道東支部のこちゆうです。今回は2019年10月12日に釧路で行われた「第7回 U-16プログラミングコンテスト」の様子についてお伝えします。
開催場所は釧路でおなじみ「まなぼっと幣舞」
今回の開催場所となったのは、釧路を一望できる高台にそびえる「釧路市生涯学習センター(まなぼっと幣舞)」です。
釧路市生涯学習センター(まなぼっと幣舞)
住所:〒085-0836 北海道釧路市幣舞(ぬさまい)町4番28号
U-16プログラミングコンテストとは?
「U-16プログラミングコンテスト」は、対戦型ゲームプラットフォーム「CHaser(チェイサー)」によって勝敗を決する大会です。
今回は2グループに分かれた総当り戦が行われ、上位2名ずつが決勝へ出場できます。そのうち3位までが、11月3日に旭川で行われた北海道大会に出場できる権利を得られるというものです。
2011年に旭川で一回目が始まって以降、道内だけでなく全国各地で開催されています。その中で、釧路は旭川に次いで2番目に歴史のある大会です。
開催日当日、10時から行われた事前講習会では、高専生などが用意したプログラミングの最終確認を行っていました。
「CHaser(チェイサー)」の勝敗ルール
「CHaser」はHotとCoolに分かれたプレイヤーが、15×17のフィールド上を駆け巡るゲームです。プレイヤーは事前にプログラミングされた内容に基づいて、周囲の8マスを見て、1ターン毎に「動く」「周囲を見る(サーチ)」「壁を置く(put)」のいずれかの動きを行うことができます。
試合はHotとCool共に1回動くと1ターン消費し、65ターンで終了。フィールドは毎回ランダムに変更となりますが、アイテムとなるダイヤモンドと壁は常に設置されており、以下によって勝敗が決します。
- ダイヤモンドを多く取得する
- 相手を壁に埋める
- 相手が自ら壁に埋まる
- 相手の四方を壁で囲む
- 通信エラーやバグなど試合が続行できない原因を作る
上記で勝敗が決まらない場合は引き分けとなります。
こうして先攻・後攻を入れ替えて1対戦最大3試合ずつ行います。先に2勝すれば勝利となりますが、引き分けの場合は以下の順に評価され、勝者が決まります。
- 壁を置いて相手を埋めて勝った(put勝ち)回数が多い方
- 2試合で取得したダイヤモンドの総数が多い方
それでも決まらない場合はサドンデスによって勝敗を決します。
参加者は本戦までにプログラムを用意しているため、当日は実行ボタンを押し、その様子を見守る形に。
果たして今回はどのような戦いが繰り広げられるのでしょうか。
釧路最多参加人数で本戦開始!
7回目となる今回の釧路大会には、釧路高専の学生を中心に、中学生を含む計11名が参加。これは釧路大会では最多となる参加人数とのこと!
この日は還暦を迎えて釧路工業高等専門学校に入学した、現役1年生の高木さんが実況を、釧路高専プログラム研究会の上級生が解説を担当。
開催にあたり、実行委員長の斉藤 和芳氏から挨拶があり、U-16プログラミングコンテストが全国的な盛り上がりを見せていること、また道内では、今年函館でも初開催が決定したことなどが報告されました。
斉藤「釧路は和気あいあいとした雰囲気が特徴で、それがいいところのひとつだと思っています。今日は作ってきたプログラムが精一杯戦うことを祈りながら応援していただければ」
受賞者には図書カードを始め、さまざまな景品が用意されていました。いずれもITジュニア育成交流協会からの提供だそうです。
白熱の決勝の様子をご紹介
今回は予選から白熱した対戦が展開されました。
相手に罠を仕掛けるなど、高度なプログラミングで試合を翻弄するプログラムもあれば、フィールドの端まで届くような長いサーチでコミカルな動きを続けるものなど、その動きはまさに三者三様です。中には相手と対峙したのにゲームを切断して自ら負けを選んでしまうものもありました。
しかし、必ずしも優秀なプログラムが勝つわけではないというのが、この大会の面白いポイント。プログラムはしっかり動いているのに、フィールドの状況次第でアイテムがうまく取れずに負けてしまうものもありました。
運が勝敗を分けた3位決定戦
実際に3位決定戦の第1試合では、ダイヤモンドがまばらに散らばったフィールドで、Coolが左下、Hotが右上のアイテムを順調に獲得。両者均衡を保ち続け、ようやく近づいたと思ったら、なんとここでゲームが終了。
原因がCool側にあるということで、Hotの勝利となりました。
解説によると、おそらくお互い壁を挟んで、斜めに対峙した場合の指示がなかったためシステムエラーが起き、Cool側が接続を切断してしまったのではないかとのこと。比較的予測が難しい状況に陥った場合は、今回のようにエラーが勝敗を決することもあります。
第二試合では、Coolがアイテムの左右と前方にブロックを置き、罠を仕掛けるという展開に。
CHaserではアイテムを取ると、直前まで自分がいたマスに、自動的にブロックが置かれます。
そのため、このアイテムを取ってしまうと、四方を壁に囲まれ負けてしまうというわけです。
ここでアイテムをサーチしたHotが登場。アイテムを取ろうとしましたが壁に囲まれることを検知して離れようとしました。そこに、運悪く壁際にいたCoolがやってきて、Hotがput負けするという結果になりました。
結果、より価値の高い勝ち方をしたCoolが決勝進出。CHaserはプログラミングの優秀者だけではなく、運も大切だということがよく分かる対戦でした。
いよいよ決勝!その様子を動画でご紹介
もう一試合も白熱した試合が続き、いよいよ決勝戦に。その様子は動画でご紹介します。
結果はHotのput勝ちに。試合途中、周りのアイテムを取りきってしまった両者。どちらが先にアイテムのある部分にたどり着けるかという状況で、Hotが先にその場所へ移動し、アイテムの数を稼ぎながらput勝ちするという結果に。
「アイテムの獲得」と「put勝ち」というアドバンテージを得たHotが、第2試合も勝利。結果、釧路高等専門学校の佐々木さんが今大会を制しました。
取材を終えて
約3時間に渡る大会で印象的だったのは、参加者の楽しそうな表情でした。
解説を務めた釧路高等専門学校の上級生の中には、この大会をきっかけにプログラミングの楽しさを知り、現在の進路を決めた方もいらっしゃるそうです。
プログラミング教育に注目が集まる昨今ですが、楽しく学べる場所の提供が、将来ワクワクするような仕組みを開発する人材が育っていくのではないかと、改めて感じる会でした。
U-16プログラミングコンテスト釧路大会は来年も開催予定とのこと。気になる方は、個人も企業の方もぜひ参加・見学してみてはいかがでしょうか。
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