【連載】<第三回目>雪冷房システムを取り入れる、美唄・ケアハウスハーモニーへ行ってきた!

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【連載】<第三回目>雪冷房システムを取り入れる、美唄・ケアハウスハーモニーへ行ってきた!

札幌から車で約1時間ほどの美唄市。かつて石炭で栄えた町ですが、実は、年間降雪量が約8mほどと、かなり雪が多い地域であることをご存知でしたか。(札幌は約5mです)

美唄市では、この厄介者ともされる雪を、貴重なエネルギー資源に変えることができないか、と1997年から取り組みを始めました。今では、マンションや個人宅をはじめ、福祉施設や農業施設など10か所で雪冷房システムが導入されています。今回は、その一つである「ケアハウスハーモニー」について紹介します!

インタビュアー・取材:中村真紀・高橋アメリ 撮影 ・構成:高橋アメリ 取材日: 2017年9月14日(木)

ケアハウスハーモニーとは

ケアハウスハーモニーとは、社会福祉法人恵和会が運営する老人ホームです。60歳以上の方が健康で安全な生活が送ることができるよう、自立した毎日を過ごして頂く全個室型の施設となっています。簡単に言うと、朝昼晩の食事付きで大浴場もある、老人向けのアパートです。
要介護認定の方から、認定はなくとも一人暮らしが難しくなってしまった方まで、50名の方が入居しています。常に満員で、現在は約20名ほど待機している方がいるそうです。

ケアハウスハーモニーでは、2002年の設立当初から、雪冷房システムが設置されています。

雪冷房システムの仕組み

入り口付近にある貯雪庫へ、玄関前や駐車場、隣にあるパークゴルフ場から除雪された雪を毎年3月に投入します。


今年の冷房の時期は終了となりましたが、わずかに雪が残っています。無くなり次第、雪冷房から通常の冷房に切り替わりますが、雪が足りなくなってしまうことはほとんどなく、大体1シーズンで使い切れるとのことでした。

ケアハウスハーモニーに導入されたシステムは、「全空気循環式」のものです。

全4箇所に設置されている吹出し口

貯雪庫で保管された雪は、機械室で空気に触れることで17度の冷気となり、地下に埋められた空気循環風道を通り、食堂にある4か所の吹き出し口から吹き出されます。

食堂の角にある吸込み口

食堂や談話コーナー、事務室、廊下、玄関を冷やしたのち、食堂の角にある吸込み口から貯雪庫へと空気が戻ります。その空気が冷やされ、また食堂へ……と循環していきます。

高齢者の方は、寒さを感じやすいため室温は26度に調整され、湿度は50%と常に快適な状態が保たれています。

この雪冷房システムは、食堂などの1階のみに設置されています。夏は熱中症が心配なため、職員の見回りを強化しつつ、できる限り食堂に集まってもらえるように、かき氷の提供やイベントを開催するなど、工夫されています。

雪冷房システムのコストについて

施設長の高木様にお話を伺いました

雪冷房システムを取り入れて、実際の電気代について伺いました。電気代はほぼかかっておらず、機械の構造的にモーターを用いファンを回すだけの仕組みのため、ランニングコストもかかっていないとのことでした。「元々導入されているので、比較データはありませんが通常この規模の施設だと、電気代は月何十万円もかかります。イニシャルコストはかかるものの、導入してよかったと感じています。」と、施設長の高木様はお話しされました。

施設の紹介

他にも、施設の中には利用者の方が過ごしやすいような工夫がされていました!

