno Vision Controllerリリース

ーー今回、Techno Vision Controllerを製品化したきっかけについて教えてください。

石田 : テクスフェイスは売上割合が受託9割の会社です。もともとサイネージに関しても受託の引き合いから始まりました。ただ他の案件と違う点としては、弊社の技術者がかなりおもしろがったんですよね。そういうことから「会社のプロジェクト化して製品化しよう」ということとなり、Techno Vision Controllerとして、製品化しました。

この製品は作って終わりではなく、運用改善をテーマとしています。お客様の声を聞きながら、もっと良い製品にしようと思っています。

早速、Techno Vision ControllerのSinageController(サイネージコントローラ)のデモを見させていただきました!ビデオ編集ソフトを使った方であれば、慣れやすい操作方法だと思いました。

SinageController(サイネージコントローラ)デモ

画面左上の十字に区切った2×2がそのまま、実際の画面の2×2に反映されるようになります。

画面左上の十字に区切った2×2がそのまま、実際の画面の2×2に反映されるようになります。

今回は会議室にあるこちらのモニタに反映されます。まだ何も映していないので、画面は黒いままです。

今回は会議室にあるこちらのモニタに反映されます。まだ何も映していないので、画面は黒いままです。

画面左側にサンプル映像を読み込ませ、実行させます。

画面左下のタイムラインにサンプル映像を読み込ませ、実行させます。ドラッグアンドドロップで簡単に入れることが可能です。

4つのタイムラインに映像を入れると、、、

4つのタイムラインに映像を入れると、、、

4つの画面に映像が流れます

4つの画面に映像が流れます

4つの画面を一緒にする設定をすると、

4つの画面を一緒にする設定をすると、

4つの画面が1画面として全体に表示されます

4つの画面が1画面として全体に表示されます

設定によっては以下のような画面表示も可能です。

右のソフトで表示領域を設定。左のモニタに反映

右のソフトで表示領域を設定。左のモニタに反映

静止画を入れることも可能です。以下は下に映っているのが説明用の静止画。上が動画となります。

写真ではわかりにくいのですが、上部分は動画で動き、下は静止画です

写真ではわかりにくいのですが、上部分は動画で動き、下は静止画です

スケジュール設定も可能。設定後は自動で放映できます

作ったタイムラインを放映するスケジュール設定も可能。設定後は自動で放映もできます

今年冬に開催された2017冬季アジア札幌大会でも導入。レセプション会場としても使用された、報道陣が使うプレスセンターで放映されています。

2017冬季アジア札幌大会のプレスセンターの会場。モニタの近くに人が立っているので、巨大モニターということがわかります

2017冬季アジア札幌大会のプレスセンターの会場。モニタの近くに人が立っているので、巨大モニターということがわかります

ーー2017冬季アジア札幌大会の例では、とても大きいモニターに放映しています。出力するモニターのサイズは自由でしょうか?

小林 : モニターはどういうサイズでも可能です。

ーー映像は書き出しする必要があるのでしょうか?

小林 : 書き出しする必要はありません。ソフトから直接、放映が可能です。すぐ差し替えることができるのがTechno Vision Controllerのウリです。

今回の2017冬季アジア札幌大会の時は、前日のハイライトの映像を朝にもらい、当日差し替えるということを毎日やっていました。作業としても15分で差し替えられます。毎日ハイライトが変わる映像に関して、書き出し形式では大変ですよね。

通常の場合、運用の中に「レンダリングする時間」が必要で、ビデオ編集ソフトのように何時間もかけてレンダリングして、一日分の動画ファイルをUSBに入れて、サイネージの端末にインストールする、というのが通常の運用です。

Techno Vision Controllerの場合は、配置した動画の情報とスケジュールを再生サーバーに送り込むので、レンダリングしないで入れ込むことができます。圧倒的に運用の時間、運用の委託コストを減らすことができます。

サイネージだけではなく、店舗内装飾としてプロジェクションマッピングも可能です。

JIS SAPPOROでのプロジェクションマッピング

JIS SAPPOROでのプロジェクションマッピング

小林 : JIS SAPPOROでは雲をイメージしたプロジェクションマッピング映像を店内の天井部にプロジェクタ20台を用いて投影しています。プロジェクタが20台でもパソコンは1台で可能です。

今回デモでお見せしたソフトはTechno Vision ControllerのSinageController(サイネージコントローラ)というソリューションです。

他にもテロップを管理するTelopController(テロップコントローラ)、複数拠点の放映設備を一元管理するPointView(ポイントビュー)、複数画面をDVDのリモコン感覚で操作できるSyncView(シンクビュー)があります。

それぞれソフトが違い、お客様の要望に応じて、これらのソフトを組み合わせて、ソリューションとして提供しています。

株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(写真右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(写真左)

笑顔で説明してくださる株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(写真右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(写真左)

ーーTechno Vision Controllerは他社のサイネージソフトと比べてどのような強みがありますか?

