エコモット株式会社、BULB株式会社インタビュー後編。前編ではエコモット株式会社 代表取締役 入澤拓也さん、BULB株式会社 CEO 阿部友暁さんの両代表者に登場していただき、初めての出会いと印象、提携の打診、提携の理由をお聞きしました。
後編ではどこに事業領域を拡大していくのか?「LINEがやりづらいことをやりたい」「法律が整備されていないところをやりたい」という話から、以前阿部さんが運営されていた「ねとらじ」から、今後の展望までお伺いしました。
インタビュー・取材・構成 : 赤沼俊幸 撮影 : 早川諒亮 取材日: 2019年7月1日(月)
新たな事業領域はBtoC・BtoBtoC・XTech
今回のリリースに記載があった「新たな事業領域拡大」。どのような事業領域を拡大していくのでしょうか。
僕らはドBtoBなんですよ。BtoC、あるいはBtoBtoCをもう少しやっていきたい。BtoBの世界でエコモットは知名度はありますが、せっかく上場し、社会的な信用が得られるなら、BtoB以外の世界でも勝負していきたい。
例えば今、BULBが手掛けているシェアリングエコノミーやオーダーシステムなどですね。
本取材では本記事に掲載している以外にも、多くの案が出ました。
今からゼロイチで新しい事業を作るのはどうしても時間がかかる。既存の事業を進めている方々と一緒に新しいことをやり、その業界の中で横展開ができるサービスがやれたらいいと考えています。
例えば、どのような業界にアタックしていくのでしょうか。
サツドラさんが一番いい例ですよ。代表の富山さんがITに長けていますよね。あのように売り場を変えていきたい。
例えば、宿泊業。とあるホテルではIT化に遅れ、マンパワーで乗り切る仕事している。ここに業務効率化ができる仕組みを入れ、後に他のホテルや組合にも広まっていく。というような試行錯誤と横展開をやっていきたいですね。
理想的には北海道発でやりたい。その後、別の地方に応用していく。最初の成功事例を作る舞台を北海道としたい。
LINEがやりづらいことをやりたい
捨てるものがない。そういう役割分担はできると思っています。「やっちゃえば?」という空気を作っていきたいですね。それが僕らのような会社の役割だと思うんですよ。
法律が整備されていないところをやりたい
ねとらじは阿部さんが個人で立ち上げたインターネットラジオサービス。(前編にも記載したとおり、阿部さんはライブドア社に売却。現在はFC2社が運営)
今はYouTube Live、ニコニコ生放送、ツイキャスなどのストリーミングサービスの充実により、個人の生放送サービスは当たり前に提供されていますが、もちろん当時にそれらのサービスはなく、Ustreamもありません。ねとらじは画期的でした。
私はねとらじをユーザーとして、聴いた体験もあります。ねとらじはユーザーが気軽に生放送ができる最初のインターネットラジオサービスだったと私は認識しています。阿部さんは日本におけるストリーミングサービスのパイオニアともいえるでしょう。
ラジオには音楽BGMが必要不可欠。一般的なラジオ局はJASRACと包括契約を結び、JASRAC登録楽曲であれば、自由にBGMとして利用可能です。しかし当時は、インターネットラジオにそのようなルールはありませんでした。
ねとらじはJASRACとの契約をしておらず、そもそもそういうインターネットのルールが整備がされていない時代。しかし、ねとらじでも通常のラジオ番組のように楽曲をBGMとして使う配信者が多くいたことでしょう。多くの違反者に対して、どのように対応したのでしょうか。
最初はアナログ、パワーで乗り切る。そして「これがニーズある」と実証する。やれないことはないんですよ。「変わろうよ」ということを北海道でも実現したいんですよね。
エンジニアの単価を上げていく
最後に札幌でどのような会社を作っていきたいか、どのような未来を作っていきたいかを伺いました。
最後に入澤さんが締めくくります。
最初に始めるのは一人なんですよ。我々は一人ではないけれど、ぜひできることから初めていきましょう。
取材を終えて
入澤さんと阿部さん。私は両者ともに数年前のお付き合いでしたが、三人で話したことは初めてです。まったく別の道を歩んでいた二人が同じ道を歩みだす。長く札幌IT業界にいると、こういう場面にも遭遇し、感慨深い気持ちになりました。
お互いの会社を知っているからこそ、リリースを聞いた時に驚きました。「こんなにも社風が違う会社が一緒にやるのは大丈夫だろうか」と。
大人と自由。表面上の社風は違うかもしれません。ただお話を聞いていくと、「既存の業界に対して、新しいITサービスを提供し、変えていきたい」という思いは一緒。表面上の社風は違えども、根底の思いや、活動されていたことは一緒だったのです。
「素晴らしい補完関係」と語っていただいた両社。今後どのような動きをしていくか。今後もキタゴエでは両社の歩みを追っていきたいと考えています。
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