2019年11月5日(火)に、「STARTUP CITY SAPPORO MEETUP #1 CEO Cross Talk “起業のREAL”」が道新プラザDO-BOXにて開催されました。
こちらは札幌市のスタートアップの育成・支援を通じて次世代のまちづくりを目指すプロジェクト「STARTUP CITY SAPPORO」の一環で、今回は既に起業をされたお二人のゲスト((株)ファームノート CEO 小林氏、(株)Fant CEO 高野氏)に「起業のREAL」について語っていただきました。
後編である今回は、仲間づくりや経営者としてのあり方についてをお送りします!
インタビュアー・取材・撮影・構成:高橋アメリ 取材日: 2019年11月5日(火)
前編はこちら
【前編】STARTUP CITY SAPPORO MEETUP #1 CEO Cross Talk “起業のREAL”
STARTUP CITY SAPPOROについては、以前キタゴエで取材した記事もご覧ください。
「北海道の資産を活かし、世界に挑戦するスタートアップ」が登場したOpen Network Lab HOKKAIDO 2nd Batch Demo Day+STARTUP CITY SAPPOROに行ってきた
トークセッション後編
夜中の2時に、仲間に電話できますか?
――メンバーってすごく重要なイメージがあるのですが、仲間はどうやって見つけていくのがいいのでしょうか。
(小林)まず経営の大前提として、軸を持つこと。「この会社の存在っていうのはこういうもの」って、血肉として1ミリもずれず共有できること。それ以外に会社が伸びる方法ってないです。
なぜかっていうと、余計な動きが増えちゃうから。会社が目指している方向があるのに、別の方向に行こうとする社員がいると相対的にベクトルが弱くなっちゃう。なので、芯の部分を共有できるかどうかってめちゃめちゃ重要で。
立ち上げたばかりの起業家って、「貴社のために私はこういうことをしたい」とか、「あなたの会社のこういうビジョンに共感しました」って言われると、弱いんです。承認されたと思っちゃうし、「目の前にいる人は私のことを本当に応援してくれている人」って勘違いしちゃう。
だけど、本当にあり方として、「私がやろうとしていることは本当に世の中のためになりたい」とかっていう想いを、真にシェアできる人がいない限りは、経営ってうまくいかないんですね。
――なぜでしょうか。
(小林)起業は常に自分のスキル以上のことを求められ続け、不安になる。不安になってきたときに、「私はもう無理だ」って言えない人は、会社に残り続ける人の足を引っ張ってしまう。これ、素直に言える人の数の方が少ないんですよ。
僕はいつも言っているんですけど、夜中の2時に電話しても出てくれる人と仕事するんだよって。あるいは電話しても抵抗がない関係性を築く。
自分の心の中で抵抗があるような人だと、本当の弱みを共有できないんですね。これが、僕は一番重要だなって思ってる。
それをどう見つけるかっていったら、失敗する以外ない。「人とどう関わったら、自分のやりたいことがうまくいかないのか」を知らない限りは、次どういう人を見つけたらいいかわからないので。
つまるところ、会社って社長以外ないです。その人が一番やりやすいやり方を周りに助けてもらうしかないんですね。助けてもらうために、そういう仲間を増やすのであれば、自分が素直にその人と接することが大事。
――そういう仲間に出会うには
(小林)頑張るしかない。頑張るだけ、それ以外選択肢はない。
エージェントに連れてきてもらうっていうのも1つの手なんですよ。でも、スタートアップってフェーズがあって、フェーズによって必要とされるスキルセットが必ず変わってきます。
だから、今の自分のフェーズに必要なスキルセットは何かっていうことを正しく把握することがとても大事なんだけど、それを把握するだけスタートアップの社長はスキルがないです。なんで、やってみるしかない。
――高野さんが神妙な面持ちで聞かれていましたが、どうですか?
