「マンガで起業する」使うIT、伝えるマンガ!スタークリエイツ代表 梅沢氏が語る地方創生のビジョン(後編)

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「マンガで起業する」使うIT、伝えるマンガ!スタークリエイツ代表 梅沢氏が語る地方創生のビジョン(後編)

言葉でうまく説明しにくい商品の良さを、いかにして伝えるのか? 顧客のニーズを呼び起こす有効な広告をどのように工夫するべきなのか?

「伝わらない」ことによって発生する潜在的なコストは、企業の悩ましい問題ですよね。

「スタークリエイツ」の代表・梅沢太一(うめざわ たいち)氏は、北海道は札幌市に、広告・ランディングページ・仕事マニュアルを「マンガ化」して企業の生産性の効率を図るビジネスを手掛けています。

スタークリエイツ 代表 梅沢太一 右アングル 顔 斜め上目線

今回は、「業務用マンガ」で活躍する梅沢氏の掲げる【IT×生産性向上×地方(札幌)×マンガ・イラスト】をテーマに、にインタビュー取材をさせていただきました。

なお本記事では、このインタビュー内容を二部構成でお届けします。

前編では、スタークリエイツ代表・梅沢氏が「業務用マンガ」で起業するに至るまでの半生にスポットを当てました。

「マンガで起業する」使うIT、伝えるマンガ!スタークリエイツ代表 梅沢太一氏が語る地方創生のビジョン(前編)

続く後編では、氏が仕事のテーマとして掲げる【IT×生産性向上×地方(札幌)×マンガ・イラスト】を深堀していきます。

インタビュアー・取材 : HironaoIshiyama 撮影 : 赤沼俊幸 取材日 : 2019年4月17日

生産性向上に貢献するIT技術をうまく使いこなすヒントは「情報伝達」

――梅沢さんがご自身の仕事のテーマとして掲げている【IT×生産性×地方×マンガ】の定式には、どのような想いが込められているのでしょうか?

梅沢:企業の生産性を向上させるために、【IT】は今後ますます重要性を帯びる技術です。労働人口が減っていくなかで、人手不足は尽きない企業の悩みでしょうし、いま話題の「働き方改革」に関しても、【IT】の活用は避けては通れません。

そしてここで際立ってくるのは、どうやって【IT】を使いこなすのかということです。【IT】を使うのは、結局のところその職場で働く人です。しかし、多くの人たちにとって【IT】が難しく、活用できないとすると企業の損失になります。これはまさに「伝わらないこと」のコストですよね。「業務用マンガ」を通じて【IT】の難しさの壁を越えることは、企業にとって決して安価ではない【IT】投資を活かし、働く人がその恩恵を受けるための、効果的な方法だと言えます。

また、これは持論ですが、企業の仕事の価値は、お客様が決めることであって、プロセスは関係ないと思うんです。

仕事の過程は、たとえ楽しくても、辛くても、お客様にとっては関係ない。

であれば、仕事は楽しくなるようにする方が良いと思います。

そして、仕事を辛くしている要因のひとつに、コミュニケーションの問題や業務の伝達の問題、すなわち「伝わらないこと」があると考えています。

だからあらゆる仕事の場面に、「業務用マンガ」が入り込んで、“わかりやすさ”や“楽しさ”を実現していって、働く人達が楽しく、お客様に喜んでもらえる仕事ができる環境にしていくことができたら素敵だなと思っています。

 

故郷で起業する人が増えれば、仕事も人口も安定して地方はきっと発展していく

――では、【地方】というのはどのような意味を込めているのでしょう

梅沢:【IT】技術の発達した現代社会に生きる私たちは、仕事の面において、地理的な制約を乗り越えていると言っても過言ではありません。どこで仕事をしても良い時代になった。だからこそ、「自分はどこで仕事をしたいのか」を考えることが大事になってきたんじゃないかと思います。

私が北海道の地で「スタークリエイツ」を起業した理由はシンプルで、「北海道が大好きだから」です。人生の大半を過ごし、自分を育ててくれた北海道を愛しているからこそ、北海道で起業して、この地に貢献したいと考えています。

たくさんの私の友人たちが、大学を卒業すると共に北海道を出てしまいました。それは、とても寂しかった。みな口々に言うんです、「北海道には仕事がないから」って。私が【地方】という言葉にこだわる理由は、きっとここにあるんだと思います。

スタークリエイツ 代表 梅沢太一 左アングル 真面目 顔

もし、私が北海道にみんなが働きたいと思う会社を創って、それが成長して人をたくさん雇えるようになれば、安心して北海道に根をおろして家庭を築ける人が増える。すでにたくさんの企業が努力されていますが、私もそれを担う一人になりたい。いつかそうした取り組みが実を結び、人口が増えて、北海道が豊かになっていけば良いなと思っています。

自分が愛する土地で、「好きなこと」を産業化していく起業家が今後どんどん増えていけば、きっと元気になる地方が増えて、日本中がもっと良くなっていくと思います。

 

「マンガは普通の仕事」という新しい常識をつくっていきたい

――定式にある【マンガ】という項に対して、思い入れはありますか?

