道東支部のこちゆうです。最近「インバウンド需要」という言葉をよく耳にしますが、道東でも中国人を始めとした訪日外国人を見かけることが多くなりました。
彼らがあまりキャッシュ(現金)を使わないというのはよく知られた話ですが、実は国や地域によって、よく利用する支払いツールが違うというのはご存知でしたか?
今回参加した株式会社サンエス・マネジメント・システムスの「電子決済かんたん導入セミナー」では、ただ電子決済ツールの導入を促すのではなく、キャッシュレスツールの現状の動向を押さえた中で、何を導入すべきかについて詳しく教えてくれました。
釧路に拠点のない方にとっても気になる情報満載のセミナーの概要をご紹介します。
取材・撮影 : こちゆう 取材日 : 2018年1月29日海外の需要増!キャッシュレス決済
今回の開催場所は、釧路市の高台にある釧路市生涯学習センター。当日はサービス業を行っていらっしゃる方以外に行政の方の姿も多数みられました。
釧路市生涯学習センター(まなぼっと幣舞)
北海道釧路市幣舞町4−28
会場にはさまざまな電子決済資料や決済用端末が。参加者の方々も気になっている様子でした。
この日講師を務められたのは、ANA Digital Gate株式会社の平川 晃彦氏。ANA Digital Gateはマルチ決済サービス「mPOS(エムポス)」などを提供している決済ソリューション事業会社です。
まずは各国のキャッシュレス決済比率事情についてグラフで説明がありました。お隣の韓国は、なんと9割に迫る勢いでキャッシュレス決済が利用されているようです。
日本の比率はわずか18.4%。今後増加すると見込まれる訪日観光客に対応するため、国としても増税時のキャッシュレス決済還元などの対策を検討しています。
キャッシュレス決済というと、クレジットカードやQRコード決済などが思い浮かびますが、他にもさまざま種類があることをご存知でしょうか?
国内外問わず圧倒的に流通金額が多いのはクレジットカードです。その中でもあまり知られていないのが、コンタクトレス決済という方法。なんとクレジットカードを専用機器にかざすだけで決済ができるというもので、欧米などでは少しずつ普及しているようです。
日本ではクレジットカードの更新に合わせて、コンタクトレス決済できるものが出回ってきているとのこと。皆さんのカードにも知らぬ間にコンタクトレスマークが付いているかもしれません。
その他には大きく電子マネーとコード決済があり、中国では後者がよく利用されています。中国ではお店の入り口に大きくQRコードが掲げられていて、会計の際に読み込んで支払う形式にしている屋台もあるとのこと。
そんな中国でよく利用されているのが、AlipayとWeChat Payです。ふたつでコード決済シェアの90%以上を占めていることから、これらの決済システムを導入することが、中国人観光客の決済需要に対応する近道といえそうです。
また両方とも1ヶ月から2ヶ月に1回のペースで大型のキャッシュバックキャンペーンを開催しています。どちらもAlipayまたはWeChat Pay側が費用を負担してくれるとのこと。利用者もこの機会に合わせて買い物をしているそうなので、キャンペーンに合わせて販促を行うのが良いとのことでした。
ちなみに欧米では依然、クレジットカード利用者のほうが多い状況です。平川氏いわく、これは国の通信インフラの整備状況が関係しているのではとのこと。決済に通信インフラや実機が必要なクレジットカード決済に比べて、コード決済はスマートフォンひとつあれば導入できます。
実際に通信インフラが整備されていない中国やインドではコード決済が主流になっているとのこと。決済システムの主流は今後も、国によってばらつきが出るのではということでした。
国内はQRコード決済がアツい
続いて国内系のコード決済についてお話がありました。国内ではクレジットカードや電子マネー決済が強いものの、近年はQRコード決済が躍進。その伸び率は電子マネーユーザーを上回っており、2021年の利用者は同水準になると見込まれています。
平川氏いわく、全体の売上が伸びるというよりも、今まで現金で支払っていた人たちがQRコード決済を始めとしたキャッシュレスに移行するのではないかとのこと。今後こうした決済に対応しないと、国内でも顧客の取りこぼしが発生するかもしれません。
とはいえ、すべての決済に対応するシステムをひとつずつ導入するのは難しいものです。ここではクレジットカードだけでなく、AlipayやWeChat Payにも対応するマルチ決済サービス「mPOS」の紹介と実機を使ったデモが行われました。
これらの画面は国内QRコード決済にもよく似ているので、使ったことのある方は分かりやすいかもしれません。
今回は専用端末を使用しましたが、スマートフォンやタブレット端末でも対応可能とのこと。手元にある機器で対応できるのはうれしいですね。
取材を終えて
セミナー終了後は講師に質問する方のほか、実際に専用端末に触れながら説明を聞く人の姿も見られました。
平成29年度に釧路を訪れた訪日外国人宿泊客は前年度より3万人多い15万7,000人弱。国内観光客の需要増も見込まれる中で、こうしたキャッシュレス決済に対応することは今後必須になってくるのかもしれません。
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