皆さんは、「働く」と「旅する」という二つの言葉からは、何をイメージしますか。「働く」はオンモード、「旅する」はリラックスしたオフモード、そんなイメージを思い浮かべる方が多いのでは。
そんな、対極にある「働く」と「旅する」が交わる場所が、札幌にあります。今年の2月1日にオープンしたばかりの「CONTACT」です。
一体どのような施設なのか、早速お邪魔しました!
インタビュアー・取材・撮影/構成:高橋アメリ 取材日: 2019年3月27日(水)
CONTACT 〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西5丁目26-4
札幌の「おもしろい人」が集まる場所にしたい
マネージャーの塩津さんにフロアの案内とCONTACTについて伺いました!
――コワーキングオフィスと宿泊が一体となった施設にしたのは、一体どのような理由なのでしょうか。
「 『札幌で働く人』と『札幌で旅する人』は本来接点がないですが、彼らがあえてここで交わることで双方に新しい価値を生み出せるのではないかと思ったのがきっかけです。
例えば、働く人は仕事を終え、旅行者が夕食へと街へ向かうときは、旅行者が札幌で働く人からローカルの情報を得ることができたり、札幌で働く人は世界中の旅行者と交流することでインスピレーションを得て、自分の仕事にも生かすことができるかもしれません」
――実際に利用されている方は、どのような業種の方が多いですか?
「web系のような、パソコン1台で仕事できる方はもちろん、飲食系の方も多いです」
――飲食系?
「はい。接客スタッフというよりは、飲食店をマネジメントする経営者の方ですね。商談や面接の場として使ってくださっています。
飲食店のマネジメントをしている方は、衣食住全般に興味のある方が多く、様々な方向の話を聞けるのは刺激的です」
――普段自分の行動範囲内だと、なかなか新しい価値観に出会う機会が少ないので、こういった場があるとまた考えが広がりそうですね!
「店名の由来も、CONNECT(繋がり)+ACTION(行動する)からきています。人々の繋がることで新たなアクションが生まれていくことを願っています。今は旭川や東京の出張で使って下さる方もいるので、中継点のような役割も担えればと思います」
そんなCONTACTは、1・2階がコワーキングスペース、3~6階が宿泊フロアとなっています。各フロアについてご紹介していきます!
1階はビジター利用も可能なスペース
入って正面のソファ席まではカフェとして利用もできます。MORIHICO.のコーヒーや、旭川のUSAGIYAのお茶などドリンクを片手に、読書をして過ごすこともできます。
会員専用フロア
パーティションで区切られた奥の席は、会員とビジター利用の方が利用することができます。(料金などは記事の最後をご覧ください)
壁面の至る所に本が陳列されています。これらの書籍は全て、函館の蔦屋書店のコンシェルジュによる選書です。旅行やビジネスに関する内容や、感性を刺激するようなデザイン系の本などを中心にセレクトされているそう。
実はここ、CONTACTは北海道TSUTAYAがプロデュースしています。函館や江別の蔦屋書店のような「本を通したライフスタイルの提案」をコンセプトとした書店を運営していますが、「宿泊業こそライフスタイルに密接するのではないか」という塩津さんのアイディアがきっかけとなり、CONTACTのオープンにつながったのだそう。
各テーブルにコンセントが必ずついているのでパソコン作業も安心ですね。もちろんフリーWi-Fiもあります。
2階は会員専用のスペース
2階もコワーキングスペースですが、会員専用スペースとなっています。大きな窓ガラスから光が差し込み明るく、開放感あふれる中で作業に集中することができそう!◎
長机が2台、イスはドイツ製のWilkhahn(ウィルクハーン)のもの。座ると、深すぎず浅過ぎない腰の位置が背中にピッタリとフィット! 前傾姿勢になりがちなデスクワークでも良い姿勢を保つことができるように作られているそう。長時間でも疲れないよう、作業のしやすさにこだわった設備がそろっています。
他のコワーキングスペースには、オープンスペースと区切られたブース席が用意されているところが多いですが、こちらにはそういった仕切りはありません。
「施設の構造上、ブースで区切ってしまうとせっかくの明るい光がさえぎられてしまうのと、集中したいときは自分のタイミングで集中モードに切り替えできるように」とのことでした。
利用者の声
ほぼ毎日オフィスで作業されている、住まいコーディネーターのゆりんごさんに、メンバーになってよかったなと思うことを伺いました。
「色々な人に出会えることです。私はまだフリーになったばかりですが、悩んだときは気軽に相談できたり、ここで出会った人が私の主催するセミナーに来てくれるなど、繋がりができたのが嬉しかったです。
ここに来ると、皆頑張っているから自分も頑張ろうと思えるし、オンオフの切り替えもできる。私は子育てもしているので、家にいるとどうしても家事をしなきゃとか、子供のことが気になってしまうんですよね。集中して作業できる環境という意味でも、よかったなと思います」
ゆりんごさん、お忙しい中ご協力ありがとうございました!
コワーキングスペースの料金について
【ビジター会員】9:00~23:00、1Fのラウンジのみ利用可能
2時間利用 | 1,620円(カフェ1杯付) |
1日利用 | 2,700円(カフェ2杯付) |
【レギュラー会員】24時間利用可能、1F・2Fいずれも利用可能
入会金10,800円(更新料なし)、1年単位での契約
個人利用(1名) |
27,000円(カフェ飲み放題) ※このほか、ホームページに紹介文掲載などの特典あり |
※金額は全て税込です
※レギュラー会員の方には、打ち合わせなどにも利用しやすいゲスト料金の設定もあります。
※法人利用については施設にお問い合わせください
宿泊フロアについて
続いて、「旅する」の役割を担う、3~6階部分のドミトリーについて紹介します。各フロアについてですが、3階は女性、4階は男女混合のドミトリー。5階はキッチンやランドリー、シャワーなど共用フロアです。6階は珍しいロフト風のフロアになっています。
3階は女性、4階は男女混合のドミトリー
3階・4階いずれも部屋のつくりは共通で、二段ベッドが設置されています。
机代わりにもなる、木のセキュリティボックスや、コンセントはUSBタイプの口も設けるなど、限られたスペースでも快適に過ごしていただけるような工夫がなされています。
上段に上る際、足が痛くならないように階段はフラットな作り。
床と下段ベッドの間にはスペースが空いているので、スーツケースを収納できます。冬期間は、スキーやスノーボードを収納していた海外の方も! 様々な工夫がなされているのは、塩津さんが様々なドミトリーに泊まった時に「こうした方がいいな」と感じたことが生かされているそう。
5階:キッチンやランドリー、シャワーなど共用フロア
5階はキッチンやランドリー、シャワーなど共用フロアになっています。滞在中、旬の食材を調理するのもいいですね!
バスルームは、シャンプー類やドライヤーも備え付けられています。
6階:「あの煩わしさ」が解消された1人部屋
6階にある1人部屋のフロアは、2段ベッドの上半分が空洞になっている、珍しい形です。「2段ベッドだと、寝ながらズボンを履かないといけないんですよね」と、塩津さん。ここでも実際の経験が生かされています。
手前のスペースにはスーツケースを置くことができ、荷物の整理にも便利そうです。
ドミトリーは旅行で札幌に訪れる方はもちろん、終電を逃してしまったときの駆け込み場としても利用しやすそうですね!
「働く」と「旅する」が融合した施設CONTACTには、人と人との繋がりを大切にする、温かい空間がありました。新しい何かに出会える予感がするオフィスにぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
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