(高野)そうですね。私の取締役が目の前にいるんですけど(笑)、全然知らない状態から挨拶して、じゃあやりましょうってなったんですけど、すごく優秀な人で。
私は結構、感情や直感でしゃべってしまうんですが、そこを「どうしてなんですか?」突き詰めて理論的に聞いてくれて、そう言われて考えることも多いので助かっています。
(小林)自分一人の知恵だと無理なことも、人の知恵を借りれば解決できることっていっぱいあるわけですよ。
ちょっとおこがましいかもしれないけど、高野さんが今悩んでいることに対して、僕の知恵で前進出来たら、人の知恵を借りて前進できたことになるんですね。
それと一緒で、いつでも相談できたり、不安なことをシェアできるような関係だと知恵は融合する。知の集合体として意思決定ができるようになるので、自分の知らない世界が見えるようになってくるし、不安だってクリアできないことはない。
いろんな事象が起きたところで死ぬわけではないし、もう1回やればいいのだから。でも1つだけ思うのは、日本人はそこに寛容じゃないっていうこと。
――確かに、クラウドファンディングでも、達成しなかったら「あぁ……」って言われる。それもやっぱり起業に影響しているのでしょうか。
(小林)あると思いますね。ただ、メリットもあるんですよ。飛び抜けていることに対して敏感なだけで、逆に人と人とが繋がる力っていうのは非常に強い。悪い方にはたらくと起業のデメリットになるけど、いい方に使うと知の集合体。だから、日本人の特性をしっかり考えた上で経営していく、投資戦略を考えていく。
それと、起業してお金を稼げるってことは特別なことじゃなくて。それが認められる社会の風習ができればめちゃくちゃうまくいく。そこに問題を感じている方が、STARTUP CITY SAPPOROにいるんではないかなと思いますね。
知性を持ち、「恐れない起業家」になろう
(小林)スタートアップ始めたら、わからないこと多すぎる。そして不安に駆られる。不安に駆られると、知性が働かなくなるんですね。
知性って「知り・考え・判断する力」なんですよ。まさしく人間の本能、自然なことなんですね。知るっていう幅が広ければ広いほど、考える幅も広がるので意思決定の質もあがりますが、目の前の小さな問題、例えば「お金が足りない」「司法書士を見つけよう」「社員が文句言ってる」にフォーカスされてしまうと、知性はそこに使われてしまう。
そうすると、起業家が一番やらなければいけない「世の中を変えたい」とか、自分の実現手段だったよっていうことを忘れてしまうんです。
「フィアレス・アントレプレナー(恐れない起業家)」であれば、フォーカスは常に社会だとかにいくので、起業家はそうあらなければ伸びない。目の前の大きな問題は大した問題ではないんです。例えば知恵を借りればうまくいくこともある。知性が働かなくなることによって難しい問題に変わってしまう。
アインシュタインはこう言っているんです。「自分の意識レベルで作りだした問題は同じ意識レベルでは解決できない」。
要は自分の今の知識レベルで生み出している問題は、どうあがいたってクリアできない。けど、逆に言えば自分自身の意識レベルが上がれば問題に感じない。よりもっと起業家としての意識レベルが上がれば、今の問題は問題ではない。
なので、人の知恵を借りることで不安が減る。こうすれば「フィアレス・アントレプレナー(恐れない起業家)」として、もっと自分がやりたかったことができます。
――ありがとうございました!
MeetUp
トークセッションが終了した後は、MeetUpの時間が設けられていました。
ゲストスピーカーと個別でお話しできたり、同じ志を持つ参加者同士で交流できる貴重な機会です。ビールや軽食を片手に、皆さん話に花を咲かせていました!
通常であればあまり聞くことができないような、起業の「リアル」な面を、創業者自身が語ってくださりました。
お二人のこれまでの経験に基づいたお話しは説得力があり、参加者にとっても学ぶ点が多かったのではないでしょうか。
STARTUP CITY SAPPOROでは、今後も創業期の方に参考となるようなイベントを毎月開催していきますので、最新情報はホームページにて確認してみてください!
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