2019年11月22日(金)13時より開催された、北海道IT企業合同技術交流会、Kita-Tech2019に行ってきました!本記事ではKita-Tech2019のダイジェストをお届けします。各発表の詳細は後に公開するレポートをご覧ください。
取材・撮影 : 赤沼俊幸 取材日: 2019年11月22日(金)
場所はさっぽろ創世スクエア クリエイティブスタジオ
今年のKita-Tech2019は過去開催のジャスマックプラザから場所を変え、2018年10月にオープンのさっぽろ創世スクエア、札幌市民交流プラザ3Fにあるクリエイティブスタジオで開催。
〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西1丁目6
KIta-Tech2019とは?
Kita-Techは北海道のIT企業が集まり技術交流するイベント。札幌を中心としたIT企業14社が参加し、参加者は130名越えました。参加企業から選抜された各チームが発表15分、質疑応答5分の中で技術発表を行います。発表後、各審査員が審査し、賞を授与。今年は以下のルールがありました。
- 発表題材として、GPUサーバーを活用したIT技術(GPUサーバーはさくらインターネットの高火力サーバーを使用)
- ソフトウェア、サービスについてはプロトタイプを作成する
それでは各発表の概要を紹介します!
映画の予告編から本編の対象年齢を割り出すことはできるのか
ネットスター株式会社からはPolaris(ポラリス) チームによる「映画の予告編から本編の対象年齢を割り出すことはできるのか」。発表は渋谷一将さん。
予告編の映像から音声データを抽出して、テキスト化。テキストを解析した結果、12歳未満と12歳以上かのレーティングを正しくを判定可能かどうかの発表でした。
誰でもビットちゃんになれる!?BitChannel
ビットスター株式会社からはビットちゃん推進部チームによる「BitChannel」。発表は内田真央さん、菅野璃玖さん、松館琴音さん、久慈道瞭さんです。
ビットスターの非公認キャラのビットちゃん。誰でも簡単にビットちゃんになれるBitChannelではリアルタイムに動画配信でき、チャンネルを通してビットちゃんになれ、端末一つで手軽に配信できます。このBitChannelをどのように作ったかの発表でした。
深層強化学習でグリッドを駆け抜ける
株式会社ノースグリッドからはグリッドチームによる「深層強化学習でグリッドを駆け抜ける」。発表は渡邊僚さんです。
ゲーム攻略に必要なグリッド上を移動して、所定の位置に到達する操作を深層強化学習で学習。DNNにおけるGPU高速化の威力を検証しました。実際にはランダムに配置されるゴールにたどりつくゲームを深層強化学習でどのような強化されたのかを検証する発表です。
ガリレオの目 ~人の顔の数式表現~
株式会社リッジワークスからはDragon Fourthチームによる「ガリレオの目 ~人の顔の数式表現~」発表は田中駿平さん、青木一弘さんです。
ドラマ「ガリレオ」では目に見えるものが全て数式に見えたようです。これをガリレオの目と呼びます。「このガリレオの目をGPUで再現できないか」という発表。特に今回は人の「顔」をすべて数式化に実現するチャレンジに取り組みました。
AI社内コンシェルジュ
株式会社インフィニットループからはinfiniteloopチームによる「AI社内コンシェルジュ」。発表は佐藤太郎さんです。
社内交流を促進するために他部署のメンバーが話し合う「きっかけ」が必要だと考えます。その「きっかけ」を提供するために、AI社内コンシェルジュ「AIえるたん」を制作。「AIえるたん」はSlackのログから、文章の特徴を抽出して、類似のユーザーを選定。「話しかけやすそうな人」を推薦するシステムを発表しました。
全自動VTuber
さくらインターネット株式会社からは松竹梅チームによる「全自動VTuber」。発表は加藤祐基さん、関根隆信さん、松本拓真さん。
9,000人を超えているVtuber。しかし、Vtuberによる映像制作には原稿、収録、配信を行う多大な手間がかかっています。そこでVTuberの映像生成を自動化。ニュースを自動配信するVTuberを作成する発表を行いました。