梅沢:今回のインタビュー取材のお話を頂いたのを機に、自分の過去を振りかえることができました。いまこうして自分が【マンガ】で起業するようになったのは、もしかしたら、マンガ家になれなかった過去の自分を救うためだったのかもしれません。

私もそうでしたが、多くの場合、「マンガ家になりたい」と言ったら周囲に反対されると思うんです。

でも、これっておかしい。

もし、私が創りたいものが車だったら、「じゃあ自動車メーカーや系列の会社に入ればいいじゃないか」ということになりますよね。安定もしていますし。

だけど、たまたま私が「創りたかったもの」が「マンガ」だったから、マンガを創れる安定した会社がなかったから、「マンガ家 = 不安定な職業」ということが常識になっていたから――周囲は反対したと思うんです。

「本当に好きなら周囲の声なんて関係ない」という声もあると思いますが、私は、「反対を押し切る」みたいなことをしなくても、マンガを普通に選択できる仕事にしたい。

「マンガは好きだけど趣味にするしかない」と諦めていたかつての自分のような人たちは、きっとたくさんいると思っています。「スタークリエイツ」は、そんな人たちが安心して働ける会社にしたいという想いを込めています。

そもそも、マンガ家が不安定な職業なのは、エンターテイメントとしてのマンガが市場のメインだからだと思います。どんなに良いものを創っても、当たり外れがある世界だから、けっきょくは才能と運の両方が必要になってしまうんです。

 

将来はエンタメも作れるマンガメーカーを目指したい。テーマは「マンガの生産性向上」

――今後の将来にむけての「スタークリエイツ」の展望などはありますか?

梅沢:「業務用マンガ」の市場は、今後まだまだ可能性を秘めている市場だと感じています。この数年で、マンガの印象はずいぶん良くなり、時代の後押しを受けているように思います。私が過ごした中国をはじめ、マンガは、海外の国々でも共通言語になりつつあるので、インバウンドビジネスでの活用もますます増えると考えています。

「業務用マンガ」は、まだまだ未開拓なので、競合がたくさん参入したとしてもまかない切れないほどの市場がある。だからこそ、この業界を一緒に戦っていける仲間や、同じビジネスを展開する競合が増えていって欲しい。その中でスタークリエイツは、切磋琢磨し、高い品質のマンガを大量生産できる企業を目指したいと考えています。「マンガの生産性向上」を実現します。

また、先ほど触れた「仕事を楽しくする」ということは、自分たちのミッションなので、「業務用マンガ」にこだわらず、多角的なアプローチで、日本中の企業の役に立ちたい。

そしていつか、こうした事業の柱が育ち、体制が整ったら、エンターテイメントとしてのマンガにもチャレンジしたいです。当たり外れがあるのなら、撃てる数を増やして、当てる確率を高めることは可能だと思っています。

スタークリエイツって何の会社?と聞かれたらマンガの“メーカー”と答えられるようにしていきたいですね。

 

――「業務用マンガ」ではなく「エンタメマンガ」ですか。今後の夢は、梅沢さんの原点に近づいていくのかもしれませんね。本日はありがとうございました。

スタークリエイツ 代表 梅沢太一 挨拶 笑顔 

 

取材を終えて

一見つながりのないように思える過去の出来事や経験が「点と点」でつながり、【マンガ】・【IT】・【地方】への想いが「創」られていく――今回は、スタークリエイツ代表・梅沢氏の「過去」にまでさかのぼり、起業に至る「現在」へと時計の針を進めていく形で取材をさせていただきました。

「大切なことは、仕事を「やりたい」とか「やりたくない」で価値判断をしないで、眼の前の仕事に全力で取り組むことです。その中で身につけたものは、いつか自分の「好きなこと」をする時に助けてくれます。私はそう確信しています。」(前編のインタビューより

この言葉は、インタビュアーであるわたしの胸にも深く刺さりました。きっと梅沢氏の熱い想いは、「スタークリエイツ」の仕事を通じて、未来ある起業家や、今後さらなる可能性を秘めたIT技術に携わる若者たちへ届いていくのではないでしょうか。

 

(前編はこちらよりご覧ください)

「マンガで起業する」使うIT、伝えるマンガ!スタークリエイツ代表 梅沢太一氏が語る地方創生のビジョン(前編)

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私が書きました!

大学院在学中、「文章はどこまで人を楽しませられるのか?」という関心があり、ライター活動をはじめる。地元の札幌(もとい北海道)を自分の文章で盛り上げることはできないものかと、現在いろいろと模索中。趣味は作品批評。

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