漫画から、金融業界のシステム事情を学ぶ
現在、筆者はとある漫画を読んでいる最中である。
『監査役野崎修平』である。
主人公、野崎修平は北国大を卒業したのちにあおぞら銀行へと入行し、一旦左遷をされるものの、本部への復帰を果たしたのちに、監査役としてあおぞら銀行の闇の部分を正していくべく奮闘する、という内容だ。
『監査役野崎脩平』『監査役野崎修平-銀行大合併編-』『頭取野崎修平』と三シリーズでているのだが、この銀行大合併編では、時のメガバンク誕生の時代を描いている。具体的には、みずほ銀行の合併を描いているという解説がwikipediaにあるが、真実は定かではない。
この銀行大合併編で、あおぞら銀行は他の二行とシステム統合のイニシアティブを握るべく、争いを繰り広げるのだがそのシーンで「銀行の基幹システムは、まさに銀行そのもの」という副頭取の発言がある。そういう思惑もあり、そこから熾烈な争いが繰り広げられていく。
道内の3信金が合併が確実に。システム統合を制するのは?
さて、続いては漫画の話ではなく、実際に起こったことの話である。今回札幌信金(本店・札幌)、北海信金(本店・余市町)、小樽信金(本店・小樽)の道内の三つの信金が合併の基本合意に至り、2018年1月には、道内最大の1兆314億の預金高の信金が誕生することとなった。
現在各行のシステムは、札幌信金と北海信金が日本ユニシスのシステムを使っており、小樽信金が共同事務センターのシステムを利用している。合併後は、小樽信金が共同事務センターのものから日本ユニシスのものに乗り換える形になる。
今回の合併は、対等合併だが、もともと札幌信金の規模が最も大きく、また合併後の本店も札幌信金の本店を用いることから、札幌信金がメインの合併とみられているのではないだろうか。
ここで、『監査役野崎修平』の服頭取の発言にもある通り、システム運用にはメインとみられる札幌信金がもともと利用している日本ユニシスのものが使われている。「銀行の基幹システムは、まさに銀行そのもの」というのは是なのかもしれない。
Fintechのスタートアップがどんどんと増えてきているが、長期にわたって、金融の中心となる銀行でITが重要な役割を果たしていたこと、そして今後も大きな影響力を持つことは、一目に値するだろう。
今回の信金合併を、システムの視点から考えてみた。
(参考記事:Real Economy アイキャッチ画像:https://goo.gl/fgWffm Photo byGermán Poo-Caamaño)
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