石田 : IT専属じゃない方でも、直感的にわかる操作性が強みです。

例えば、従来のサイネージソフトでは、動画を作成する場合、「すでにあるテンプレートに、はめていく」という方法か、自由度があるにしても、「(0.0)と(100.100)を第一領域として〜」というように操作が難しいようです。一部のソフトでは「動画を複数同時に出す」というだけでもけっこう苦労するようです。

説明するときは今回のデモのように、操作を見てもらっているのですが、10分ぐらい説明を見てもらうと、「あとはやってみる」と言って、実際の運用ができてしまいます。特殊な操作は必要ありません。運用で辟易していた事業者が「お、これは」と思うようになったようです。サイネージの操作性のハードルを下げたということで、すでにサイネージを行っていて、「運用に苦労してる」というところからの問い合わせが多かったですね。

他社と比べて、表現できるものは一緒だけど、表現力と汎用性と操作性が優っていると思います。既存の設備にも適用できますし、運用コストを抑えた上で導入できます。

通常のサイネージソフトは操作が難しいので、運用業者に委託するケースが多いようですが、Techno Vision Controllerは自社のメンバーが運用できる操作性ですので、運用を委託することなく、委託コストを下げることができます。

他にもカスタマイズに強みがあります。全て社内のフルスクラッチで作っていますので、他にお客様から「こんなことはできないか?」というニーズがあれば、社内のリソースでカスタマイズして、新しい機能を入れることも可能です。

技術者が相当こだわって作っています。大量に動画を流したとしても、ほとんどCPU負荷がないんですよね。ほとんどグラフィックボードで処理します。複数の動画も遅延なく出します。表現力のところでも強みがあります。

ーーリリース後の反響はいかがでしょうか?

石田 : 反響はたくさんありました。特に大きいところでは、メガネ屋、病院などの公共施設、鉄道系の広告代理店からの問い合わせがありました。

ーー引き合いは全国からありますか?

問い合わせがある大きな案件は東京なのですが、私たちが北海道にいるのもあり、実際動いている案件は北海道が多いですね。サイネージはどうしても不動産が絡むので、地場を中心にするのもいいんじゃないかと思っているんですよね。パートナーが東京にいるので、東京での営業活動はパートナーにお願いし、私たちは技術検証と見積もりだけをやっている状態です。パートナーを東京に増やしていければいいのですが、地域性をもって実績固めしていくのは最初は良いかなと思っています。

なぜか北海道にだけ使い勝手が良いソフトが普及しているらしい、というのもいいかなと思っています(笑)

もちろん、同時多発的に世界で売れてくれるのが良いのですが、サイネージはリアルな空間との関係が強い製品なので、地場に根ざしていくことを今は第一に考えています。

笑顔で説明してくださる株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(写真右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(写真左)

笑顔で説明してくださる株式会社テクノフェイス代表取締役の石田崇さん(写真右)、ソリューションテクノロジ事業部事業部長代理の小林隆行さん(写真左)

ーー導入や利用の費用はどれくらいかかるのでしょうか?

石田 : 通常のサイネージに関しては機材のリースとソフトがセットになっているので、単純に比較できませんが、弊社は市価の半額ぐらいで提供できます。あくまでお客様の利用したいケースによって異なるのですが、およそ月々1万円程度〜となっています。

ーー今後の目標について教えてください。

石田 : Techno Vision Controllerの数字としては今年度、売上を4倍とする5,000万円を目指しています。

製品の機能としては、例えば、顔認識と連動して表現するものを変えてあげる、というような機能を考えています。弊社はAI・人工知能のノウハウもありますので、それを活かしていきたいですね。

株式会社テクノフェイスの石田崇さん、小林隆行さん、ありがとうございました!

この記事をシェアする

私が書きました!

ビットスター株式会社の中の人です。

最近の投稿

ジョブボード

  • 社名
  • 募集職種
  • 内容
  • 給与・待遇
  • 詳細
  • 掲載終了日

ジョブボードに掲載したい企業募集中!詳しくはこちらより

pagetop