札幌のIT業界にとって、驚きのニュースが飛び込んできました。ビットスター株式会社は2017年9月15日、さくらインターネット株式会社に発行済み普通株式の42%を譲渡。連結子会社となることを発表。さくらインターネットのグループ入りを発表しました。
本ニュースはビットスターの全体会議中に発表。本記事ではその模様と、発表直後のインタビューをお届けします。両社のプレスリリースは以下のようになっています。
- ビットスター株式会社のプレスリリース – ビットスター株式会社の株主変更について
- さくらインターネット株式会社のプレスリリース – さくらインターネット、ビットスター株式会社を子会社化~北海道地域の事業展開を強化し、両社の技術でさらに高品質なサービス提供へ~
- (IR資料)ビットスター株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
取材・撮影・インタビュアー : 赤沼俊幸 撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2017年9月15日
ビットスター株式会社とは?
ビットスター株式会社(以下、ビットスター)は、MSP(※)・Web制作・システム開発などを行う札幌本社の会社です。キタゴエの運営企業でもあります。8月にはオフィスを移転。さらなる拡大を目指しています。
※マネージド・サービス・プロバイダの略で、運用管理を代行する事業者のこと
【全部屋初公開!】8月移転の新オフィス!ビットスター株式会社に行ってみた!
ビットスターの記事は下記のリンクよりご覧いただけます。お時間がある方はぜひ社長インタビューをご覧ください。
さくらインターネット株式会社とは?
さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)はレンタルサーバ、VPS、クラウドなどのサーバーサービスを提供する大阪本社の会社です。
Webサイト運営者はレンタルサーバなどのさくらインターネットのサービスに一度は触れたことがあるでしょう。2011年には石狩市にデータセンターを建設。度々開催される「さくら石狩DC見学ツアー」は定員を大幅に越える申し込みがある大人気イベントです。
キタゴエでも、さくらインターネットが参加するイベントを取材。ぜひ、さくらインターネットタグより記事をご覧ください。
衝撃の発表は全体会議中に
衝撃の発表はビットスターの全体会議の最中に行われました。
9月15日、この日はオフィス移転後、初めての全社員参加の全体会議でした。「4Qに向けて」というタイトルで3Qの売上や利益状況を発表。「次のビットスターのために」という項目では引越し、理念の再制定、そしてリブランドについての説明もありました。
16時半頃から行われた全体会議、17時に驚きの発表がありました。
「本日、先ほど決議された内容を皆さんに知らせます。次の10年、ビットスターをもっと成長させるためには、違う資本を入れるべきだとマネジメントチームで相談してきました。そしてビットスターの株主を変更することに決まりました」
「今回、さくらインターネットに資本を入れていただくことになりました。内田さんと、オーバルマネジメントさんには今まで10年、大変お世話になったのですが、ビットスターの次の10年、ステージを一歩上げるためにも、さくらインターネットに株を売っていただきました」
「ビットスターはさくらインターネットグループに所属します。先ほど東京証券取引所に一部の上場会計基準に従って告示されています。今、インターネットのニュースになっているはずです」
【プレスリリース】さくらインターネット、ビットスター株式会社を子会社化~北海道地域の事業展開を強化し、両社の技術でさらに高品質なサービス提供へ~ https://t.co/GoefGtoNrW
— さくらインターネット広報 (@sakura_pr) 2017年9月15日
本発表、社員のほとんどは知りません。知っていたのはマネジメントチームのみという驚きの発表となりました。前田さんからは上場企業のルールに関係するため、相談ができなかったことを社員に対して陳謝。あわせて、ビットスターは今後も変わらないことを述べます。
「現体制について大幅な変更は全くございません。前田、若狹は引き続き、投げ続けます。投げ続けることをお約束することを両社の中で交わしています。皆さんの働き方、待遇変更はまったくございません。ビットスターは今後も継続して、やり方もかわりません。あくまで株主が増えるというだけです。
今後、ビットスターとさくらインターネットは兄弟のような関係になります。今後も一緒にプロジェクトを回すことがありますが、今までどおり、さくらインターネットと仕事をしてください」
そしてなんと、会場にさくらインターネットの代表取締役社長兼最高経営責任者の田中邦裕さんが登場。
田中さんより、改めて自己紹介とさくらインターネットの歴史の説明、今回、ビットスターをさくらインターネットグループに招き入れた理由などをお話しました。
さくらインターネット田中社長、ビットスター前田社長への発表後、最速インタビュー
全体会議の終了後、貴重な機会に立ち会っていたキタゴエは今回、発表後、最速でのインタビューの機会をいただきました!
資本提携の発表。大変驚きました。資本提携については、いつごろから話を進めていたのでしょうか。
田中 : 一年以上前からですね。
前田 : 初めての出会いは2011年です。出会った時にはお弁当を一緒に食べて、「一緒に何かビジネスしたいですよね」ということを話していました。一緒にビジネスをしたい気持ちはお互い、ずっと一緒でした。
業務提携より、もっと踏み込んだ資本提携に至った理由についてお聞かせください。
田中 : 一緒に事業を行うには「コミットする姿勢」が大事だと思っています。ですが、先にお金を入れてから、一緒に事業をやるのは上手くいかないケースが多い。
ビットスターとは順当に事業提携から始まりました。それが約3年前です。さくらインターネットではできない、運用がメインな案件、技術力が必要な運用をビットスターに頼むところから関係が深まりまして、さくらインターネットの子会社との協業も進みました。
ただ、協業している各社と、ビットスターだけ資本関係がありませんでした。資本関係が入ると、協業に対する納得感が得られやすくなります。
さらに、さくらインターネットに外の風を入れたいという気持ちがありました。前田さんには10月1日付けでさくらインターネットの執行役員として、さくらインターネットの経営にもコミットしてもらいます。これはさくらインターネットとして、新しい風になります。
そのようなコミットしていくということを非常に重要なキーワードと考えています。
前田 : ビットスター側としては、先ほどの全体会議で話したように、ビットスターが次の10年に進むために別のギアチェンジをする必要がありました。新しいメンバーで新しいページをめくりたいと考えています。
資本比率はどのように決めたのでしょうか?
前田 : 資本比率に対する思いは私が強くあります。一般的な考えでいうと、さくらインターネットが100%の株式を取得する、ということもあるかと思います。ただ、私はビットスターのオーナーシップを維持し、継続して「ビットスターの文化を残す」ということ対しての強い思い入れがあります。
その思い入れから、私と若狹も株主として留まる決断をしました。その中で、さくらインターネットが合意できる株式数をお持ちいただくという話の流れで、この資本比率となりました。
田中 : やはり前田さんも若狹さんも継続して、頑張っていただくのが大事だと考えています。今、前田さんがおっしゃったオーナーシップが非常に重要です。自分がしっかりやらないといけない会社として、コミットするという姿勢を見せるという意味でも、このままオーナーシップを維持していくというのは、納得感が得られやすかったと思っています。
ーーインタビューにご協力いただきまして、ありがとうございました!
最後にビットスターの入口前の看板で笑顔で固い握手!
2017年9月15日、ビットスターがさくらインターネットのグループ入り発表、前田章博さんがさくらインターネットの執行役員就任(10月1日付け)という重大ニュースが発表された日でした。これからの両社がさらなる発展を遂げるかどうかは、今後の両社次第です。ただ私は、発展の予感を感じさせる力強さ、結びつきの強さを感じた発表とインタビューでした。ますます両社の動向に目が離せません。
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