部屋は個室で、まるでマンションの一室のようです。シャワーやトイレも、各部屋についています。


食堂以外にも、談話室があり、こちらでは日頃の運動不足を解消できるようなマシンや、利用者同士が交流できるようなイスとテーブル、小説などが置いてありました。


通路の窓からは、日本庭園風の庭が見え、癒されます。

「ここでの生活は快適」利用者の声

利用者の上田さん

実際にケアハウスハーモニーを利用されている方にも、お話を伺いました。ケアハウスハーモニーに10年住まれている上田さんは、「ここでの生活は快適」と笑顔でお話ししてくださりました。

ーー雪冷房システムが入っていますが、住まれてみていかがですか。
住んで10年になりますが、夏は快適ですごくいいです。暑い日は、雪冷房が入る食堂で過ごすことが多いです。食堂では様々なイベントが行われています。私が一番楽しみにしているのはかき氷が振る舞われることです。毎日、「今日は何味にしようかな」と楽しみにしています。

ーー生活の中で楽しみにしていることはありますか。
私は、膝が悪くて歩くのが好きじゃないけれど、月1回買い物ツアーで、車椅子を押してもらいながら外出できるのがすごく楽しみ。ちょうど昨日は、イオンに行きました! 他にも、お寿司会というのがあって、お寿司を食べに連れて行ってくれます。毎月行われる、誕生日会も楽しみです。

「できることは自分でするけれど、できない部分に関してはケアして助けてくれる……そういった職員との距離感も、過ごしやすくていいですね。」と楽しそうにお話しされる姿が印象的でした。インタビューにご協力頂き、ありがとうございました!

キタゴエ・アワビ一家成長日記

前回インタビューさせて頂いた雪屋媚山商店は、サーバーからの排熱を利用し、アワビの養殖を行っています。再度お邪魔し、アワビの成長具合を見に行ってきました!

アワビ養殖
500匹ほどアワビがいる水槽の中から、5匹を選抜します。

アワビ養殖

指の長さほどしかないアワビ。手にのせていると、だんだん可愛く思えてきます。

アワビ養殖

これから成長過程を見ていく5匹にクリップで印を付けました。5匹なので、5レンジャーにしようか迷いましたが、今回は個体差があるので家族に見立てました。これから、それぞれの身長・体重公開とともに、名前を発表します!

お父さんアワビ・レイボーくん

キタゴエ・アワビ一家の大黒柱は、身体が大きい水色のアワビです。身長7.5cm、体重は41g。お父さんとしての威厳が十分に感じられます。
アワビ養殖

アワビ養殖

お母さんアワビ・さくらさん(ピンク)

お母さんアワビのさくらさんは、身長7cm、体重30gとお父さんより少し小さめです。

アワビ養殖
アワビ養殖

3姉弟の末っ子・ビットくん(緑)

一番小さいアワビには緑のクリップをつけ、「ビットくん」と名付けました! ビットくんは、身長4cm、体重7gと小ぶりです。勘のいい方は、なぜ「緑」色が「ビット」くんなのか、すぐに気づくはずです。
アワビ養殖
アワビ養殖

3姉弟の真ん中・スターくん(黄)

黄色のクリップがついた、スターくんは身長5cm、体重11g。ちなみに、末っ子ビットくんと真ん中スターくん、二人の名前を合わせると、当キタゴエの運営会社「ビットスター」になるではありませんか! ちなみに、お母さんアワビのさくらさんも、グループ会社である「さくらインターネット」の会社名に由来しています。

アワビ養殖

アワビ養殖

3姉弟の長女・ユキちゃん(白)

しっかり者のユキちゃんは、3人の中で一番お姉さん。名前は、今回のアワビが雪冷房を利用したサーバーの排熱から生まれているのでユキちゃんです。ユキちゃんは身長5cm、体重11gとほぼスターくんと同じとなりました。

アワビ養殖 アワビ養殖

以上が、キタゴエ・アワビ一家のメンバーとなります。アワビはここで2年間育ったあと、市場に出回るそうです。今育てているアワビは育ててから1年が経つ子たちです。これからの成長がどうなっていくのかが楽しみです!

アワビ養殖
今後もキタゴエ・アワビ一家の成長をレポートしていきます。楽しみにしていてくださいね!

これまでの連載についてはこちら

【連載】<第一回目>ホワイトデータセンター事業について美唄市に行ってきた! | キタゴエ

【連載】<第二回目>雪は再生エネルギーの時代へ!雪屋媚山商店に行ってきた!

 

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私が書きました!

合同会社EVOLbyAmeri代表。こちらではコワーキングスペースの取材やITイベントを担当。他の媒体では観光系や女性向けライフスタイルなどで執筆しています。

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