資金調達にも使える! ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO②

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資金調達にも使える! ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO②

最近話題の仮想通貨を支える技術に、ブロックチェーンがあります。ブロックチェーンは、仮想通貨以外にも様々な業界で実証実験が進んでおり、将来性にも注目が集まっています。

そんなブロックチェーンの大きな可能性について知ることができるイベント「ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO」に行ってきました!

今回はイベントレポートの続編として、仮想通貨を用いた新しい資金調達方法と、有識者によるパネルディスカッションの模様をお伝えします!

四種の神器を活かすか、活かさないか? 今後の分岐点!ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO①

 

仮想通貨を用いた新しい資金調達方法 ICOの可能性と課題

アルトデザイン株式会社 藤瀬氏

第二部は、アルトデザイン株式会社 藤瀬氏より、仮想通貨を用いた新しい資金調達方法ICOの可能性と課題についてお話しされました。

ICOとは、Initial Coin Offeringの頭文字を取っており、「新規仮想通貨公開」という意味です。「新規株式公開」のIPOをもじった名前ですが、仮想通貨を発行して資金調達を得る方法をいいます。これが今後、IPOやベンチャーキャピタル出資の代わりとなりうる可能性があるのです。

IPOとICOの大きな違いは、起業するためのアイディアを出すというのは同じですが、IPOの場合はプロダクトをまずリリースし、シェアを拡大した後にIPOを行うのが流れです。

そのため、スタートアップ企業は、最初のプロダクトを開発するための資金などをIPO以外の何らかの方法で調達しなければならず、またプロダクトをリリースするまで市場の反応がわからないといったリスクを持っていました。

しかし、ICOはアイディアが浮かんだらすぐに上場できます。投資の段階で支持されるか否かが判明でき、その後、そこで得た資金を使ってプロダクトを開発・運営し、シェアを拡大していくことができます。そのためスピーディーに、かつリスクがなくスタートアップが可能になります

ICOによる資金調達は、去年まではスタートアップ企業を中心に行われていましたが、今年は既存の企業が中心となっています。仮想通貨の知名度が上がってきたことや、エンジニアが育っていること、ICOをやることでブロックチェーンを取り入れているという宣伝効果などが、要因として挙げられています。

そんなICOですが、課題が2つあります。一つ目がプロジェクトの信頼性です。実際に投資をしても、プロジェクトが実行されない(お金を持ち逃げしてしまうのではないか)という不安が常に付きまとっています。悪用している事例も散見されています。二つ目は、世界的に法整備がグレーになっているため、投資をした後に法改正が入ってしまうのではないかという懸念があります。

このような課題はあるものの、最近ではメルカリの「メルコイン」など新規参入している企業が増えてきています。そのため、今後は円やドルだけではなく、貨幣の選択が生まれる時代になってくるのではないかと考えています。


これまでのIPOには、会社の内部統制や規約の整備など、実際の事業以外にも様々な要件を満たす必要があり、調査などにも時間を要するため、気力や体力までかかるとも言われていました。しかし、ICOという方法が登場したことで、時間やリスクが少なくスタートアップを行うことができるのは魅力的ともいえそうです。

コインチェック問題は「泥棒に入られただけ」

第三部は、「ブロックチェーンがもたらす新しい世界」をテーマに、本日の登壇者と地元の有識者を加えてパネルディスカッションが行われました!

ブロックチェーン パネルディスカッション
(左から)モデレーター:坪井 大輔氏(株式会社INDETAIL)
・貝塚氏 (日本アイ・ビー・エム株式会社)
・藤瀬氏 (アルトデザイン株式会社)
・德山氏 (合同会社TOKZUM)
・奥村氏 (株式会社バーナードソフト)

今回は約45分にわたり、熱いトークが繰り広げられましたが、一部をピックアップしてご紹介します! 最近話題となった、仮想通貨流出問題についてにも言及がありました。

坪井:ブロックチェーンフェスのハッシュタグで質問が来ています。「ブロックチェーンのネットワーク図を説明する時、仮想通貨の取引所発行所が間に入るので、個人的なウォレットを持っていなければ、従来の中央集権と一緒ではないでしょうか」と。

この質問への理解が正しいかどうかですが、「この仮想通貨で取引をするときに、最近で言えばコインチェックさんで問題がありましたが、取引所や発行所にお金を預けて、それに対して売買をするということは、結果としてそこが中央集権になっているのではないか」という風に捉えました。

このあたり、IBMさんのシステム的にはどうでしょうか?

仮想通貨流出問題について

貝塚 :まずコインチェックさんのところの問題っていうのは、ブロックチェーンの中央集権とか中央集権じゃないとかそういう問題ではなくて、どちらかというと、人災。泥棒さんが来て、玄関に立ったらそこに鍵が置いてあって、それで、「あ、これで入れるじゃん」と入ったというようなことです。

プラットフォーム自体がトラストレスなので、絶対的第三者がいませんという議論と、そこにお金が集まってるから中央集権だというのは、論点が異なると感じています。

坪井 :そういう意味でいくと、仮想通貨って元々物理的に何かがあるわけではないから、そもそも価値があるものではない、という文面のメディアも多いと思います。ブロックチェーンというもので信頼を担保している上に存在しているコインなので、そこには価値があるということにもイコールになるのかなと。そのあたり、藤瀬さんいかがでしょうか。

藤瀬 :非中央集権の中の中央集権みたいな感じで、少しややこしくなるのですが、多分今が過渡期だからこそこのような疑問が生まれるのかと思い、整理しました。
非中央集権のブロックチェーンに基づいた仮想通貨が、コインチェックなどの取引所を介すことにより、何となく仮想通貨も中央集権なのではないかというような誤解を招いてしまうんですよね。

しかし、仮想通貨取引所も非中央集権化が進んでまして、たとえばイーサデルタという取引所のように、そもそも中央がいない取引所もあるんです。将来的には、非中央集権の世界的な取引所が1つ、2つ存在するような状態になれば、今回のようなトラブルもなくなると思います。

(以上、ディスカッションの一部を抜粋)

この他にも、産業×ブロックチェーンという観点で、物流や食、農業へも応用できるといった意見がでました。


以上、イベントの第二部、第三部の様子をお伝えしました! 次回はブロックチェーンがまちづくりに活かされる可能性について、講演の様子をお送りします!

これまでのイベントレポートはこちら

四種の神器を活かすか、活かさないか? 今後の分岐点!ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO①

 

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仮想通貨の技術は他業界へ! ブロックチェーンフェスティバル 2018 in SAPPORO③

 

 

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合同会社EVOLbyAmeri代表。こちらではコワーキングスペースの取材やITイベントを担当。他の媒体では観光系や女性向けライフスタイルなどで執筆しています。

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