2019年10月16日(水)19時より、STARSのキックオフミーティングが開催されました。場所は札幌市中央区、大通にあるSPACE360。定員60名のところ、90人超が参加する大注目のキックオフミーティングとなりました。
SPACE360 北海道札幌市中央区南1条西6丁目20−1
取材・撮影 : 赤沼俊幸 取材日: 2019年10月16日(水)
スタートアップをどうやって盛り上げるか?
エコモット株式会社代表取締役であり、STARSの代表、入澤拓也さんによる挨拶と紹介からSTARSのキックオフミーティングはスタート。ここからは入澤さんの発言を抜粋し、まとめてお届けします。
テーマは「スタートアップをどう盛り上げるか?」。約23,000人のIT人材がいる北海道。その中には、
- 起業したいけど、ネタがない。
- 会社をスケールしたいけど、何やっていいかわからない。
というIT側の方が存在。一方、困っている方もいます。
- ITが導入して生産性を上げたいけど、何をやっていいかわからない。
という非IT側の方たちも存在。入澤さんは常日頃から両方の話を聞き、間を取り持つコミュニティが作れないかなと考えます。その両者を繋げるコミュニティがSTARSです。
なぜ強くそう思ったのでしょうか。以下のような理由を上げました。
- 国はスタートアップ支援を行い、札幌もスタートアップシティ宣言を行っています。
- しかし、国が推進しているJ-Startupには141社中、北海道にはわずか1社しかない。その1社は株式会社ポーラスター・スペース。
- スタートアップの社数は他の都道府県と比べても圧倒的に少ない。ちなみにベンチマーク、宮城県は4社、福岡県は5社。山形県でも2社。
では具体的に何をやっていくのでしょうか。入澤さんは既存の産業にITの力を入れて、産業振興する「デジタルトランスフォーメーションが急務」と話します。
もちろん、既存の産業もすでにITが入っています。何が違うのでしょうか。入澤さんは「今までは受託開発が多かった。受託開発ではなくて、起業して、スタートアップという形でデジタルトランスフォーメーションを支援していきたい」と語ります。
「狙いは老舗企業」と話します。北海道には運輸業、宿泊業、食品製造業、福祉介護、建設業などの老舗企業が多く存在します。
現在、Amazon、UberやAirBnBなど、既存産業をテクノロジーによって、破壊する企業が日本に進出しています。このままでは既存産業が外国のテクノロジー企業によって破壊されてしまうかもしれません。先に上げた北海道の老舗企業も破壊の対象になってしまうかもしれません。
北海道の老舗企業が破壊されてしまっては大変です。そうではなく、北海道の業界で横断して、BtoB SaaSプラットフォームを作り、逆に破壊する側に回ることがSTARSの狙い。UberやAirBnBを作る側に回る。これがSTARSの考えるデジタルフォーメーションです。
そして、「STARSに来ると、ヒト・モノ・カネが得られるコミュニティにしたい」と話します。
- ヒト : コミュニティで仲間と出会える
- モノ : 老舗企業からネタを発見できる
- カネ : 老舗企業から出資、ファンドから出資
STARSは毎週水曜日19時より開始します。毎週テーマを設けてワークショップを開催。「いつもそこに行けば、何かをやっている、という風土が大事」と語ります。「毎回毎回、毎週毎週やっていきます。常時20人ぐらいがちょうどいいかもしれません。真剣に起業に興味がある人に来てほしいと思っています」
KPIとしては、年間40回のSTARS、3年間で30社の起業。との目標を掲げます。
最後に入澤さんはSTARSの由来を語って発表を締めました。
「開拓使のシンボルが赤い星。名前はSTARにしたいよね、と話しました。僕らの祖先は開拓使は、新しいものに作っていく気持ちに満ち溢れていたと思うんです。そういう熱い思いを込めて、STARSを運営したい」
「僕の好きな言葉で、一人では何もできない。だけど、一人が始めないと何も始まらないと思っています。STARSは皆さんの力を借りて、コミュニティを作っていきたい。ぜひ力を貸してほしい。ぜひ札幌のスタートアップをみんなで盛り上げていきましょう」と結び、STARSの紹介を終えました。
