Web×IoT メイカーズチャレンジのご紹介/親子安心 ICタグを使って忘れ物を防げ!! – Kita Tech2018レポート

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Web×IoT メイカーズチャレンジのご紹介/親子安心 ICタグを使って忘れ物を防げ!! – Kita Tech2018レポート

2018年11月2日にジャスマックプラザにて開催されたKita-Tech 2018に行ってきました。

本記事ではさくらインターネット株式会社の講演とKidsVentureの発表の様子をお届けします。

講演「Web×IoT メイカーズチャレンジのご紹介」(さくらインターネット株式会社)

さくらインターネット講演タイトル

Kita-Techでは発表とは別に講演も実施されます。今回は、さくらインターネット株式会社の宮下頼央さんから、2018年10月に開催されたWeb×IoT メイカーズチャレンジのご紹介です。

Web×IoT メイカーズチャレンジとは

Web×IoT メイカーズチャレンジとは、学生や若手エンジニアを対象としたIoT システム開発のスキルアップイベントです。全国9ヶ所で開催されており、今回宮下さんは札幌開催の様子を紹介。

趣旨と主催

イベント内容はハンズオン講習ハッカソン体験に分かれています。電波リテラシーを含むIoTの基礎知識・技能を習得するための講義・ハンズオンを行い、その 2 週間後に学んだ技術を活用し、チームでIoT作品のプロトタイプを創作するハッカソン体験を行います。

札幌開催の概要

参加費はなんと無料。さらにハッカソンの作品作りにかかる材料費も1グループに対して上限 25,000 円まで実費精算にて支給されます。

使用する教材

教材に使用されたのは、CHIRIMEN for Raspberry Pi 3というIoTプロトタイピング環境です。Raspberry Pi 3 上のWebブラウザでプログラミングと実行が可能で、プログラミング初学者でもIoTが学びやすくなっています。

メイカーズチャレンジの様子①

ハッカソンの様子。チームに分かれてIoT作品を制作し、その成果を競います。

メイカーズチャレンジの様子②

はんだごてを使用して組み立てを行っている様子

スイッチサイエンスエイドステーションの紹介

今回のイベントに運営として関わった宮下さんは、「IoTイベントは工具・材料を揃えるのが大変だった」と話します。そこで、ハッカソンの参加者に部材を供給することができるサービス「スイッチサイエンスエイドステーションを利用。

販売した工具・材料

スイッチサイエンスエイドステーションを利用して販売した工具・材料。

「スイッチサイエンスエイドステーション」とはなんでしょうか。公式サイトより説明を引用します。

スイッチサイエンスエイドステーション(以下、本プログラムと呼びます)は、マラソン競技の参加者に水分を供給するエイドステーションのように、ハッカソンの参加者に部材を供給することができるサービスです。イベントの主催者(以下、販売者)に在庫をお貸し出しして、当日会場で販売いていただくことができます。当社はお貸し出しした在庫から売れた分だけ代金を請求いたします。
スイッチサイエンスエイドステーション公式サイトより

宮下さんはこのサービスを利用してRaspberry Piのカメラなど必要なパーツを揃えることができ、「非常に助かった」と話していました。

Web×IoT メイカーズチャレンジのいいところ

「実際、チューターの方とイベント後も連絡を取り合う参加者もいました」と語る宮下さん。そういった繋がりも持てる有益なイベントとなったと述べ、講演を終えました。

質疑応答

質疑応答では、「チームの中でハッカソンに慣れてる人と初めての人で温度差が生まれたりしませんでしたか?」という質問が。

宮下さんは「初心者向けを打ち出していたので、そんなに差は出なかったんですが、ハンズオン講習の際に、参加者の質問内容などからスキル具合いを見て、運営側でチーム組みを調整して工夫しました」と答えました。

「親子安心 ICタグを使って忘れ物を防げ!!」 (KidsVenture)

KidsVenture発表タイトル

最後の発表は、昨年のKita-Techで見事特別賞を受賞したKidsVentureチームです。今回は、小学生の大口楓さん、波多野鈴さん、土井温尊さんよりICタグを使った忘れ物防止の取り組みの発表です。

今回のテーマ

はじめに「身の回りでこんなものがあったらいいな、便利だな」という意見を出し合った3人。「学校の社会の授業で動画を見る時暗くなり、居眠りする人がいるので、居眠り防止の案が出ました」と小学校ならではアイディアがたくさんありました。