特別講演「100円で50MIPS!?こどもパソコンIchigoJam x GPU/VR/5G時代のオープンデータ、その心は?」
特別講演は株式会社jig.jp会長の福野泰介さんです。「100円で50MIPS!?こどもパソコンIchigoJam x GPU/VR/5G時代のオープンデータ、その心は?」として、福野さんの活動についての講演が行われました。
前半は一日一創を掲げる福野さんが制作した代表作としてichigoJamを紹介。BASICのメリットから、ichigoJamの歩みの話に。後半は「オープンデータで見る日本」として、オープンデータとIoTを活用し、鯖江市との取り組みを例とした現在の日本環境を変えていく講演となりました。
熱中症を倒そう! -水分取ってますか?-
最後の発表はKidsVentureチーム。小学校6年生の深谷光喜さん、小学校5年生の菊池竜矢さん、小学校4年生の畑華音さんによる発表です。
KidsVentureチームが解決したい問題は年々増えている「熱中症」。その熱中症の対策として、人が1日に飲む水分量が不足の問題に対してのアプローチを考えます。IchigoJamを活用することにより、1人2リットルの水を飲んでいない人を気づける仕組みを考え、発表しました。
懇親会
全発表後は会場を移動して、クロスホテル札幌3Fのレストラン アッシュでの懇親会。お酒も飲みながら、参加者同士の交流が行われました。
食事のほんの一部を紹介!
乾杯から審査発表までは「”D-BOP” JAZZ CLUB SAPPORO」からメンバーを迎えての余興が行われました。
審査発表後、審査委員長のさくらインターネット株式会社代表取締役、田中邦裕さんより講評があります。
田中さんは先日審査員として参加したU-20プログラミングコンテストで中学3年生が新言語を開発した話と、KidsVentureの活躍に触れ、「最近、経験年数は関係ないことを相次いで目撃しています」と経験に関わらないことと、「日々の仕事の中で何か忘れてるものを見つめ直すことが大事だろうと思っています」と伝えます。
そして発表直前に最優秀チームと話したことに触れ、「最優秀チームが良かったのは『余白』だったと思っています。渋滞は車間距離がないから、起こるんですよね。車間距離があると、ブレーキをかけても、後ろの車にブレーキが波及しないから渋滞しない。渋滞は道路が細いわけではなくて、道路に合わせて車間距離を空けないから起こる。それを社会に適応するならば、『余裕』や『余白』が大事だと思っています」と話しました。
閉会挨拶をしたビットスター株式会社 代表取締役CEO 前田章博さんは「来年はそろそろKidsVentureを越えるような越えるような発表を見たいと思っています」とKidsVentureの発表レベルの高さと、他参加者に対してのエールを送りました。
Kita-Techのロゴがリニューアルしたことにも触れ、ロゴをデザインしたビットスターの岡山慎之介さんを紹介しました。
岡山さんはロゴをデザインした意図を紹介します。
「今回ロゴをリニューアル意図として、過去のロゴは縮小すると使いづらかった点があります。新しいロゴは上半分が『北』、下半分が『T』の文字になっています。そしてそれぞれが矢印になっていまして、北海道の中心に集まっている意図があります。他にも下の矢印が上を向いていることから、『北』をアップする。上昇する……(会場は驚きの歓声)……というのを作り終わってから考えました(笑)」と話すと、会場に笑いに包まれました。
今年のテーマは「GPUサーバーを活用したIT技術」。ただ、蓋を開けてみると、VTuberを除いて、ほとんどのチームは広義でのAIについて発表でした。これは現在のIT技術者がやはりAIに強い関心があるのか、もしくは、すでにAI自体が珍しい技術ではなくなっているのかもしれません。
発表詳細は別記事で公開します。楽しみにお待ちください!
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