札幌のスタートアップのポテンシャルと、スタートアップエコシステム。
「スタートアップは雇用を生み、生産性を向上させます。人口が少ない国でもそれは可能。イノベーションに拍車をかけ、経済成長を促します」と語るのはSTARSのコミュニティマネージャー阿部浩太郎さん。入澤さんからのバトンを引き継ぎ、発表します。
阿部さんはエコモット株式会社と事業提携している株式会社BULBの所属。(事業提携記事はこちらをご覧ください) 海外経験が豊富で、後に語るエストニアに住み、働いてことがあります。
欧州各地ではスタートアップが活性化。札幌よりやや大きい都市であるベルリンでは、ビジネス需要からコワーキングスペースに事業転換するカフェも多く、なんと街中にカフェがなくなっていく街もあるようです。
札幌より小さい規模の都市であるストックホルム、ヘルシンキ、タリンなどでもスタートアップは増えています。これらの都市では大学、行政、民間の力を合わせてスタートアップエコシステム構築をしています。
人口100万人以下の都市、フィンランドのヘルシンキはスタートアップエコシステムを構築して、 年一回、カンファレンスを行っています。最も有名なのは、SLUSH。約2,000人の投資家が参加。期間中は計1万回以上の投資家とのミーティングが実施。大きなチャンスとなり、フィンランドだけではなく、世界中から起業家が訪れます。
そのような環境の中、阿部さんが注目するのは「環境、自然は北海道に似ています」というエストニア。
エストニアで上場した国際送金サービスのTransfer Wiseはメルカリが上場した4,000億円に近い価値があります。デリバリーロボットを作っているスターシップは26億ドルの価値があると言われています。
エストニアの人口は札幌より少ない約130万人。面積は北海道の約半分で、人口密度も北海道より少ない。エストニアのスタートアップは650社。種類としてはビジネスソフトウェア、アドテック、フィンテック。約4,800人が働き、去年から約1,400人増えています。 EU内外からも人が来ており、EU外からの外国人増加数は445人。スタートアップはエストニア経済に貢献していると言えます。
北海道とエストニアの共通点
「エストニアと北海道はすごく似ています」と話します。いくつかの特徴をあげました。
- 徒歩30分圏内に大学、行政、民間組織が位置して集中。
- 北海道は日本一人口密度が低い。エストニアは日常生活における効率化が効果を上げています。例えば、インターネット投票。エストニアには少ない労働人口で生産性を上げるためのアイデアがあります。この点は冬が厳しい北海道に向いています。
- 北海道の大自然。エストニアの若い人は自然の中で住みたい人が多い。エストニアでは「自然の中に住み、最先端の仕事をするのがクール」と考えている人か多い。
阿部さんは「これだけ揃っている地方都市は他にありません」と語ります。「エストニアで最も感激したのは、若者が自信を持って挑戦していること」
「エストニアではいつも市長や議員が、失敗してもいいから何でもやれ、と言い、と大人がサポートする姿がとても良かった」と阿部さんは話します。「これはスタートアップエコシステムの距離が近いからこそできること。ぜひ、STARSは若者をサポートする大人に出会えるコミュニティにしていきたい」と力強く語りました。
懇親会
発表後は懇親会。懇親会ではなんと、サツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長の富山浩樹さんが乾杯の挨拶を行いました。
「STARSは単なる勉強会ではなく、キーノートのインプットが30分、ブレストによるアウトプット30分を考えています。スピードにチャレンジする場所にしていきたい。1時間集中して、瞬発力を鍛えていきましょう」とSTARSコミュニティマネージャーの阿部さんが語るSTARS。
どんなスタートアップが動きだすのでしょうか。すでに毎週水曜日開催しています。気になる方は参加してみてはいかがでしょうか。詳しいイベント情報は、STARSの最新情報はFacebookページをご覧ください。
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