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釧路でITエンジニアが働ける場所を。RHEMS Japan遠藤五月男さんの挑戦【後編】

RHEMS技術研究室遠藤さんと西田さん
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北海道釧路市在住のフリーライター こちゆうです。今回は2013年にリモートワーカーとして釧路に移住された株式会社RHEMS Japan(レイムスジャパン)の遠藤 五月男(さつお)さんにお話を伺い、前編ではリモートワークするための心掛けや働き方に対する思いについて伺いました。

実は遠藤さんは現在、釧路市内にR&D部門だけを担当する「RHEMS技術研究室」を構え、4人のアルバイトとともに技術支援にあたっています。なぜ今RHEMS技術研究室を作ろうと思ったのか。なぜ釧路なのか。そこには会社の未来、そして釧路や道東に対する遠藤さんの強い想いがありました。

取材・撮影:こちゆう 取材日 : 2018年6月23日

RHEMS技術研究室ってこんなところ

RHEMS技術研究室は市街地から少し離れた場所にあります。

RHEMS技術研究室 〒085-0045 北海道釧路市住之江町4番20号タカオビル2F

〒085-0045 北海道釧路市住之江町4番20号

オフィスに伺うと、お茶とともにうまい棒が!ほかにもポテトチップスやチョコ棒など、色々なお菓子が用意されているそうです。

RHEMS 技術研究室

遠藤さんが「ここに一番金をかけました!」というコーヒーグッズ。

RHEMS技術研究室のコーヒーグッズ

写真左から豆を挽く機械、水出しの機械、全自動のエスプレッソメーカー。

毎回釧路のコーヒー屋から2kgほどの豆を買い、ここで引いているそうです。時にはハンドドリップも…もはや喫茶店です!

RHEMS技術研究室のカフェブース

遠藤さんが釧路にオフィスを構えた理由

RHEMS技術研究室

釧路でRHEMS Japanの正社員として働いている遠藤さん。リモートワーカーとして働き続ける道もありましたが、あえてオフィスを設立しました。その理由とは?

なぜ釧路にオフィスを構えようと思ったのですか?

遠藤:「技術支援の人材を確保するため」というのと、「弊社および道東でのIT人材育成のため」という2つの理由があります。実は弊社はこれまで、社内でIT人材を育成してきませんでした。すでにある程度スキルのある人にジョインしていただいていたんです。

ただ、皆さんもご存知の通り、最近は都心での人材確保が難しく、その中でもIT、かつインフラというニッチな人材を確保するのは本当に大変です。それなら人件費を抑えられる釧路で、IT人材の確保と育成を同時にしてしまおうということでオフィスを立ち上げました。

 私も釧路に住んでいますが、ITに明るい人材は正直そこまで多くはない印象があるのですが…。

遠藤:そうですね、実際私も釧路在住のIT人材とのつながりはあまりありませんでした。

でも道東には釧路高専や北見工業高校がありますし、パソコンが普及した昨今、興味を持っている人や将来IT分野で働きたい人はいると思っています。実際にこのオフィスでアルバイトしてくれているのは、私と一緒にやりたいと言ってくれた高専生やIT知識のある方です。

彼らには実践的な知識や経験が不足しているかもしれませんが、それなら「教育するしかない」と思いましたし、ここで育てて東京に送り出したほうが弊社のためにも、釧路や道東のためにもなると思いました。

東京は色々なものや知識、機会が集まっていますが、正直東京じゃないとダメっていうところは全くないんだなと、やってみて改めて感じています。

RHEMS技術研究室遠藤五月男さん

「弊社のため」ということは、ここで働いていらっしゃる方は将来的には社員に?