テーマの理由

「みなさん、子供の頃忘れ物をしたことはありますか?」という質問に、会場からは「いまでもしてます」との声が(笑)

その中で忘れ物防止のテーマを選んだ理由として、「みなさん一度は忘れ物をして学校でも家でも嫌な思いをした経験があると思います」と波多野さんは話します。

「忘れ物をすると自分が困る、先生やお友達に迷惑をかける、家ではお母さんが鬼の顔で待っている、その嫌な三段落ちになりますよね。そこで三段落ちから逃れるためにも忘れ物を防ぐ道具があると便利だと思いました」

どう解決するか

そこでまず、3人がKidsVentureで使ったことがあるIchigoJamを使って、どの教科書が必要か調べてみることに。

どんなプログラムが必要か①

試行錯誤を重ねた結果、ICタグを教科書につけてICカードリーダーで読み込むのが実現しやすいと判断。

どんなプログラムが必要か②

ICタグを使った方法として、「IchigoJamに時間割を登録し、教科書にICタグをつけ、ランドセルに入れようとしている教科書が必要なものかどうか検知するようにして忘れ物を防ぐ」ことを考えました。

どんな機能が必要か

次にどんな機能が必要かを考え、上の写真の4つの機能を決めました。

使った機材

このプログラムを作るために、シール式ICタグとICカードリーダーを用意。そして、実際にできたプログラムの使い方を紹介します。

使い方①

IchigoJamとICカードリーダーをつなぎ、プログラムを起動すると曜日の選択画面が表示。

使い方②

キーボードの0〜4を押し、曜日を選択すると時間割が表示されます。

使い方③

教科書の裏表紙にICタグを貼って、ランドセルに教科書を入れる前にICカードリーダーにかざします。

使い方④

読み込んだら、時間割に登録されている教科書か判定します。

使い方⑤

必要な教科書が全てかざされると、「ゼンブOK」と表示されます。

実際のプログラム

実際のプログラムです。IchigoJamはプログラムを4つまで保存できますが、今回は4つ全て使用。

時間割表示のプログラム

時間割表示のプログラムを紹介。配列の0〜24に各曜日の各時間の科目を入れています。

センサー検知プログラム

センサー検知プログラムでは、参考にしたブログと工夫した点を紹介。会場からも「おお」と感心の声が上がりました。

教科登録のプログラム

教科登録のプログラムでは、配列の50〜54に教科を読み込んだかどうか保持。配列の70〜94には、時間割表示のプログラムと同じように時間割ごとに振り分けられたICタグのカードIDを入れるようプログラムしています。

今後改善していきたいところ

最後に今後改善していきたいところ、そして3人それぞれ感想を述べました。

土井さん:「僕はIchigoJamでプログラミングが初めてだったので、最初は意味がわからなかったのですが、やっていくうちに少しずつ意味がわかるようになって、プログラミングした内容がうまく動いたときは楽しいと思うようになりました。また特に難しかったことは、どの命令がどういう意味で、その命令をどこでするか考えることです」

大口さん:「今回のイベントを通して仲間と楽しくプログラムを作ることができました。今まで家などでプログラミングをする機会がなかったのでこのイベントに参加して本当によかったです」

波多野さん:「違う学年の仲間と協力して作業するのはとても楽しかったです。わたしはキーボードを打つのが遅いので大変でしたが、少しずつ慣れてきました。これからもIchigoJamや他のマイコンにも触れてみたいです」

質疑応答

質疑応答では、同じKidsVentureの子から「宿題などのプリント類はどうすればいいでしょうか?宿題忘れた方が致命的だと思うのですが」と質問し、会場からは笑いが。土井さんは「これから解決していきたいと思います」と述べ、2人の掛け合いに再び会場からは笑いが起こりました。

3人の発表に終始関心させられた大人たちから大きな拍手が送られ、発表を終えました。

続きは次回

本記事ではさくらインターネット株式会社の講演「Web×IoT メイカーズチャレンジのご紹介」と、KidsVentureの「親子安心 ICタグを使って忘れ物を防げ!!」の発表をお届けしました。

さくらインターネット宮下さんの講演では、ハンズオン、ハッカソンイベントにおける工夫が紹介され、特にイベント企画を考えている人にとってはとても勉強になる内容でした。そして、KidsVentureチームの発表はユニークな発想と大変わかりやすい説明で、本当に大人顔負けでした。

キタゴエでは白熱したKita-Techの記事をさらにお届けしますので、次回の更新も楽しみにお待ちください。

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