【前編】STARTUP CITY SAPPORO MEETUP #1 CEO Cross Talk “起業のREAL”

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【前編】STARTUP CITY SAPPORO MEETUP #1 CEO Cross Talk “起業のREAL”

2019年11月5日(火)に、「STARTUP CITY SAPPORO MEETUP #1 CEO Cross Talk “起業のREAL”」が道新プラザDO-BOXにて開催されました。

こちらは札幌市のスタートアップの育成・支援を通じて次世代のまちづくりを目指すプロジェクト「STARTUP CITY SAPPORO」の一環で、今回は既に起業をされたお二人のゲスト((株)ファームノート CEO 小林氏、(株)Fant  CEO 高野氏)に「起業のREAL」について語っていただきました。

START CITY SAPPORO満員

当日は起業をされている方や起業を検討している方をはじめ、創業を支援したい企業の方なども集まり、会場はほぼ満員でした。

キレイゴトだけでは語れない、泥臭く生々しい、まさに「リアル」なトークセッションの内容をお送りします!

インタビュアー・取材・撮影・構成:高橋アメリ 取材日: 2019年11月5日(火)

 

STARTUP CITY SAPPOROについては、こちらの記事もご覧ください!

「北海道の資産を活かし、世界に挑戦するスタートアップ」が登場したOpen Network Lab HOKKAIDO 2nd Batch Demo Day+STARTUP CITY SAPPOROに行ってきた

ゲストスピーカー紹介

(株)Fant CEO高野氏

(株)Fant  高野さん

地域を越えてハンター同士がつながり、鳥獣被害、ジビエの活用などの課題解決にもつながるプラットフォーム「Fant」を開発した、(株)Fant CEO高野氏。

(株)Fant 事業内容

先日キタゴエでも取材した「Open Network Lab HOKKAIDO 2nd batch Demo Day」で見事AudienceAwardを受賞しています。

ハンターのイメージを覆し、新しい狩猟文化を実現していきたい、とのことでした。

 

(株)ファームノート CEO 小林氏

(株)ファームノート 小林氏

2003年にシステム開発会社「スカイアーク」を立ち上げ、企業のシステムを開発。2013年に酪農家から「酪農の管理システム」構築の問い合わせがあり、 (株)ファームノートの起業に至りました。

Farmnoteは、牛の頭数、食事や就寝時間、病気や治療、種付けの履歴など、手書きだった情報をアプリで一括管理できるシステムです。現在日本には農家は7万軒ありますが、そのうち4,000軒ほどが導入。

2016年からは、加速度センサーを内蔵した牛専用のウエアラブルデバイス「ファームノートカラー(Farmnote Color)」を提供。こちらは、測定した牛の動きから発情行動や病気の疑いをアプリに通知してくれるものです。台数は正式ではないですが年数万台は出荷している状況、とのこと。

社員数はグループ会社含めて100名ほど。15年ずっと社長をされています。「僕は今39歳ですが、24歳で会社を作って……まさにスタートアップでしたね」とおっしゃっていました。

 

トークセッション 起業の「REAL」とは

START CITY SAPPORO 起業のREAL

※以下、青字はファシリテーターの方のセリフ、小林氏と高野氏については敬称略

――起業ってとてもハードルが高いと思いますが、なぜ起業に至ったんですか?

(小林)世の中への反逆。アンチテーゼ。俺の方がすごい!……そんなもんだと思いますよ、世の中起業する人って。

それを綺麗な言葉「社会のため」っていっているようなもんです。「人のため」「この事業があればどれだけ世の中は変わるんだ」って。

裏側は、人生に対する不安だと思いますよ。何かっていうと、「自分が小さい」っていうことを証明したくないってこと。

僕は会社作る前、札幌で3年間サラリーマンしてたわけですよ。そこでいろんなチャレンジをするんですが、何個か形になって。けど、「余計なことするな」って支店長に言われました。「ふざけんじゃねぇ」と思って辞めたんですよね。俺個人でもできるって思ったから。くだらないでしょ? そんなもんですよ。

 

――私も会社という組織が向いていないと思ってフリーになったので勇気づけられますね。

(小林)同じ同じ! 自由が欲しい! みたいなね。だから志なんてなかったです。

今は、お金が志に集まる時代になったし、「志を語れ」って教えられているから、志から語るんですけど、当時はそんなこと誰も教えてくれなかった。

金の集め方もわからない、事業の進め方もわからない。手探りで全部やらなければいけない状態でしたね。

会社辞めるなんてキチガイだって言われましたね……特に帯広だったんで。「あいつは気が狂ってる」なんてたくさんの人に言われました。東京だとサイバーエージェントとかライブドアとかあったんで、まだベンチャー企業に対しての理解あった。けど北海道なんて終わってましたね。

きっかけは「自分でもできる」っていう過信ですね。

 

――沸々とした思いからっていうことですね。

そうですね。僕が今のスタートアップの人にうらやましいなって思うことは、起業を手段として見れるようになっているということですね。

社会に対する葛藤だとか、今より表現したいみたいな自己顕示欲もあると思うんですけど、ワクワク感から事業を選択できる人たちが増えていると思いますよね。

自己表現の場として起業を選択できることがうらやましいと思いますし、僕自身もそういう人たちを応援したいと思います。

 

(株)Fant 高野氏

――高野さんは上士幌町の地域おこし協力隊の経歴を経て、起業されていますよね。

(高野)私は生まれが十勝で。大学から東京に行っていたら、東京が嫌になっちゃって。北海道帰りたいなって思っていた時に、たまたまジビエのレストランでシカ肉を食べて美味しかったので、「自分もハンターになって北海道帰ろう」と思って、勉強してハンターの免許を取りました。

たまたま募集があった上士幌町の地域おこし協力隊に入り、仕事をしながらハンターとしての修行を続けていました。

修行を始めてみたら、狩猟の世界ってすごくアナログな世界で。おじいちゃんが多いから当たり前ですが、女性も全然いないし、「自分がハンターだ」っていうと良くも悪くもすごく目立ったりとか、怖がられたり引かれたりすることもあって。

もっと自分や周りのハンターの環境が良くなればいいのになって、ずっと思っていたのがきっかけで、起業するに至りました

 

――現状を打破するための一つの手段だったんですね。会社を興すまでにどのような準備をされましたか。

(高野)私は今年の7月に起業したんですけど、まず十勝でやっていた「十勝イノベーションプログラム」に参加しました。起業したい人たちが事業の発表をするという場で、私も狩猟のプログラムを発表したところ、たまたまOpen Network Lab HOKKAIDOの方に声をかけてもらって。そのオファーを受けるには株式会社を作る必要があって……その流れですね。

(小林)私は2004年の3月31日に勤めていた会社を辞めて、同じ年の9月17日に会社を作りました。会社設立は急いではいなかったんですが、司法書士が必要ということはわかっていたので、探すことから始めました。ネットで見てたら、良さそうな人がいたので、そのままトントンと進んでいきました。

途中、親に話したら「ろくでなし息子!」と泣かれました。

 

 ――泣かれるほどだったんですね。

そう。 当時、起業はキチガイだったんですよ。なので、帯広で会社を作ることにしました。

僕一人で作ったので、すぐ地元の新聞に掲載されて。会社作って3日で従業員4人の会社になりました。


今回は、お二人が起業に至るまでについてをお送りしました。

次回は、仲間づくりについてや起業家として大切なマインドについてのセッションをお送りします!

 

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私が書きました!

合同会社EVOLbyAmeri代表。こちらではコワーキングスペースの取材やITイベントを担当。他の媒体では観光系や女性向けライフスタイルなどで執筆しています。

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