遠藤:いえいえ、私はここで育った人が、必ずしも将来ずっと弊社の社員として所属してくれるわけではないと思っています。人にはそれぞれ事情がありますし、それを潰してまで何かを強制しようとは思いません。

でも、組織に入ることだけが必ずしもジョインの形ではないですよね。外注先として手伝ってもらうこともできますし、かつての私たちのように、別の場所にいながらリモートワークでジョインいただくこともできます。

これまでも、私たちはさまざまな形でプライベートと仕事のバランスを取ってきました。だからこそ、ここで育った人たちには、何らかの形で弊社を手伝ってくれたらいい。それが社員なのか外注なのか、それはそれぞれが決めればいいと思います。

アルバイトで働く学生に聞いてみた

RHEMS技術研究室西田龍斗さん

 現在アルバイトをしている高専生の西田龍斗(りゅうと)さんにお話を伺ったところ、「学校でもITに関しての勉強をしているが、実践は全く違う」ということでした。遠藤さんから課題が出されるそうですが、それをひとつずつ乗り越えることで成長を感じているとのこと。

また、かつては釧路で働ければいいと思っていたそうですが、遠藤さんの働き方をみて「働く場所はどこでもいい」と思えるようになったそうです。リモートワークで仕事ができるなら釧路に残るが、現場に出ないとできないことがあるなら札幌や東京に出るのもいい。自分に合わせた働き方ができるということに、ここへ来て気付いたと話していました。

 釧路のIT雇用の受け皿になれば

RHEMS技術研究室遠藤さんと西田さん

ここでの人材育成には「釧路や道東のために」という思いもあるんですね。

遠藤:そうですね。ここに来てから色々調べてみましたが、弊社のような開発系の会社は、釧路にはほとんどないようです。そうなると、開発系の会社で働きたい人材は札幌や東京に流出してしまう。またはそういった分野での就職を諦めて別の職種に就職する、なんてこともあると思うんです。

まだオープンしたばかりで、これからどうなるかわかりませんが、できれば私は「釧路にガチで開発できる会社があるんだぞ」「道東でITエンジニアになりたいやつが就職する場所があるんだぞ」ということを、ここで言っていきたいなと。釧路だけでなく、根室や北見からも来たいと思えるような場所にしていきたいと思っています。

好きな人が好きなものを作るほうがいい

RHEMS技術研究室の様子

現在4名のアルバイトを抱えているRHEMS技術研究室。遠藤さんは実際に設立、そして人材育成を行ってみて感じたことや気付いたこともあるそうです。

実際に人材教育と技術支援の場を釧路に設けてみた感想はいかがですか?

遠藤:ここをオープンさせてまだ3ヵ月ですが、若い人材に柔軟な考え方で色々試行錯誤してもらったほうが、結果的にはいいんだなと思いました。

アルバイトは高専生が2名、社会人が1名です(後1名は妻がイラストレーターとしてジョインしています)。彼らは基礎知識はあるけれど、ITについての慣習なんかはないですし、とても考えが柔軟で、色々おもしろいアイデアもたくさん出てくる。これはやってみて気付いたことですが、柔軟に考えられる人に対応してもらったほうがいいですし、彼らのように好きな人が好きなことをやっている方が、結果的に面白いものができている気がします。

--インタビューにお答えいただき、ありがとうございました!

取材を終えて

今後は釧路のIT人材や企業ともっとつながりたいと感じている遠藤さん。実際、地元企業にもRHEMS Japanのような会社を求めているとの声があるそうです。

リモートワーカーを経てオフィス設立、そしてIT人材の育成にも携わる姿は、RHEMS Japanが目指す働き方そのものなのではないかと感じました。今後の活躍に大きく期待したいと思います。

RHEMS技術研究室お問い合わせ先
kushiro-labs@rhems-japan.co.jp

 

この記事を書いた人

こちゆう
こちゆう
奈良県出身、釧路市在住のフリーライター。
合同会社Hokkaido Design Code執行役員。釧路・十勝の魅力を発信するWEBサイト「くしろはてな」編集長。女性だけのライティング集団「ことのは」副代表。
釧路や道東、北海道に関する取材記事のほか、ビジネスノウハウや保育に関する記事やシナリオ作成などを行う。
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