道東支部のこちゆうです。今回は釧路出身で、現在は埼玉県でフリーランスのシステムエンジニアとして働いている平崎 葵(まもる)氏にお話を伺いました。
長年、地元である釧路でリモートワーク生活を送りたいと思っていた平崎氏。今回取材を受けてくださったのは、念願叶ってようやく初の釧路長期リモートワーク生活を送っていらっしゃる最中でした。
普段から遠隔の仕事が多いということもあり、今回はフリーランスとして働くことになった経緯やリモートワークする上で気を付けていること、釧路でのリモートワーク生活などについて語っていただきました。
取材・撮影:こちゆう 取材日 : 2019年5月28日
信頼を第一に 平崎氏の働き方
平崎氏がフリーランスのシステムエンジニアとして働き出したのは、2018年1月のこと。それまではプログラマーとして、主に東京で仕事をしていたそうです。
平崎:高校卒業後、札幌にあるIT系の専門学校でプログラミングなどについて学び、プログラマーとして東京の会社に就職しました。
2年間ほど働いていたのですが、当時、私自身の仕事に対する姿勢の甘さなどもあって、上司と折り合いが合わなくて。仕事もすごく忙しくて他のことにもチャレンジできず、「この生活がずっと続くのか」と疲れてしまい、一度釧路に帰ってきました。
「20代は好きなことをする。30代は仕事に生きる」と決めたこともあって、しばらくは他の仕事や好きなことを優先して生活していたのですが、30歳でNPO法人で働いていたときに結婚という転機に恵まれて、子どもがほしいと思うようになったんです。でも、当時の給料では金銭的に家族を養えるかどうか不安だったので、仕事自体は自分に向いているなと思っていたIT業界に戻ることに。
幸い東京のベンチャー企業とご縁があって就職でき、翌年には双子を授かりました。結婚から出産まで一年ほどでしたが、その間に転職や出産も経験した、濃い一年でしたね(笑)
平崎:でも給与面で合わないところが多くて。そんな時に「自分が会社員になるメリットって何だろう」って改めて考えてみたんです。
昔は終身雇用が当たり前でしたが、今は多くの企業が雇用形態を見直していて、会社員だっていつ首を来られるかわからない時代になりました。給与面も絶対安定、昇給するとはいい難い。
何より、フリーランスとして働いたほうが自分に合っているし、きっと会社に属するよりもやりがいを感じられるだろうなと思い、独立することにしました。
−− 実際にフリーランスとして働いてみていかがですか。
平崎:仕事に対する姿勢が変わりましたね。
フリーランスになると決めた時に「これからはお金よりも信頼を大事にしよう」と決めていました。自分の持つ技術や知識の面は、他の誰かに代替えが利くかもしれない。だからこそ「平崎さんにお願いしたい」と、私を信頼して仕事を依頼してもらえるように働こうと思っていました。
実際に、現在携わっている「Re-alプロジェクト」に参加することができたのも、とある仕事ぶりを高く評価し、私を信頼してくださった方にご紹介いただいたからです。
−− Re-alプロジェクトとは?
平崎:リアルハプティクス(力触覚技術)と呼ばれる独自のアルゴリズムを用いて、優しく柔軟な力加減ができるロボットを作り出すための研究開発をしているベンチャー企業です。
−− 多岐にわたる分野にチャレンジしていらっしゃるんですね。
平崎:すべて周りの方々の助けがあったからです。私はもともとはWEBエンジニアですから、勉強しながら携わらせていただきました。こうした働き方をさせてもらえていることに、本当に感謝しかありません。
リモートワークで大切なのは「継続すること」
−−Re-alプロジェクトはリモートワークで参加されているのですか。
平崎:こちらはリモートワークではなく、週に2回ほど会社に足を運んでいます。いろいろ大掛かりな機械を使わないといけないこともあるので。
釧路で今リモートワークできているのは、その間の勤務を6月に振り替えてもらったからです。
リモートワーカーとしては週に2回、WEBサイトの構築やKotlin、React Nativeによるアプリ開発などを行っています。
−−「出勤する働き方」と「リモートワーク」を両立されているのですね。だからこそわかる「リモートワークの難しさ」というのはありますか。
平崎:自己管理ですね。リモートワークの場合、働くペースは自分次第です。怠けようと思えばいくらだってできると思います。
でもいつかはバレますし、それでは相手と信頼関係を築くことは到底難しいでしょう。見られていなくてもしっかり仕事をして、相手に信用していただけるような成果を出すことが、フリーランスのやりがいであり難しさだと思います。
−−うまく自己管理する上で実践していることがあれば教えてください。
平崎:私の場合は、集中力が切れたら無理に頑張ろうとしないことでしょうか。とにかく徹底的に休む。
休んでいる間は「あれしちゃだめ、これはだめ」と考えず、自分がやりたいことをやります。ゲームしたりネットサーフィンしたり、自宅の近くにあるジムに行くことも多いですね。
平崎:リモートワークに限らず、私は「継続すること」を大切にしています。ここでいう「継続」とは、絶え間なくやり続けることではなく、途中で休憩してもいいから続ける、つまり「やめない」ということです。
そのために、私は途中で休んでもいいと思っています。休んでいる間は自分を責めたりせず、やりたいと思った時にやってみる。するといいアイデアが生まれたり、続けるのが自然と楽しくなっていくという経験を、私は何度もしてきました。
逆に、「今やらなければ」と思うと自己嫌悪に陥ってしまって継続できなくなってしまいます。それはすごくもったいないですよね。
信頼関係を築くためにも、継続はとても大切です。こうしてしっかり成果を残すことが、リモートワークする上で大切なことなのかなと思います。
釧路は「リモートワークしやすい場所」その理由は
−−リモートワーク中は主にどこで作業していますか。
平崎:最初は自宅でしたが、どうしても気が散るのでカフェなどに行くようになりました。でも電源やWi-Fi環境がないところが多いので、今は自宅から電車で行ける距離にあるコワーキングに通っているんですが、電車の運賃や利用料、昼食代など、何かとお金がかかっちゃうんです。
その点、自分にとって釧路はリモートワークしやすい環境かなと思います。市街地にコワーキングスペースが数件できているから、電源やWi-Fi環境の心配をする必要がない。
今は主にコワーキングスペース「くしろフィス」で仕事をしています。ここで「おためしくしろキャンペーン」を紹介してもらったので、10回分は無料で利用できる。こういう制度があるといいですね。
※「おためしくしろキャンペーン」は所定費用に達し次第終了となるため、利用を検討の方は事前に釧路市市民協働推進課までお問い合わせください。
Tel:0154−31−4538
※上記は以前紹介した「HATOBA」でも利用可能です。
※利用の際は居住地のわかる証明書および印鑑が必要です。
平崎:あと、家から自転車でも通える距離なので、運動がてら車を使わずに行けるっていうのもいいですね。交通費もあまり掛からないので一石二鳥です。
何より地元ですから、街のことはよくわかっているし、気軽に話せる友だちもいる。だからこそ、ずっと釧路でリモートワークしたいと思っていたんですよね。
取材を終えて
「釧路でまた長期リモートワーク生活がしたい」といい、平崎氏は6月に埼玉県に戻っていきました。さまざまなチャレンジを続ける中で、多くの信頼できる人たち、そして知識を身に着け、楽しく働いている平崎氏。これからどんなサービスを生み出していくのか、今後の活躍を楽しみにしています。
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